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> 衝突する速度が高くても、砲弾が鉛弾のように柔らかいと、砲弾の運動エネルギーは、弾丸を変形させるエネルギーに変換され、つぶした餅みたいになると思います。
> 剛性というのは弾性係数の逆数[N/m]ですから、あまり関係ないように思います。
> 靭性というのは、応力ひずみ曲線の下の面積[N/m2]で、これが大きければ、大きなひずみ変形を得ることができる。
> 靭性は一定の値だから、それが「効かない」ということはないと思います。
> 靭性が無ければ、ガラスのように割れてしまって、セルフシャープニングは起こらないのではないかと思います。
それは塑性流動現象が起きない領域に限った話です。
「硬さ」のない水等の液体であっても、水面に極端に速い速度で物体がぶつかると、その物体は破壊されますよね?
通常であれば水は物体が衝突すれば、その部分の水が飛び散って物体を避けますが、物体の速度が水が飛び散るより速度よりも速ければ、水がよけてくれないので衝突の衝撃が物体に返ってくるからです。
物体は外圧を受けると変形しますが、変形するためには外圧が接点以外の部分に伝達する必要があります。接点以外の部分に外圧が逃げ、接点周辺の広い範囲で力を受ける結果、変形という現象が起きるわけです。
では、接点に加わった力が伝達するよりも、接点に力を加える物体の速度が速かったら?
力は接点の周辺に逃げる前に接点の部分だけが運動しはじめます。結果、その部分だけがまるで液体になったように見えます。これが塑性流動という現象です。この現象が起きる領域では、靭性が働かないのです。
現在のAPSFDS等の超高速徹甲弾はこの塑性流動を起こして装甲を貫通することを意図して開発されています。
あなたが言っている現象はこの塑性流動が起きないような低速での衝突でのみ通じる話です。
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