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174 旅客機で以前はエンジンを尾部に装着した例が多かったのに最近は見ないのは何故?

  1. 3発機のDC10、Tu154は中央の1発を尾部に取り付けています。最近開発された旅客機で尾部にエンジンを装着したものがないのは、旅客室に与える振動が大きくなるからでは。また、エンジンの推力が大きくなり以前は3発必要だったところを双発で済むようになり(B767など)尾部にエンジンを置く必要が薄れたこともあると思います。4発機で尾部エンジンというと、現在ではIL62くらいでしょう。しかし、この方式ではエンジンをあまり大型、大口径のものにできないのでは。


  2. 大バイパス比のターボファンが主流になってからは尾翼配置は難しいですね、それにトライスター方式にしないとDC−10(MD−11)方式では尾翼が削られるので方向安定性に影響が出るのですよ。後は国際線としては4発機より性能的に劣り、国内線では双発機より維持費がかかる・・・って所が中途半端なんでしょう。


  3. ↑(追記)エンジン推力が上がって、国際線用の大型機でも双発で済む様になったせいでもあります。


  4. 逆に尾部エンジンの利点は何でしょうか?主翼の強度が軽くて済み、その構造を簡略化できること。主翼装着に比べ1発のエンジンが停止した時の安定度が高いということでは。最近の双発機は片方のエンジンが停止してもコンピュータによる微妙な操作により安定を維持できるわけで(先日そのような事件がありましたね)、双発機の安全性が向上したことも関係していると思います。、


  5. IL62やVC10等のお尻にエンジンが集中している機体はかなりのテールヘヴィーになるので設計上あまり望ましく無い、と言う説明を聞いた事があります。


  6. 尾部エンジン方式でも最近の機体かつ大バイパス比のターボファンをつんだ例はあります(MD-90、B-717、Tu-334等)。ただし、トレントだのPW4000だのをケツにぶら下げろといわれたら困ってしまいますけど^^;空力的な面から言えば、尾部エンジン機は主翼を上下面ともクリアにできるので翼の効率が高い反面、主翼捩じれ防止のマスバランスとしてのエンジンポッドを装着しないため、余り大きな後退角の主翼にできない(翼型でカヴァーできるから別にいいか)とか、必然的にT尾翼となるのでディープ・ストールに陥りやすいという損もあります。運用面では翼下に何もない分だけ床を低くできる(高翼にしてもいいが、空力的に損)ので、未整備空港でも使えるというのが大きいです。(Schump)



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