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376 最近でたミリタリーエアクラフト(?)の記事に「Pー51の高速には層流翼型は関係なくて,ラジエーターからの過熱排気ジェットによる効果だ」とかありました。ラジエータのロケット効果はガセ話だと思っていましたが,いまごろなぜ?

  1. 活字だからって100%信じちゃいけないよ、というミリタリーエアクラフト編集部の親心でしょう。もちろん、ガセです。(SADA)


  2. メレディス効果ですね。今年六月のNASMの機関誌に記事が出てましたが、読後感は「何だか俺、だまされてるような気がする」でした。P-51のラジエター・ダクトで注目すべきはむしろ、流路を拡大して冷却空気密度を増すことであの小さい吸気口から最大の冷却効果を引出していることでしょう。そういや、ミリタリー・エアクラフト最新号のシーフューリーの記事に立ち読みだけで間違いを二つ発見。3ページ目上の写真はシーフューリーではなくフューリー試作機の、しかもグリフォン登載型。あと、レシプロ単発戦闘機でシーフューリーより大きなペラを付けた機体はアメリカにいくらでもあるぞ(この著者は前にも「Ta152のペラは直径3.5mで第二次世界大戦最大」とやった筈。)。


  3. 「WW2でペラ直径最大はTa152」と書いた著者の存在、まじ?物を調べてから書く、という姿勢が無いんですね。ちょっと他の機種の本を見たり、インターネットでこのサイトを見たりすればすぐ分かる事じゃないすか。こういう著者の本は買っちゃいけません。ちなみに、誰?(SADA)


  4. ミリタリーエアクラフトは珍しい写真を色々と発掘してくれるし(零戦64型とか・・・でも、あれは発掘してくれない方が良かった^^;)、目新しい図面や色々な意味で目新しい記事も書いてくれるけど・・・・これはガセですね。(・・・と言いつつ、実はアメリカ版空技廠NACA(ちょっと違うか^^;)が発見した新理論を応用したビックリ仰天の大ギミックが隠されていたり・・・する訳はないか^^;)


  5. 実は元ネタが・・・ここのAnsQの回答だったりしたら(あわわ、ちゃんと調べてから書かないと^^;)


  6. 高いレイノルズ数ではとにかく乱流になるから「層流翼の効果は無い」というのは乱暴な議論でないかい?揚力係数が低い問題にしてもKシリーズでは高圧風胴で高レイノルズ数で揚力係数が高くなることが実証されてるし、、、。


  7. キ94で立川飛行機の長谷川氏がTH翼を用いたのは後縁の厚みが増して構造上有利になるとか、なまくら後縁でも抗力が増さないとか利点があったし、ミリタリーエアクラフトの記事はいまいち突っ込みが浅いような気がする


  8. さらに。層流翼の内部容積が少ないかのような記述もありましたが、二桁式にするとちょうど桁間の一番重量物をいれやすいところの容積が(厚いので)大きくなり、燃料やら脚やらの収納が楽になる、と彩雲の設計者も行ってたぞ>M誌。そういえば、パッカード・マーリンの出力って相当する型のロールスロイス製品より7〜10%低くなってるんだけど、アメリカが劣化コピーを作るはずもなく「勝手にブースト比を上げて低空では出力制限してたんでは?


  9. (切れた)」と疑ってるんですがいかが(便乗質問)。さて、P-51nのラヂエターダクトが推力を発生するとすれば、それは冷却空気の拡張経路上面の斜面を、拡散して圧力の高くなった空気が押すことぐらいではないでしょうか。たしか、SR-71では、ショックコーンの裏側(円錐形にすぼまっている)で、圧力回復された吸入空気が斜面を押すことによる推力が超音速巡航中はノズルからの直接推力を上回るとか。ただし、P-51程度の速度では、圧力回復の度合いも多寡が知れてるから、有効な増速につながったかどうか。(Schump)


  10. ↑勝手にブースト上げる方が無さそうです、ってゆーかブースト上げようと思ったら、過給器が同じの場合、低空出力しか上がるはずがないでしょう。ロールスの製造設計はかなり巧緻だったようで、アメリカでもパッカードだったから出来たのではないかと日本の技術者は見ていたようです>現実に純米製ユニットはかなりおおらかなツクリだったようです>R&Rと比べて、それと計測方法が違えば、数%程度の誤差は簡単に出るってのも有るでしょうね/SUDO


  11. これについては、ここの最後の方に私なりのコメントが・・・→http://www.platon.co.jp/~vought/ibukuro/Raji.HTM それとは別に、この記事を読んでいて、こんなことは実験すればすぐわかると思いましたね。つまり、1.この場合の排気の流速と温度を計算する。2.それと同じ物を擬似的に作り出して推力値を測定する。3.それをP−51と度程度の空力特性を持つ模型に取り付けて計測する。


  12. ↑ブーストの件、ご教示多謝m(_ _)m。製造技術の違いはあったかもしれませんね。同じ国の中ですら「誉」における各機体メーカーの中島製品争奪戦(海軍工廠生産品は100馬力以上低出力だといわれていた)の例がありました。昨晩改めて手持ちのマーリンの図面を見たんですが、過給器のステージ間にウォータージャケットがあるんですね(インタークーラーは2段目の後)。解説文には「精巧なインタークーラーで吸入空気は100から120度冷やされる」とか書いてあるし。それに比べたらアリソンの二段過給器モデルなんか雑で雑で。(Schump)


  13. ↑切れちゃいました(^^;;;;; ・・・てなかんじでどうでしょう?また、もしこの記事の通りであれば、イギリスで作成したムスタングXが、ラジエターはA型のままで抵抗の大きそうな機首形状をしているのに、XP−51Bとの速度差がそれほど大きくないことの説明が付かないとも思いました。(胃袋3分の1)


  14. ↑あ、アメリカの書籍だから「100〜120度」って華氏かもしれない(摂氏換算で44〜53度)。


  15. 層流翼の関係書を見ると、前縁付近の層流境界層というのは不安定で微少な領域ではく離して「泡」を形成して再付着して層流に戻り、迎え角が大きくなると「泡」がもはや戻らずそこから遷移して乱流境界層になる。とかあった(続く)


  16. (下から続く)中島のKシリーズ翼は翼断面の曲線の2次微分値がなめらかに変化するように注意して設計した、とあるのは「泡」の発生を押さえる意味だったんだろうか?でもほとんど乱流境界層でおおわれる実機では関係ないような気もするがだれか知りません?


  17. さらにM誌。低速では層流翼は効果がない旨の記述もあったけど、軽飛行機やグライダーにいくらでも適用例があるぞ。で、バート・ルータンのクイッキーだったかが、初期型の前翼の翼型が非常に微妙な層流翼だったので、あるユーザーが前縁に装飾のためのカラーフィルムの帯を貼ったところ「飛ばなくなった」という話を聞いたことがあります。


  18. とりあえずM誌に実際に何て書いて有るか確認しないと何とも言えないな、と言うことで立ち読みしてきました。層流翼否定論とラジエーターの推力効果に関しては以前から話しがあった事で目新しいものではないと思います。で、細かい事はともかく大枠では賛成です。層流翼が実用機では額面通りの効果を出すのは困難な机上の技術で、紫電もP−51もその点では同じだったと思っていますし、メレディス効果についてもロケット効果の部分だけを強調すればうそっぽいですが、ラジエーターの抵抗低減を含むトータルな意味では間違っていないので


  19. いないのではないかと思います。参考になる資料をあげると、http://www.dtic.mil/stinet/index.html ここに「The P-51 Mustang As an Escort Fighter: Development Beyond Drop Tanks to an Independent Air Force」(AD Number:ADA330888 Report Number: AU/AWC/RWP067/96-04)という論文があります。私も以前に他から教えて貰ったのですが、面白いのでお勧め(EOS)



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