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独海軍が実際にどう巡戦(+装甲巡洋艦)を使おうとしていたかと見直してみますと、それは「敵戦艦(+巡戦)の分断」で表せるかと思います。そして、英海軍は独海軍の意図を挫くために巡戦を繰り出していたように見えます
つまり「巡戦が有用だ」という評価が現れるとしたら、それは独巡戦が上手く英戦艦を分断できたという戦果に、又は英巡戦が独巡戦の意図を見事封じたという戦果によるのではないかと思います
さて、ここで独大巡の戦いを振り返ってみます
ゲーベン、シャルンホルストやグライゼナウといった方面艦隊に配置された艦は、その方面で存在を誇示することで、敵の方面艦隊の戦力を拘束しました。敵の本国艦隊から戦艦を追加で吸収できればなお良し、と言えるでしょう
本国艦隊の大巡は、本土砲撃等を行うことで、敵本国艦隊を哨戒のために分散配置させることを狙ったと言えます
そして、いざ艦隊決戦となれば敵戦艦に吶喊して陣形を乱し、その隙をついて勝利すべく戦ったと言えます
しかし実際にはユトランドにおいて独大巡部隊は潰走してしまったわけです。そして、その原因はQE級を含めて10隻に及ぶ英巡戦部隊、つまり分散していない敵と戦ってしまったからでしょう
以前「巡戦の脆弱性」と申し上げましたが、仮に独大巡が戦艦並みの装甲と主砲を備えていたとしても結果は変わらなかったのではないかと考えるようになりました
もし独東洋艦隊に28センチ砲搭載の大巡が追加で1隻あったなら、フォークランドで英巡戦を撃破できたのではないか
もし地中海にモルトケ級をもう1隻を配備できたなら、英巡戦を2〜3隻吸収できたのではないか
もしドッガーバンクに大巡がもう2〜3隻あったなら、追手の英巡戦を撃破できたのではないか。又は2隊に分けて英巡戦を煙に巻くことができたのではないか
そしてこれらの結果、英本国艦隊が分散し、ユトランドの英巡戦部隊が5隻(同数)又はそれ以下に減少していたのであれば、(海戦全体の結果はさておき)独大巡はその任を全うできたのではないか
おそらく独大巡は要所で数が足りなかったのです
隻数は国力によるものですから、仮に歴史改変を行うのであれば、ドイツの歴史そのものを変えて、より国力を増すようにしなければならない
確かに、これは難しそうですね
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