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400 逆ガル翼の空力的な欠点って、具体的には一体何なんでしょうか? ロール安定の悪さとか、失速特性の悪さとか、いろいろ言われますがどういう理屈と症状なのかよく判らないのです。 かなり前のQ&Aにメリットについてはでていた様ですが、デメリットに関してはほとんど資料が見つからないので・・。
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  1. まず。ロール安定の悪さですが、一旦主翼の位置が下がるかたちになるので、揚力の発生位置が、重心との関係において低くなるのが主な要因です(ピッチ及びヨーの安定と違って尾翼が参与せず、主翼だけで決まる。)。内翼の下反角が外翼の上反角効果を打ち消してしまうという部分もありますが、てこの原理からしてあまり影響はありません。
    失速特性が悪い、というのは、屈曲部付近で内翼上面と外翼上面の気流が干渉し(それぞれ翼面に垂直に立ち上がるので)、しかも屈曲部が角ばっているとそれだけで乱流を発生するために、翼上面の気流が安定しないことによります。特に低速大迎角はもともと気流が剥離しやすいので、逆ガル翼は余計なハンデを負うことになります。
    また、空力ではありませんが、屈曲した構造体はそこに応力が集中しやすいという欠点があり、これをカヴァーするために重量がかさむのが頭痛の種です。
    F4Uの場合、屈曲部を曲線的にすることにより、内外翼間の干渉と応力集中の問題に対処しています。
    紙飛行機屋Schump


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