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838 カナード翼は安定性に優れ、舵の効きが良いと良い事尽くめの記事しか目にしませんが、そんなに優れた特性ならば
すべての飛行機に採り入れるはず。マイナス面もあるのでは。?
イマジン

  1. 先尾翼式の飛行機には、通常形式と比べて以下のような欠点があります。

    1)主翼の空力中心が重心より大きく後ろにあるため、機体重量の変化による頭上げ・頭下げが大きく、これを(主翼に対して小さい)カナードでトリムするには限界がある、つまり許容される搭載量の幅が小さい。
    2)主翼が機体後方の比較的乱れた空気流を使うことになり、主翼単体での効率は悪い。そのうえカナードより小さい取付角でなければならないということは揚力翼面の全てが同時に最適迎え角をとれないということでもある。
    3)構造強度の中心は当然主翼がある機体後部にあるため、機体前半は相対的に強度が低くなり、離着陸の過重がかかる降着装置の設置に向かない。つまり、尾輪式は当然無理で、システム的に複雑な前輪式をとる必要があり、軽飛行機の場合、価格や信頼性の面でのハンデになる。
    4)主翼に極端に大きな後退角をつける(主翼効率低下)か、垂直尾翼だけのためのテイルブームを設ける(ムダ)かしない限り、垂直尾翼のモーメントアームが短くなるため、垂直尾翼が大きくなり、重量や抵抗が増す。
    5)戦闘機や軽飛行機の場合、カナードが邪魔で(前)下方視界が悪い。

    Schump

  2. ところで、先尾翼機一般について「安定性が良い」「操縦性が良い」という記述の例を私は知りません。
    紙飛行機屋としては「遅い」「カップリングの塊」というのが妥当な評価なのですが。
    「失速しにくい」「コンパクトに作りやすい」のは利点ですが。
    Schump

  3. 「安定性がよい」というのは「震電」の解説によく出てくる「先尾翼機は大迎角を取ったとき主翼より先翼が先に失速し機首下げモーメントが起きるので悪性失速が起こらない」という記述の誤読ではないでしょうか>「失速させにくい」と「安定性がよい」は別問題です。また「過大迎角が取れない=絶対に失速しない」というのも間違いです。

    また「舵の効きがよい」というのは最近のジェット戦闘機のカナードデルタ形式で「先翼に誘導された高速気流が舵面の気流剥離を抑止するため高迎角時でも舵の効きを維持できる」という解説の誤読ではないかと思います>震電の先尾翼形式と J39 や EF2000 のカナードデルタは似て非なるものです。
    ささき


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