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ワシントン軍縮条約の基本は、戦艦の新造の禁止です
だから英米には、日本が陸奥を保有することに対する補填として、ネルソンとロドニー、コロラドとウェストバージニアの新造が認められたのです
要は1国に(仕方なく)新造枠を与えた場合、他国にもそれに応じた新造枠が与えられるというわけです
したがって、既に完成している長門とメリーランドは交渉の対象になりません。議題に上がるとすれば、それはその戦艦が「新造戦艦だから」であり、「16インチ戦艦だから」ではないのです
新造される陸奥+天城とレキシントン級2隻+αが3:5になれば問題ないのであり、長門とメリーランドを加えた比率がどうなろうと、そこに文句は言えないわけです
そもそも条約が当初案通り締結されれば日米の16インチ戦艦保有率は1:1です。それでもアメリカは文句を言っていなかったではないですか
つまり、日:長門型2隻+天城と米:コロラド級3隻+レキシントン級2隻という状態になるのであれば、それは16インチ戦艦の保有率を日:米=3:5にしようとした結果ではありません
当初日本が長門を、アメリカがコロラド級2隻を保有しており、その後与えられた新造枠(陸奥+天城、コロラド級1隻+レキシントン級2隻)を3:5にしようとした結果、偶然16インチ戦艦の全体の保有率が3:5になっただけです
個人的には、コロラドの完成が繰り上がった理由とそれに伴う影響を考慮しなければならない分だけ議論が複雑になるので、アメリカの16インチ戦艦はコロラド級2隻とレキシントン級2隻で想定した方がよいかと思います
まあコロラド級が1隻増減しようと、天城とレキシントン級2隻の関係が変わるわけではないですから、今回の議論においては枝葉末節ですね
いや、16インチ戦艦の保有数も3:5になっていた方が座りがいいし、アメリカも納得するだろう、というのは同感なのですが
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