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178 P-38のペラは左右逆回転の「外回り」です。片発停止時の安定性、翼上面気流の失速防止には「内回り」のほうが有利そうに思えるのですが、P-38の外回りペラにはどんなメリットがあったのでしょうか?(ささき)

  1. 普通、双発機にしろ4発機にしろペラは同方向が圧倒的に多いけど、左右で翼上面気流がどうのこうのとか聞いたことがないのであんまり関係ないんじゃ?片発停止の時はむしろ外回りの方が安定するように思うのは俺だけ?


  2. ↑左エンジン停止時に右エンジンが右回転(つまり外回り)を続けていたら、機体はカウンタートルク+左エンジンの自重で強く左に傾こうとするのでは?あと「月光」の試作機が左右逆回転ペラを使った時には、運動性確保(たぶん失速防止だと思う)のため「内回り」にしたと覚えているのですが(ささき)


  3. 普通の両方右回りペラの双発機の場合、左側停止状態を想定して垂直尾翼や方向舵の面積を決めるそうです。理由は迎え角を取った状態ではペラの推力に左右不均衡(3時の位置で大、9時の位置で小)が生じて左へのヨーモーメントが生じるからで、特に片発停止の場合には左側停止の方が影響が大きいからだそうです。


  4. P-38の場合は最初の試作機であるXP-38では内回り、次のYP-38から外回りになりました。最初に内回りにしたのは、前に書いた事やささきさんが書かれたような事が理由だと思いますが、外回りに変えた理由ははっきりしません。これは私の考えですが、たぶんプロペラ後流による尾翼のバフェッティングを防ぐ為ではないかと思います。尾翼のバフェッティングはP-38が最後まで抱えていた問題点で、主翼の付け根からでる渦流とプロペラ後流が原因とされています。ちなみにYP-38ではペラの向きを逆転しただけでなく「推力線を下げた」そうです(EOS)


  5. なるほどバフェッティング対策というのは納得できます。お尻を持ち上げて尾翼をプロペラ後流から離そうとした試作型までありましたね(強度不足で空中分解したそうですが^^;)。EOSさん有り難うございました(ささき)



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