QQCCMMVVGGTT
466 最近、747のエルロンのワイヤーが切れるという事故が有りましたが、新聞では操縦かんと直接繋がってるとありました。ということは車のパワーステアリングのように直接繋がってる物を油圧でパワーアシストしているのでしょうか?御巣鷹山の事故の時は油圧がダウンして操縦不能になったと聞きましたが、パワーアシストが死んで人力では重くて操縦出来ないという事でしょうか?
あるいは、操縦かん→油圧装置→ワイヤー→エルロン こういう繋がりを直接繋がってると表現したのでしょうか?
陵風

  1.  結論から言うと、「油圧操舵」はパワステと同じです。よって、油圧が切れても動かせることは動かせるのですが、非常に重くなります。例えば、F-86の全遊動水平尾翼型は「油圧が落ちると事実上おしまい」ということで、当時まだ目新しかった油圧操舵方式そのものへの不信とあわせてパイロットには不安の種だったといいます。また、御巣鷹山事故では、バックアップを含む油圧全系統のみならず、垂直尾翼・方向舵の過半が吹っ飛んだので、例え人力操舵が可能でも絶望的状況でした。
     なお、大型機・高速機即動力操舵かというとそうでもなく、MD-90のエルロンは、サーボタブ(操舵と反対方向に動かしてそこにかかる反力で動翼を動かす)を使った人力操舵だったりします。
    Schump

  2.  切れたワイヤーは鋼索なのでしょうか? 信号電線(フライバイワイヤーのワイヤー)なのでしょうか?。前者とすると(質問者の方はこっち説と思いますが)747エルロンには鋼索が繋がっていてそれで動かしているのでしょうか?油圧アクチエーターの作動桿が直接繋がっていると思っていました。
    SHI

  3. ↑747そのものについての資料はないのですが、一般的な油圧操舵の場合、動翼にはサーボアクチュエータの作動ロッドと操縦桿からのワイヤ又はロッドの両方がつながっています。操縦桿からの直結を残してあるのは、人力操舵の余地を残しておくためよりはむしろ、舵面の負荷=操舵感覚をパイロットに伝えるためのようです。それでもアシストの割合が大きいと、人工操縦感覚装置でフォローしてやるんですけど。
    Schump

  4. 川崎のC-1やDC-9,727クラスあるいは初期のジェット戦闘機までならともかく、747クラスの大型機や超音速のジェット機の場合、ワイヤやロッドによる直結はないのではないでしょうか。このクラスでは操舵感覚はバーチャルな人工感覚装置に全面的に依存した不可逆的な機力操縦装置が使われているはずです。また緊急時に人力を期待するのも不可能なので、油圧系統を多重化(747の場合4重)する事によって確保しています。

    それから整理すると、「操縦かん→油圧装置→ワイヤー→エルロン」ではなく「操縦かん→ワイヤ(ロッド)→油圧装置(アクチュエータ)→エルロン」となります。この場合の「ワイヤ」は鋼索の事で、電線ではありません。電線にしたものが「フライ・バイ・ワイヤ」になりますが、ボーイングでこれが取り入れられたのは777が最初です。
    ハヤブサ

  5. 私の読んだ新聞記事の抜粋です。(10月16日付)
    「右主翼の補助翼(エルロン)と操縦かんを結ぶ直径3ミリのワイヤが切れ、エルロンが動かなくなるというトラブルが・・・
    747SR−100型・・・
    全日空によると、昨年2月にワイヤを交換した際、滑車に掛けず、脱落を防ぐためのピンに接触させたのが原因という。」
    直径3ミリのワイヤがピンに接触して切れるほどの力が働いたようですね。
    陵風

  6.  ↑4、補足多謝。
     さて、ピンに接触の件ですが、滑車にかかってないと作動の度に規定以上の摩擦にさらされるため、ワイヤーは極端に寿命が短くなるものと考えられます。つまり、ミス+突発事故、ではなく、整備不良の害がそのとき出た、ということになります。
    Schump


Back