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航空Ans&Q 1121 九五式水上偵察機について(その1) じゃま 15/12/10(木) 18:47

戦前戦中の日本の技術の貧しさ じゃま 15/12/21(月) 19:43
┣ Re:戦前戦中の日本の技術の貧しさ 如風 15/12/22(火) 3:07
┗ Re:戦前戦中の日本の技術の貧しさ 零戦勉強中 15/12/22(火) 19:28
┗ Re:戦前戦中の日本の技術の貧しさ 零戦勉強中 15/12/22(火) 19:58
┗ だいぶ長くなってきたので じゃま 15/12/23(水) 15:57
┗ Re:だいぶ長くなってきたので 零戦勉強中 15/12/24(木) 18:40

戦前戦中の日本の技術の貧しさ
 じゃま  - 15/12/21(月) 19:43 -
  
如風さん

長いこと相手にしてくださってありがとうございました。

続きはまた書きます。

それにしても思うのは、戦前戦中の日本の技術の貧しさです。

佐貫又男が、四式戦の主翼のテーパー比がきつい理由を小山技師に尋ね、
「翼端から翼根へ空気が流れるのを防ぐため」と答えていて、おじさん、プロのはずなのに、それもわからないのかと、がっかりしました。

キ45はじめ、日本の双発機が悩まされたナセル・ストールについて、日本の技師は最後まで理解できず、「気流の乱れ」としか、書けなかった。

計算ができないから、ひたすら実験をくりかえして、「数撃ちゃ当たる」で試行錯誤していたのでしょう。

海外の航空雑誌の写真を見て、「ああすると、うまくいくらしい」程度ではなかったのか。

現代の競走用自動車でも、計算や実験がたくさんできないチームは、理屈もわからず、他チームの車の形を真似しているみたいですが、そんな感じです。
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Re:戦前戦中の日本の技術の貧しさ
 如風  - 15/12/22(火) 3:07 -
  
じゃま様、ご丁寧にありがとうございます。

先ずは、ネタばらし。
小山技師の話は、私にとっても耳の痛い話です。 現役のおじさんの頃、若い連中にとって当然のことを知らなくて、逆に教えてもらったりしたしたこともあります。
小山技師の当時の年齢を知らないので良くわからないのですが、急激な技術革新の時代だったのかも知れませんね。

エンジンナセルについてはほとんどチンプンカンプンで、何もコメントできません。
しかし学生時代に先生が気化器ではガソリンは気化すると思うなと常々言っておられて、どこぞのAnsQ?でじゃま様が吸気管を可視化したらガソリンが液状に流れているのを見たとの話をされていて、更にイメージが一新された覚えがあります。同時に、可視化せずに吸気管の温度がもっと高かったら少し変化があるのかなと思った覚えもあります。

ところで、当時の日本も谷一郎さんの層流翼(読んだことありません)や、堀越二郎さんの捩り下げ(ユンカースの物まねでなく自分でしっかり考えた物になっていると思うのですが)や、菊原さん(でしったけ)の空戦フラップなど優れたものがあるように思うのですが。 なかでも私が一番好きなのは、松平精さんのフラッター試験法と機体への荷重の頻度計測です、私も損傷には色々悩ませられたものですから。

しかし当時の日本には、周辺工業力の成長に振り向ける人材と時間が一番足りなかったように思います。 私が社会に出た1975年でさえ、工業の土台である金属の表面粗さ測定装置、真円度測定装置は外国製が幅を利かせていました。
 
今のように電子工業や化学工業、製鉄業、工作機械など、それと世界に誇る中小企業などに支えられていれば、当時DB601をライセンスしてもそれを凌ぐ液冷エンジンでさえ可能であったように思うのですが。

余談ですが年明けに、昔の人は言っていたのに今の人は見逃しているのでは?というネタを議論ボードに上げる予定です。 あちこちに穴がありそうですが、皆様に議論していただいた方がいい結果になるだろうという状況になっています。 
じゃま様には、喜んで辛口のコメントを期待します。 有難うございます。
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Re:戦前戦中の日本の技術の貧しさ
 零戦勉強中  - 15/12/22(火) 19:28 -
  
はじめまして。日頃はROM専ですが、少々気になった箇所があるので書き込ませていただきます。

じゃまさんは、「計算ができないから、ひたすら実験をくりかえして、「数撃ちゃ当たる」で試行錯誤していたのでしょう。」と書かれていますが、これは逆で、理論先行で実験で出遅れているといった状態です。

ANS.Qのほうで書かれていた「三次元の翼理論など知らなかったはず」というのも誤りで、当時の日本航空学会誌(ネットでも見れます)や航空力学の教科書を読むと、三次元翼理論でさまざまな平面形の翼の特性を解析する研究が行われています(後退翼に関する研究もありますね)。

一方、NACAラングレー研究所のような実機風洞が無いため、風洞実験は模型を使用したものに限られ、実機のレイノルズ数に合わせた実験はできません。このため、流れの剥離(とそれに伴うナセルストールなど)のようなレイノルズ数の影響の大きい現象に関しては知見が不足していた、というのが実情ですね。

もっとも、アメリカでも実機風洞が機体設計に活かされ始めたのは1930年代末期であり、それ以前の機体では、カーチスP-36で旋回中に胴体側面で大規模な剥離が生じてスピンに陥るといった不具合が発生したりもしています。

「海外の航空雑誌の写真を見て、「ああすると、うまくいくらしい」程度ではなかったのか。」などということは無く、結構貪欲に海外の論文を入手して機体設計に活かそうとしている状況が当時に航空関連書籍を読むと理解できると思います。
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Re:戦前戦中の日本の技術の貧しさ
 零戦勉強中  - 15/12/22(火) 19:58 -
  
ついでに、流体力学の話でいくつか気になった箇所について。

じゃまさんは、「飛行機が飛ぶようなレイノルズ数では乱流動性係数というものが加わって」と書かれていますが、乱流動粘性係数とは、乱流化した流れを扱う際に変動成分を粘性と同様に扱えるようにモデル化したものであり、「飛行機が飛ぶようなレイノルズ数だから粘性が増す」といったようなものではありません。

全体が乱流化した流れを扱う場合にはこの乱流動粘性係数の影響が大きくなりますが、翼や流線型の物体周りの場合、乱流動粘性係数が影響を及ぼすのは境界層と呼ばれる物体近傍のごく狭い領域のみであり、それ以外の流れは非粘性流体の流れと類似した振る舞いをします。非粘性流+境界層で流れを取り扱うという手法は1930〜1940年代に多く用いられた手法ですが、状況次第では現代の数値解析(コンピューターシミュレーション)と同等といってもよい精度を持ちます。

翼端渦に関しても、ヘルムホルツの定理「渦は不消不滅である」とまではいきませんが、機体サイズの数十〜数百倍の長さにわたって機体後方に残されます。
現代の飛行場での航空機の離陸間隔にはこの翼端渦の影響が反映されていますね。
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だいぶ長くなってきたので
 じゃま  - 15/12/23(水) 15:57 -
  
零戦勉強中さん:

重要なご指摘ありがとうございます。

ちょっと長くなりすぎた気がしますので

新しくスレッドを立てたいと思います。

いかがでしょうか。
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Re:だいぶ長くなってきたので
 零戦勉強中  - 15/12/24(木) 18:40 -
  
かまいませんが、こちらはそれほど面白い話題は持ち合わせていませんよ。
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