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288 バッジ・システムとは具体的にどんなシステムなんですか?そしてそれがあると無いとではどんな違いがあるのですか?

  1. 地上のレーダーサイトから迎撃機に指示とデータを与えるシステム、半自動迎撃誘導システムの事です。これが無いと機上レーダーと肉眼の情報のみで戦う事になるので迎撃戦闘においては不利になります。


  2. 地上の警戒レーダーを元にした防空システムはバトル・オブ・ブリテンにおけるイギリスのものをモデルとした物が各国で使われています。SS(レーダー)が捉えた目標を、その地域(サブセクター)を統括するADDC(GCI)が識別し、敵とされたものに戦闘機やSAMに攻撃を指示します。ADDCの上部にはADCCがあり、いくつかのサブセクターをまとめたセクターを統括し、その上部には全国を統括するCOCがあります。


  3. 戦後、ジェットの時代に入ると、目標が高速化した為に探知してからの余裕時間が短くなり、探知→識別→攻撃指示の所要時間を短くする必要に迫られます。こうして生まれたのがSAGE(Semi Automatic Ground Environment)で、コンピュータとデータリンクを利用して前述のリアクションタイムの短縮をはかった物でした。SAGEはアメリカ本土の防空システムですが、それをモデルにした物は各国で使われていて、日本のBADGEもその一つです。


  4. 日本の場合、SS、ADDC、ADCC等は米軍が設置したのを引き継いだ物で、その後アメリカのSAGEに習った自動化防空システムとしてBADGE(ヒューズ製のTAWCS)が昭和43年から運用開始した事になっています。現在はより新型の東芝製の新BADGEに更新されています。


  5. もしなかったら迎撃はできなくはありませんが、ひどく原始的になります。SSは探知した目標を「口頭で」ADDCに連絡し、ADDCは探知目標を事前に提出したフライトプラン等をパラパラ捲って照合するなどして敵性目標かどうかを判断します。同時に地図を書いたプロット盤上に置かれたコマを「手で」動かしながら敵味方の状況を判断し、「口頭で」邀撃機やSAM部隊に指示を与える事になります(EOS)



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