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620 ヘリの航続距離は大体どれくらいですか?(勿論機種によって違うだろうけど、一般的なところを教えてください)ヘリコプターはやはり燃費の悪い乗り物でしょうか?
TOM

  1. 「世界航空機年鑑を買え」というのが簡単な答えなのでしょうが、それはあんまりなので、とりあえず「その辺でみかけるヘリ」について、列挙してみましょう(最大航続距離)。

    ユーロコプター・エキュレイユ:666km(燃料535リットル。同級の固定翼機であるTBM700Hが、燃料900リットルで2900kmぐらい飛べることと比較されたい。)
    同シュペルピューマ:850km(燃料2020リットル)
    同ドーファン:897km(燃料1135リットル)
    川崎BK117:525km(燃料?リットル)
    UH-1J(ベル205):517km(燃料700?リットル)
    ベル412:656km(燃料1249リットル)
    CH-47D(Jとほぼ同じ):1140km(燃料1893リットル)
    MDエクスプローラ:599km(燃料600リットル)
    シコルスキーS-76:555km(燃料1030リットル)
    Mi-26:800km(燃料12000リットル。同級の固定翼機であるC-130Hが、燃料35000リットルで7700kmぐらい飛べることと比較されたい。)

    さて、効率の話。ヘリは以下の点で固定翼機より不利です。
    1)固定翼機のエンジンは(内部機構以外には)プロペラか噴射ガスだけ駆動していればいいのに、ヘリはでかいローターを回さなければならないので、機械的ロスがある。
    2)固定翼機の主翼は、「基本的に」全体が同じ速度と方向の気流に当たる、つまり全体を同時に最適の空力的状態に置けるが、ヘリのローターは、とりあえず円周方向に流速が不均一である。
    3)さらに前進(に限らないが)飛行においては、前進速度とローターの速度との和によってブレードの対気測度が左右不対称になるのを補正するために、「効率が高い側の揚力を敢えて逃がす・減らす」ようなことをするのでさらに効率低下。

    請う補足。
    Schump

  2. あ、TBM700H→TBM700。なお、「同級」は、積載量・座席数でとっています。
    Schump

  3. ごく大雑把に言うと、飛行機で速く飛ぶときは少しの空気(作動流体)を高速で噴き出した方が、遅く飛ぶときは沢山の空気を低速で噴き出した方が効率がいいのです。沢山の空気をゆっくり噴き出すために、ヘリコプターは大きなプロペラをゆっくり回しています。垂直離陸というのはかなり低速ですし、空中停止なら速度は零なのですから、その方が効率がいいのです。逆に高速で効率のいいジェットエンジンでは、垂直離着陸は効率が極端に悪くなります。だから、ハリアーと垂直離陸重量が同じぐらいのヘリコプターを見比べると、ヘリコプターの方がずっと小さいエンジンで済んでいます(っていうか、大雑把すぎますか?)。

    (N)

  4. ↑付け足すと、推力(ファンやプロペラによるものを含む)による垂直離陸・穂場リングにおいては、エンジンの推進力そのものが機体重量以上でなければならないのに対して、回転翼の場合は、エンジンは翼の水平移動だけを行えばいいので、固定翼機の離陸・水平飛行と同じことになります。ただし、1.で述べたような事情があるので、固定翼機より効率が落ちるのです。
    Schump

  5. そういう書き方をすると、ファンやプロペラも回転翼と同様に、水平移動している事には違いないのでは?
    (N)

  6. ご丁寧な回答ありがとうございました。
    TOM

  7. 5、「回転する羽根」によって発生する力には「ブレードの揚力」と「後ろに空気を掻き出した反動」があります。回転翼ではほぼ100%が前者ですが、プロペラでは7:3程度、ファンでは後者がほとんど(想定飛行速度によって違うが、半分以下ということはまずない)になります。揚力を発生するには回転面に沿った仕事しかしないのですが、反動を得るときは(ブレードの斜面を介して)回転軸方向の仕事をすることになる点が両者の最大の違いだと考えてください。
    Schump

  8. ↑いや、ちょっと違うな。「斜面を利用した仕事方向の変換」をしているのは同じなんだ。ただ、揚力発生の場合、その斜面が非常に緩やかでほぼ水平なんだと考えたほうが正確かな。
    Schump

  9. 横からごめんなさい。
    「「ブレードの揚力」と「後ろに空気を掻き出した反動」」この二つを区別する理由がよく分からないので詳しい説明をお願いできればありがたいです。私もNさんと同じように、プロペラ、ファン、ロータの違いは基本的に誘導された後流面積当たりの推力の問題だと思っていたので。

    舞弥

  10. そう、その推力と揚力が別物というのがよく判らないです。翼に風が当たると、翼の片方の面では空気の圧力が下がり、その反対側の面では空気の圧力が高くなる。そういう具合に圧力差が生ずると、圧力の高い空気が翼を向こう(圧力の低い方)に押し、その反作用で空気はこっちに押される。その押す力が重力に抗する方向であればそれを「揚力」と呼び、進行方向に向いていれば(?)「推力」と呼ぶ。そういうことではないのですか?
    (N)

  11. Schumpさんが説明しようとされていることは基本的に翼の迎角の違いで、回転翼では迎角がゼロかそれに近い小さい角度でも、高度を維持できる程度の揚力を発生させ得る点を、迎角が大きい通常状態のプロペラ等と比較されているのだと思うのですが・・・。
    EAW

  12. 11、工学的理解としてはそのとおりで(8も)、さらに言うと、回転翼が「回転面と同レベル(近辺)にある空気」を相手にしているのに対して、プロぺラやファンは「前から次々と流入してくる空気」を相手にしているのです(ブレードの取付角が違うのはそのせい。)。よって、取付角に合わない空気流入速度においては効率が落ちます。
    「では可変ピッチにして寝かせたら?」そうです。ここでやっとディスクローディング(回転板面積当たりの負担重量、ホバリング時には推力と言い換えてもほぼ支障無し)の話になるのです。
    Schump

  13. ローターやプロペラというのが基本的に別物で機構も形状も翼形も羽の迎角も違うのはわかるのです。ただ両者とも羽根を回転させて正圧と負圧の差で揚力なり推力を作り出す基本原理は同じで、違いがあるとすればディスクローディングの問題ではないかというのが私やNさんの考えなのですよね。
    例えばプロペラやファンでホバリングしているVTOL機があったとします。この場合、羽根の迎え角は前進速度との合成分をプラスしないですむのでヘリのローターと条件は同じはずです。この場合にVTOL機とヘリの違いというのは結局ディスクローディングじゃあないのかなあと思うのです。
    舞弥

  14. ブレード裏側の気圧が高められる原理
    ・揚力の場合:上下面の流路差=流速差によって「上面より比較的高圧」になる。
    ・反動の場合:ブレード斜面を空気にぶちあてて積極的に圧縮した空気を斜面に沿って下面側に送り出す。

     後者の場合、後ろに送ってしまった空気を補充するために前から相当量の空気を吸い込むか自ら前進することが前提になります。

     ややこしいのは、翼を論じるときに、反動に相当するものが「迎角・カンバーによって気流を下向きに曲げてやった反力によって発生する揚力」という扱いをされることです(ここで、固定翼機の場合、大迎角時にこの「反力によって発生する揚力」が大きな割合を占めますが、揚抗比が悪くなることに留意してください。)。
     また、確かに低速・低ピッチ時のプロペラはローターに近い状態にありますが、「反力によって発生する揚力」への依存度は(その形状から仕方ないのですが:いわんやファンをや)ローターよりは高くなります。
    Schump

  15. なるほどわかりました。ありがとうございます。
    舞弥

  16. 例えば
    http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/a0056.html#a20000205223725
    と言う掲示板には、そう言う区別はないという考えが提示されているんですよね。
    (Id: #a20000205223725とか)
    いや、自分で検証できないようなネタを持ち出して申し訳ないですが。

    (N)

  17.  ↑まさにこの分離をしない、ということが翼(揚力発生機構)を論じる場合の同一視・合算そのものなんですよ。わざわざ分離して考えるのは、「回転面に向かって垂直に流れてくる気流(の成分)」に依存するかしないかに着目して「揚力発生機構」と「推進機構」を分離しようとする工学的方便である可能性もなしとはしません。
    Schump

  18. だからぁ、、、これ以上はどうどう巡りですよぉ。とっくに2周目に入っているのに。
    舞弥

  19. これは失礼。気付いてませんでした。→二周めに入った「こと。
    (N)

  20. 失敗したみたいです。みなさんごめんなさい。悪いのは全部私です。
    舞弥


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