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 ▼ミクロネシアがアメリカ領だったら?  井中かえる 02/12/22(日) 0:01
   ┣Re:ミクロネシアがアメリカ領だったら?  seiryuu 02/12/23(月) 2:25
   ┃  ┗Re:ミクロネシアがアメリカ領だったら?  アリエフ 02/12/23(月) 22:20
   ┃     ┣Re:ミクロネシアがアメリカ領だったら?  月読 02/12/23(月) 23:59
   ┃     ┗国際関係も変化  井中かえる 02/12/25(水) 1:05
   ┃        ┗Re:国際関係も変化  seiryuu 02/12/26(木) 15:58
   ┃           ┗ドイツ低下アメリカ上昇  井中かえる 02/12/26(木) 18:36
   ┃              ┗Re:ドイツ低下アメリカ上昇  山家 02/12/26(木) 21:36
   ┗日米戦発生しないかも  アリエフ 02/12/23(月) 11:51

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 ■題名 : ミクロネシアがアメリカ領だったら?
 ■名前 : 井中かえる
 ■日付 : 02/12/22(日) 0:01
 ■Web : http://www.geocities.co.jp/Bookend-Christie/4827/index.html
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    仮に内南洋(ミクロネシア)が日本支配下になくアメリカ支配下にあったならば、日米両者の戦争構想はどう変わっていたでしょうか?
 ミクロネシアは軍事的にはともかく、経済的にはたいしたものではないので、日米の対立構造はほぼ史実のまま存在するでしょう。
 そして、アメリカの勝利条件が日本本土封鎖か、もしくは本土占領であることは変わらないでしょう。そしてその裏返しである日本の敗北回避条件が、第一に南方とのシーレーンを維持するためのフィリピン占領、第二にアメリカに勝利条件を達成するために必要不可欠な制海権を得させないことであることも変わりません。後者はアメリカ艦隊の殲滅にも繋がります。
 史実のオレンジ計画の場合、フィリピンはおおむね見捨てられることになっていましたので日本軍が条件一を達成するのは容易でした。条件二のための内南洋の領域を利用した漸減邀撃作戦という構想も成り立つ余地がありました。
 しかし、内南洋がアメリカの手にあれば話は別です。アメリカ本土からフィリピンまでの連絡線を強固にして、フィリピンを難攻不落にできるかもしれません。トラックやウルシーを基地とできれば日本に邀撃する暇を与えず本土攻撃ができるかもしれません。
 しかしそのためには史実とは異なる色々な投資が必要でしょう。逆に太平洋の島々を強襲占領する必要が薄れるために海兵隊の発達が殺がれるなどの影響もあるかもしれません。
 なお、参考のために史実のこの地域の領有関係の移り変わりを示します。
 1884 独、ニューギニア北東部領有
  85 〃、ナウル島・マーシャル諸島領有
  98 米、対スペイン戦争。戦争中にハワイ諸島を併合
      勝利の結果、フィリピンを二千万ドルで買収し、グアム島は割譲を受けた
  99 独、スペインよりマリアナ諸島(グアム島除く)とカロリン諸島を購入
  〃 〃、西サモア併合
 1914 日、第一次世界大戦に参戦しドイツ領のマリアナ・カロリン・マーシャルの諸島を占領。のちに委任統治領として実質領有
 ですので、米西戦争の結果、アメリカがカロリン・マリアナも(有償無償はともかくとして)譲り受けたと仮定するのがいいのでは、と思っています。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ミクロネシアがアメリカ領だったら?  ■名前 : seiryuu  ■日付 : 02/12/23(月) 2:25  -------------------------------------------------------------------------
   他のコーナーではたまに書き込ませてもらっていましたが、こちらでは初めて書き込みとなります。よろしくお願いします。

さて、南洋群島、またはミクロネシアと呼ばれているこの地域が米西戦争の結果、アメリカ領になったら、という仮定の上での日米の戦争構想の予想、ということですが、日本側の構想については、井中さんの仰る通りフィリピンの強化や漸減作戦の出撃拠点として使える場所が無い以上、フィリピンもしくは南洋群島から出撃し、日本本土へと侵攻してくるアメリカ艦隊の迎撃となり、日本は決戦想定海域として九州沖や小笠原諸島沖等のようにより本土に近い場所でアメリカ艦隊を迎撃せざるをえないものとなるでしょう。
アメリカ側の構想も、海兵隊の整備への影響もあるでしょうが、多大なコストがかかるはずの南洋群島の整備を何処まで行うことができるのか(実際グァムの要塞化は予算の関係で中止になっていたはず)、といった疑問があり、結局フィリピンを拠点として日本本土への侵攻を行うものになると思います。

しかしながら、南洋群島自体には経済的な意義は見出されなかった、という指摘に対する反論になるのですが、南洋群島が「内南洋」「裏南洋」とされたのに対して「外南洋」「表南洋」と称された東南アジア地域に対する経済的進出の拠点として考えられていた事、陸軍への対抗もあるでしょうが、1930年代に「南進」が国家的方針となる以前から海軍が一貫して「南進」を志向しており、南洋群島の開発や東南アジア地域への経済進出に積極的に関与していた事などを考えると、南洋群島をアメリカが領有するということは、日本海軍のあり方、そして日本の「南」への関与の枠組みそのものに影響を与えるのではないか、と考えるのです。また、こういった「南」への関与の問題や、史実より大きな力をもちうるフィリピンの圧力が日本の南方へのシーレーン確保の問題に何らかの影響を与えることは当然考えられますので、これも日本の戦争構想を変化させる要素となりうるでしょう。
そして、史実では国際連盟によって委任統治領とされた南洋群島が、アメリカ領となるということは、国際連盟での日本の立場にも変化が出てくることも考えられますが、こういった国際社会での日本の位置付けの影響も日米関係に影響を与えていく可能性も十分にあるでしょう。

以上のように、随分とミリタリーとは掛け離れた点での指摘が多くなってしましましたが、南洋群島を日本が領有できないということは、単純に日米の戦争計画への影響のみには留まらない大きな影響を持つのではないかと考えます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ミクロネシアがアメリカ領だったら?  ■名前 : アリエフ <ZVK11677@nifty.ne.jp>  ■日付 : 02/12/23(月) 22:20  -------------------------------------------------------------------------
   > そして、史実では国際連盟によって委任統治領とされた南洋群島が、アメリカ領となるということは、国際連盟での日本の立場にも変化が出てくることも考えられますが・・

第一次世界大戦以前に既に南洋群島が米国領になっているとしたら、日露戦争後、日英間の同盟関係が解消したことも考えると、日本は最大の仮想敵国を米国と設定して対応せざるを得なくなるのでは。
そうなると陸軍も大陸方面にばかり気を取られなくなり、海軍同様、第一次大戦後頃から対米戦略を真剣に考えなくてはならなくなってくる。こりゃ、第一次大戦後の日本の外交、国際関係が相当変わってくることになりそうだ。ひょっとしたら、日米間の衝突が全面戦争とまではいかないまでも、1920〜30年代頃に発生しているかもしれん。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ミクロネシアがアメリカ領だったら?  ■名前 : 月読  ■日付 : 02/12/23(月) 23:59  -------------------------------------------------------------------------
   ちなみに、日本が国際連盟を脱退した際、海軍は委任統治問題について非常に神経を尖らせる(枢密院に対し海軍軍拡を支持するように働きかけている)のとは対照的に、外務省は委任統治問題については殆ど念頭は入れていなかったようです
(木戸幸一日記,伊藤巳代治日記より)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 国際関係も変化  ■名前 : 井中かえる  ■日付 : 02/12/25(水) 1:05  ■Web : http://www.geocities.co.jp/Bookend-Christie/4827/index.html  -------------------------------------------------------------------------
   > > そして、史実では国際連盟によって委任統治領とされた南洋群島が、アメリカ領となるということは、国際連盟での日本の立場にも変化が出てくることも考えられますが・・

 南洋群島がアメリカの委任統治領になる状況はどんなものかを考えると、アメリカが日本に先駆けてドイツ領南洋群島を占領した、つまり第一次大戦に早期参戦などという(それなりに面白いですが)本題が霞むような仮定を持ち出さざるを得ないので、一次大戦以前に既に獲得していたと勝手ながら出題者の特権として仮定させていただきます。つまり「 第一次世界大戦以前に既に南洋群島が米国領になっているとしたら」ということです。
 しかし、南洋群島の保有如何が日本の国際的地位に影響を与えたかも、という指摘はうなずけます。別に敗戦国ドイツから領土を得られたかどうかというのは(賠償金とか各種兵器押収とか中国関係とかの他の権益もあることですし)たいしたことはないと思います。それより戦略的価値が高い南洋群島を得たということが、軍事力が国家の地位に直結していた当時としては高く評価されたのでは、と思います。
 たとえばワシントン条約で決められた太平洋諸島の防備制限ですが、日本が差し出すものが少なければ、軍縮条約にも関わるかもしれません。

 ところで、日英同盟が解消されたのは第一次大戦後です。が、ロシアの脅威が低下した後の次の脅威として、ドイツではなくアメリカがより強く注目されることはあると思います。いやまて、南洋群島がドイツの手になければ、威海衛がドイツ租借地にならないかも。

 思いつきで話を大きくしているような気がします……。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:国際関係も変化  ■名前 : seiryuu  ■日付 : 02/12/26(木) 15:58  -------------------------------------------------------------------------
   すいません、私の言葉が少し足りなかったみたいですね。
史実では(第一次世界大戦後に)国際連盟によって(日本の)委任統治領とされた南洋群島が、(19世紀末の時点で既に)アメリカ領となるということは・・・
というニュアンスで書いたものであり、井中さんの最初の設定に乗っかって考えたつもりだったんですけど、ちょっとした誤解を与えてしまったようで、ちょっとだけ訂正をしておきます。

つまり、南洋群島がWW1以前に既にアメリカ領であったならば、(もしそっちの世界にも存在するのならば)ドイツ東洋艦隊の移動コースも変わってくるんじゃないかとは思いますが、それ以上に南遣支隊の編成には影響がどのように現れるだろうか、地中海への艦艇の派遣は行われたのだろうか、というように日本のWW1への参加の姿勢も変わってくるだろうと思います。
そして、南洋群島の委任統治、という事項がなくなると、日本が国際連盟に参加する意義はどこまであるだろうか、という疑問もわいてきまして、(多分、参加するとは思いますが)そういったところで国際社会における日本の立場への影響もあるんじゃないか、と考えたわけです。井中さんの指摘の通り、ワシントン会議にも影響を与えるだろうと思いますし。

ただ、アメリカに委任統治が回ってくる、という仮定を考えると、史実ではアメリカが参加していなかった国際連盟へと参加する、ということになりますから、これはこれで考えるとおもしろそうですね・・・ずいぶん大きいスケールの話になりそうですが

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ドイツ低下アメリカ上昇  ■名前 : 井中かえる  ■日付 : 02/12/26(木) 18:36  ■Web : http://www.geocities.co.jp/Bookend-Christie/4827/index.html  -------------------------------------------------------------------------
   >ちょっとだけ訂正をしておきます。
 了承しました。

> つまり、南洋群島がWW1以前に既にアメリカ領であったならば、(もしそっちの世界にも存在するのならば)ドイツ東洋艦隊の移動コースも変わってくるんじゃないかとは思いますが、それ以上に南遣支隊の編成には影響がどのように現れるだろうか、地中海への艦艇の派遣は行われたのだろうか、というように日本のWW1への参加の姿勢も変わってくるだろうと思います。
 たしかにすぐにかっぱらえる(と言ってもかまわないと思う)ドイツ利権がないか少なければ日本は参戦しないかもしれません。海軍でさえ参戦反対意見が少なくなかったはずですから。

 それから、アメリカ・日本と国際連盟の関係ですが、確かに面白いのですがいまのところまとまりをつけられません。

 ともかく、この問題は最初私が考えたよりかなり大きな影響を歴史に与えるようです。簡単に済む話ではなさそうですね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ドイツ低下アメリカ上昇  ■名前 : 山家  ■日付 : 02/12/26(木) 21:36  -------------------------------------------------------------------------
    第一次世界大戦の日本の参戦問題についてですが、日本の参戦は加藤外相が主導しており、日英同盟に基づく地域を限定しない全面参戦を主張していました。陸軍も全面参戦が主流で、後方支援も日本で賄い(全部で100万人規模に達する)、欧州まで派兵するつもりでした。

 これが頓挫したのは、英国の反対があります。より正確に言うと豪州が、日英同盟に基づく日本のWWI参戦に反対したのです。豪州は、最近まで白豪主義を取る等、白人優位主義を取ってきました。日本が参戦すると、独領南洋諸島が、日本領となり(実際そのように結果的にはなりました)、豪州にとって脅威となると、開戦当初から、豪州は主張し、それが英本国にも影響を与えました。

 従って、例えば米西戦争において、独領南洋諸島が米国領になっていたら、豪州が反対することは無く、日本は欧州まで派兵していたのではないでしょうか。そうなると、日本はWWIの結果、大規模な戦債を抱え込むことになり、多分、それは米国の外債により賄われることになるでしょうから、日本は米国に対し、巨額の債務を抱えこむことなると思います。それが、ドーズ案によって救済されるか、それとも米国は日本は例外として強硬な態度を取るか、やはり、かなり影響が出そうに思われます。

 参考HP、http://ww1.m78.com/

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 日米戦発生しないかも  ■名前 : アリエフ <ZVK11677@nifty.ne.jp>  ■日付 : 02/12/23(月) 11:51  -------------------------------------------------------------------------
   史実では日本の信託統治領となった地域が全部、アメリカの信託統治下もしくは領土となったような状況ということでしょうか。フィリピンへの輸送ルートの途中経由の島々をアメリカが基地化できるわけだから、フィリピンを「不沈空母」化できます。
そうなると、例え日本が仏印方面に進出しようとしたとしても、マニラから米軍は艦隊や航空機戦力で十分な妨害をかけられる可能性が出てくる。フィリピンにおける米軍事力強化の状況とも関わってくるが、日本の南方作戦が困難となれば、日本は中国大陸の作戦を維持する一方で経済封鎖に苦しめられ、自滅していくしかない。
アメリカにとってはそれを眺めていればよいわけだから、グアム島など信託統治領を徹底的に防備し、太平洋では日本本土侵攻など積極的な作戦を展開する必要性は少なくなる。
例えば日本がグアムに侵攻してきたらそれを叩いて小笠原あたりまで逆襲すればよいだけのこと。
あるいは太平洋は後回しにして、史実よりも対独戦に多くの資源を振り向けるでしょう。

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