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690  松根油について
「松根油は揮発油の代用として飛行機の燃料にされていた」
と、何かで読んだ事があります。
一方で「灯油の代用品であり、ジェットエンジンなら動いたかも」
といった記述も眼にしました。
どちらが本当なのでしょうか?

どんべ

  1. 「詳しくは後ほど」状態の昨今ですが、どちらの記述もある真実を突いています。
    こちらの方が成功していて実績もあった植物原料(芋)のアルコールと並ぶ代用燃料だった松根油は精製が問題となっており、不具合に悩むレシプロエンジン用途と、「だったら橘花や桜花の燃料に」という動きと同時に存在していた、と考えてよいと思います。
    BUN

  2. 旧Ans.Q[http://www.epsnet.co.jp/~f4u/ansq/4/D1000027.html]-12 に
    >陸軍の研究によれば、「松根油の300度以下の溜分はすこぶる優秀な水素添加材料であり、硫化モリブデン触媒を使い、50%前後の収率でオクタン価89程度の航空ガソリンが得られた」そうです。
    というEOSさんの記述があります。また
    http://www.epsnet.co.jp/~f4u/ansq/9/I1000014.html
    http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/I1000205.html
    http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/I1000916.html
    等に、関連する話題があります。
    EAW

  3. 実はまだちゃんと資料を確認していないのですが、つけ加えると植物アルコールは「間に合った」代用燃料ですが、松根油は「間に合わなかった」代用燃料なのです。9月より5000キロリットルの本格的供給が予定されていましたが、実際には精製設備等の問題からかなり危ぶまれていたようです。このように「間に合ってない」という事情が、諸説ある原因でしょう。
    BUN

  4. 吉田満の本でしたか、沖縄特攻に向かう駆逐艦の排煙のにおいが大豆油のにおいがして香おばしい、とか記述があったような気がします。そんな食用として貴重な植物油まで缶焚きに使ったのでしょうか?
    Navy

  5.  どうも皆さん有難うございました。
    過去のログも読ませて頂きました。
    個人的にこの問題に異常なこだわりがあるのです。
    と、言うのも、50年以上前に植物性の油脂でエンジンを動かす技術があって、
    今、何故そういうエンジンが無いのか、という事です。
    農業の盛んな東南アジア(タイあたり)に「ガソリン畑」を作ってもらい、
    日本が大量に輸入すれば、アジアが潤い、日本の市場が拡大しそうだし、
    中東情勢を気にする必要もありません。
    何より、原油の枯渇を心配する必要がなくなります。
    飛行機と無関係な話でした…すみません。
    どんべ

  6. ↑植物油で動く機関ですが、どこかの市のごみ収集車の燃料にテンプラ油の廃油を使っているとか言うニュースを聞いた覚えがあります。かなり古い話しなのではっきり覚えません。スイマセン
    taka

  7. ブラジルあたりの自動車はアルコール燃料のエンジンが主力らしいですが、うろ覚えの話なので自信は有りません。
    巣田 夏生

  8. >3
    そうなんです、松根油は間に合わなかったんです。
    とはいえ、精製方法が確立していなかったので殆ど精製されなかっただけで、松
    根油自体の生産量はかなりのものです。
    ちなみに昭和20年の4月から8月間で
        松根油生産量(バレル)
    陸軍  64、980
    海軍  191、960 
    民間  無し(昭和19年まで生産)
    生産されております。また、精製する為の蒸留釜の数が昭和20年で37、007
    個となってます。この釜の稼働を維持するのは月間38万トンの松根と従事者が
    125万人必要というのですから‥‥

    実際に精製に成功した航空ガソリンは3、000バレル程度であったそうです。
    しかも粗悪で、米軍のジープを壊したとか。
    takukou

  9. より正確な表現で言うなら「松根油から精製した航空燃料を使用した」というところでしょうか。
    ちなみにコイツは0.15%加鉛することで、94〜96.7という優秀なオクタン価を示したそうです。
    みなさん書いておられるように「間に合わなかった」というのが正直なところで、昭和16年の生産量は、わずかに6,260tでしかなく、終戦時は昭和20年末を目指した「20万kl」生産計画を実行中でした。
    胃袋3分の1

  10. ちなみに私の勤務先(某鉄工所)の過去の製造品の資料に「松根油乾溜釜」と言う項目があります。たしか昭和20年の資料です。他にも「SS部品」とか。
    にょき

  11. 松根油について戦後に農林省から陸軍省に提出された補償に関する資料を見ると、

    松根補償費(1tあたり80円)
    陸軍地区 227689t
    海軍地区 613941t

    経営損失補填費(1釜あたり500円)
    陸軍地区 9579釜
    海軍地区 25098釜

    松根油山元在庫量(1tあたり2316円)
    陸軍地区 8640t
    海軍地区 18774t

    まとめると日本全国で掘り出された松根は約84万t、それを34677釜の乾留釜で乾留して油分の収率を平均5%とすると約4.2万tの松根油が生産され、そのうち山元在庫量の約2.5万tを差し引くと約1.7万tが陸海軍に供出されたという事になります。
    またこれらの直接的な補償費用の他に運送代行料、応急貯油設備費、作業衣その他無償交付費、etcの諸費用が補償要求されています。これらを考えると莫大なマンパワーを要する松根油の生産はとてもまともな費用対効果を持ち得るものではないのは明らかです。
    ついでに書くと陸軍地区とか海軍地区というのは松根に関する陸海軍の縄張りで、生産は双方が別々に行っていました。陸軍地区に含まれるのは北海道の一部、北陸5県、東海4県、近畿6県、九州7県であり、残りが海軍地区です。松根油は古くから農業、溶剤、塗料などの用途に使われていて、中でも盛んな中国地区が海軍地区に含まれていたのが海軍地区に含まれていたのが海軍地区の生産量が大きい理由の一つです。
    縄張りは例えば南方原油にもあって、ジャワやスマトラは陸軍地域でバリックパパンが海軍地域になります。大ざっぱに言って石油の約85%が陸軍の手の中にありました。



    舞弥

  12. 9に補足です

    松根から航空燃料を製造するには、
    まず、松根から松根油を取り出す(小型の釜を用いて)
    次に、松根油の軽質分を接触分解して基油を製造します
    最後に、基油70%、ヘキサン留分27%、ベンゾール3%、四エチル鉛
    0.15%の割合で混合し航空ガソリンを製造します。

    が、確かにオクタン価は満足すべきものなのですが、酸化安定度が小さく
    3日程度でガム状の物質が増加する、とあり。四日市の第二海軍燃料廠を
    占領した米陸軍が、ジープにこの航空燃料を用いたところ、たちまち燃料
    系が詰まってしまった。と言うことです。
    takukou

  13. う〜ん、低公害燃料かと思っていたんですが…
    四エチル鉛ですか。
    良くわからんけど、有害物質みたいですね。

    どんべ


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