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161 ハリアーの様なVTOL機は当然推力重量比が1を越えるはずですが、上昇力や旋回性も優れているのでしょうか?

  1. 「世界の傑作機(旧版)」ハリアーの号で、F4ファントムと模擬空戦をやると、ハリアーは推力の方向変更ができるのでF4の後ろに回り込むことができると書いていました。ただ、これは前後の4つのノズルを全て向きを変更することができるハリアーだからできることで、Yak38はこんなことは無理でしょう。Yak38の場合、リフトエンジンとメインエンジン両方を作動させて垂直上昇するので普通に飛行する場合はリフトエンジンはデッドウェイトでしかなく、運動性はよくないと言います。また、ハリアーの場合、水平飛行のときもエンジンで発生した推力の向きを斜め後ろに曲げて出しているわけだから、通常の方式に比べ推力のロスが避けられないということを読んだような覚えがありますが。


  2. Yak-36の場合は飛行中にはデッド・ウエイトにしかならないリフトエンジンを使う形式ですから性能的には問題外として、ハリアーの場合には推力偏向式で垂直離陸時と同様の推力を飛行中にも使えるはずだから、確かに推力重量比は高そうですね。VIFFは実際の空戦では余り使えないワザ(後ろに付かれた時点で運が良くない限りやられている)と言われていますが、フォークランド紛争の時に使った(後ろにつかれたシーハリアーがVIFFを使ったためミラージュと空中衝突だったっけ?)というアルゼンチン側パイロットの証言がありますが、


  3. (続き)イギリス側は認めていない。訓練中のエピソードとしては、F-15が苦戦したとかいう類の話が、イギリス人によく書かれますけど実態はよくわからない(どっちにしろ答えになっていない/EOS)


  4. 上昇力についてですが、シー・ハリアーは英海軍空母でスキージャンプ方式発進をやっていますが、VTOL以外でこれができるのはアメリカのF18やロシアのSU27/30当たりでしょう。推力重量比が高くないとできません。しかしハリアーはアフターバーナーつけてないから、F15のような垂直上昇は無理じゃないかな。(超音速ハリアー構想ってどうなったんだろう?)ところで便乗質問ですが、ハリアーはスキージャンプの場合、推力ノズルを機体後方に向けているのでしょうか。それとも、斜め下又は真下に向けているのでしょうか。後者の場合、F18などとは力学的に異なる発進方式となるが。


  5. ↑VTOLってのは垂直上昇でしょ?/SUDO


  6. ↑武装を積んだハリアーはよほど燃料を減らさないと垂直離陸できなかったと思いますが…(ささき)


  7. (三つ下の方)超音速化計画はとっくの昔にお蔵入りです(やっぱりお金がかかるのね)でも見てみたかった、腹の下から火を吹きながら飛ぶハリアー。


  8. VTOLは垂直離陸であって垂直上昇とは意味が違うでしょ。後、ショートテイクオフ時のハリアーはノズルを傾けていたと思います。ビデオではそうだった。


  9. ↑機体の向きを無視するなら垂直離陸も同じコトでは無いかと思うのですが?/SUDO


  10. 垂直離陸と垂直上昇はまったく違います。たとえばF−15を地上に垂直に置いてVTOLさせても離陸できないでしょう。ハリアーは排気を地面に当て、跳ね返った排気を翼に受けて揚力を得て垂直離陸します。ハリアー以前のVTOL実験機が実用化できなかったのは、実にこの点の差にあるわけです。厳密に言えばハリアーは推力重量比が1を越えなくても離陸できるのです。対して垂直上昇は推力のみで上昇しますから当然推力重量比が1以上必要です。それと、F−15が垂直上昇するとき、すでにエンジンは十分な対気速度を得て最大出力がだせる状態ですが、ハリアーは静止状態で推力重量比1を出さなくてはなりません。(ここにショートランディング、スキージャンプが飛躍的に推力を高める理由がある。)当然エンジンの設定がちがってきます。同じ120馬力の車でも、低速トルク重視の車と、トップスピード重視の車では当然ギア設定から何から違って当然でしょう。ハリアーに垂直上昇が不可能で、F−15に垂直離陸が不可能なのはそこに違いがあるのです。


  11. カタログスペックのエンジン最大推力は(大概)静止時の最大推力だから、F―15でも数字的には垂直離陸できるんじゃない?(実際には姿勢が制御できないから、ひっくり返っちゃうだろうけど)(N)


  12. それから、ハリアー以前のVTOL機が実用化できなかったのは、地面で跳ね返った排気が主翼(や機体)の上面に回りこんで下向きに押さえつける力が生じて、実質的な推力低下を起こしていたからでは?(N)


  13. もひとつ、その(温度の高い)排気をエンジンが吸気してエンジンの効率が低下してしまうという問題もあります。(N)


  14. アメリカのAV-8BハリアーIIは、その地面からのジェットの跳ね返りを、上手く胴体や主翼下面に当てて、VTOL時のペイロードを増やしていますね。


  15. なるほど、言われてみればそうですね、勉強になりました(^^;;/SUDO


  16. 「地面効果」というやつですか?なるほど、私あんまりVTOL機の事分かってなかったです。垂直上昇に関してはズームアップならグライダーでもできない事はないかもしれないけど、それを言ったらきりがないし完全に脱線(EOS)


  17. VTOL機の推力低下についてはNさんの言われる通りです。舌ったらずでもうしわけない。ただ1980年代に在来型主力機のゼロゼロ発進を研究したプロジェクトがあったと思いますが、それが成功したと言う話を聞いたことがないので「無理」と書いたのです。でも無理以前に無意味かも。


  18. ロケットブースターを用いた「ゼロゼロ発進」は実用レベルまで言ってますが


  19. (押しちゃった)ロケットブースターを用いた「ゼロゼロ発進」は実用レベルまで行ってますが(エリア88で出てきますね)、結局、実用価値の問題で普及しませんでしたね。(ただ、あれは垂直に打ち上げるんじゃなくて斜めに打ち上げるので、厳密にはVTOLとは言い難いのですが・・・)



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