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843 AH−1(コブラ)のメインブレードは観れば観るほど幅が広いですが、この広さには意味があるのですか?
イマジン

  1.  あのブレード幅は、ベルお得意の「シーソー式」ローターハブに起因するものです。
     「シーソー式」とは、各ローターブレードの根元にフラッピングヒンジ(前進時の左右ローターに当たる相対風速の差による揚力不均衡を吸収是正)を設けるのではなく、ローター全体をシャフトからぶら下げてシーソーにし、この傾きをもってフラッピング運動に代えようというものです。
     この方式は構造的に非常に単純化でき、しかも作動が確実なため、名機ベル47の大成功をもたらし、以降ベルの伝統になったのですが、原理上ブレード枚数が2枚に限られるため、ソリディティ(回転円盤中にしめるブレード面積の割合)を大きくして揚力を高めようというときにはブレード幅を大きくするしかテがありません。
     幅の大きなブレードは効率が低下し、重量の面でもハブへの負担が大きいことから、拡幅にはおのずと限界があり、シーソー式のヘリは大型化できません。また、シーソー式自体がフラッピング運動を完全には行えないものであって高速飛行時に振動が出やすいという欠点があるため、さしものベルも407(〜OH-58)、412、430では普通のフラッピングヒンジを採用して4枚ブレードとしていますし、次世代型AH-1「ヴァイパー(仮)」も4枚ブレードで開発中です。
    Schump


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