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440  まったく素人の質問ですが,「あなたはどっち?」コーナーの飛燕,五式戦ネタでよく出てきた「誘導抵抗」って何ですか?
フッフール

  1. 以下のようにして発生する抵抗です。

    @翼端で下面(比較的高気圧)から上面(比較的低気圧)へ向かって気流があふれ出し、これが後方へ吹きやられて、渦を発生する。@―←左翼端を後から見た図
    Aこの渦は後ろへ行くほど円錐形に広がり、翼の後流を下方に曲げる。
    A’また、翼周りの気流は揚力を発生させた反作用で下方に曲げられる。
    Bこれらにより、翼回りの気流は全体として翼面の前上方から吹くことになり、気流に対して垂直に立ち上がる力である揚力はやや後ろに傾くことになる。
    Cこの揚力の水平成分(後向き)を誘導抵抗という。

    よって、誘導抵抗を減らすには、翼周辺の気流のうち@の渦の占める割合をへらす、すなわち全幅を増す・同じ面積ならアスペクト比を大きくする、ことになります。また、ウィングレット等は@の気流のあふれ出しをせきとめるものです。
    Schump

  2. 誘導抵抗は揚力発生に伴って発生します。戦闘機が翼を垂直に立てて急旋回するとき、翼は旋回Gに打ち勝つだけの大揚力を発生させなければなりません。効率の悪い翼だと大揚力に伴って凄まじい誘導抵抗が発生するので速度が激減、下手をすると失速します。ジェット戦闘機のように強大な推力があれば抵抗に打ち勝って旋回を持続させることができますが、レシプロ戦闘機では翼の効率は旋回性能を決める大きなファクターで、飛燕の細長い(高アスペクト比)翼はこの点で有利でした。むやみにアスペクト比を高くするとロール(横転)性能の低下等の弊害も出ます。

    ささき


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