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707 ミサイルが「浮いて」いられる原理とはどういうものでしょうか?
安定翼の揚力だけではちょっと説明できないと思うので。
勝井

  1. それはきっと出力だけで「スッ飛んで」いるだけで、安定翼は方向制御のためでは
    ないでしょうか?宇宙ロケットと同じだと思いますが・・・
    秋水改

  2. ミサイルは普通自重より遥かに大きな推力を持ちますので揚力に頼って浮上する必要はありません。水平に飛びたければ機首をちょっと上向きにして、推力の垂直成分が重力に釣り合うようにすればいいのです。安定翼は文字どおり姿勢を安定させるためのもので、揚力とは関係ないと思います。
    ささき

  3. なるほど、極単純な力学の法則ですか。
    しかし、ちょっと斜め上を向いてすっ飛んでいくミサイル。
    想像するとなんかユーモラスではあります。
    (狙われた方はそれどころじゃないでしょうが)
    勝井

  4. そういえば、ベトナム戦争当時北ベトナム軍のSA-2ミサイルは
    「空飛ぶ電信柱」と呼ばれてたみたいですね。あの大きさなん
    で他機からはよく見えたんでしょう。
    takukou

  5. 巡航ミサイルみたいに完全に航空機形態のものもありますし、そこ
    まで話を持っていかなくても高速なミサイルの類では胴体部分でも
    揚力が発生します。また既に書き込みがあります通り、エンジン推
    力の垂直成分で重力と釣り合っているものもあります。(両者とも
    やや機首上げ姿勢を取るので区別は難しいですが)


    けい

  6. http://member.nifty.ne.jp/onami/index.htmlの「飛行機のページ→戦闘機の技術→ミサイルのかわし方」によると,対空ミサイルは本体が迎え角を取ることによるボディ・リフティングと推力の上向き成分によって重量を支えているようです。迎え角を取る機能は制御則に入っておらず(入っている物もあるかも知れない)
     「重力で落ちる」→「目標が上に見える」→「本体を上に向ける」
    の繰り返しで結果的に迎え角が生じるようです。最高数十Gの横加重や2〜4Machの進行速度に対して,重力による横変位は外乱程度の影響しかないようです。
    isi

  7. そう、対空ミサイルは20Gとか30Gで機動できると喧伝されているのを読んだことがあれば、1G出るのか出ないのか?という疑問にはすぐ答が出たのでしょうけど。また、6.で書かれた頁に書いてあるように、90式AAMとか最大揚力が出せる方向にロールすることからして、翼による揚力がかなり大きいことが判ります。
    (N)

  8. (皆さんの知識からして)今更かもしれませんが...
    多くのミサイルはスラストベクタリングしているのでは?
    つまり推力線ベクトルと機体軸線と速度ベクトルが相互に一致していない状態で飛行しているのでは。
    通常の重力ターン方式で機動しているのなら重力による落下成分だけ推力軸を上向きにすればOKですね。そのままグリっと左右に向ければ大きなGでの機動も思いのままでしょう。
    とか書きながらミサイルの現実は良く知らないのですが...(^^;)

    Sq

  9. 私もミサイルのことは良く知りませんので全部推測ですが
    サイドワインダーの場合(推力偏向があるか分かりませんが)頭部の動翼で方向転換していたと思います。また長距離対空ミサイルは飛行後半はロケットモータが停止して惰性で飛ぶはずですので,その間推力偏向は利用できないでしょう。

    >重力による落下成分だけ推力軸を上向きにすればOKですね。
    定常飛行するには重心周りのモーメントも釣り合う必要がありますね。この場合推力線がミサイルの重心上方を通りますから,下げ舵と同じことになって下向き宙返りしてしまうでしょう。(あいにく重力ターンがどういうものか良く知ならいので間違っていたら済みません)

    船を例に取ると,取り舵のとき
      1.舵の力は右向きに発生して最初船体(重心)は右へ移動(旋回外側に膨らむ)
      2.舵は重心より後方にあるので左回りモーメントが発生し,船体が左回頭
      3.船体が水流に対し左向きの迎え角を取るため,(舵の右向き力を上回る)左向き力が発生し,船全体が左へ移動
    すると思います。

    尾部にある推力偏向ノズルの働きも回頭性向上であって,横向き力(揚力等)はミサイル本体・固定翼に発生する迎え角で生じると思います(もちろん推力線自体も迎え角を取れば,その横成分も貢献します)。これはF-22などでも同様で,推力で機体を支えるにはハリアーのように推力線が重心を通過する位置にノズルを付ける必要があるはずです(ですので偏向ノズルがなぜSTOL性を向上させるのか,私は原理が分かりません)。

    ミサイルが水平飛行しているとき,空気抵抗中心に抗力(後ろ向き)と揚力(上向き)が働き,「空気抵抗中心〜重心」間の距離に比例したモーメントを生じるでしょう。その時動翼・推力偏向によってモーメントの合計が0となるよう制御することで一定の角度で飛行すると思います。ここで推力線を上向きに偏向すると頭下げモーメントが発生し,動翼が
     「重心前方」にあるとき:動翼はモーメントを釣り合わせるため上向き力を発生させるので,
                 両者が合わさって重力を支える。
     「重心後方」にあるとき:動翼は下向き力を発生し,推力の上向き成分を消してしまう。
                 (動翼がノズルより前方に有れば下向き力の方が大きい)
    と思います。
    isi


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