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846  よく、プロペラ後流は内側に絞るように流れるため、機首にプロペラのある単発機の場合、エンジンカウリング直後から(厳密に言えばプロペラ直後から)絞っていった方が空気抵抗は少ないと言いますが、では、プロペラ後流はどうして内側に絞るように流れるのでしょうか?私は、以下の2つの仮説をたててみましがどうでしょう?
1.よりプロペラ先端に近いプロペラ後流の方が流速が早く、内側の遅い気流に引っ張られて気流が内側に寄る。しかしながら、気流は遅いほうから早いほうへ流れるはずである。また、プロペラは先端の方が速度が速いとはいえ、同時に低ピッチなので速度に差が出るのかも疑問。
2.プロペラ付け根近くのプロペラ後流は胴体に沿って流れていく。そうすると空気の粘性の影響でその流れは胴体側に引き寄せられる。その影響で、より外側を流れるプロペラ後流は内側に引っ張られる。これは胴体表面の境界層がより発達する機体後部の方が顕著となる。

みなさんのご意見をお聞かせください。
胃袋3分の1

  1. 仮説追加。
    3.プロペラ後流は「全体として」まわりの空気流よりも流速が早く(引き替えに運動エネルギー増加)、圧力が低下している。このため、比較的高圧なまわりの空気流によって圧縮されてしまう。
    というのは如何。
    Schump

  2. 話を単純にするためにプロペラ効率を100%とします。
    つまりプロペラは空気に対して回転方向への速度を与えることも、
    熱を与えることも無いとします。

    と言うことは空気の体積は変りません。
    にも関わらず加速されたと言うことは、引き伸ばされたと言うことです。
    体積の変わらないまま引き伸ばされれば、直径が縮小することは
    直感的に理解できると思います。
    定性的には以上のとおりです。
    定量化するには、この分だけ、流れに直交する方向の圧力(=静圧)が
    低下したものと見なします。(実際に下がるのですが)
    低下した静圧と外気圧の釣り合うところまで縮小することになります。

    えー、長々と書きましたが1で述べられた仮説3のとおりです。
    より詳しくは流体力学の教科書をご覧ください^^;

    たかつかさ

  3. >2
    追記:これは「ベルヌーイの定理」ではありません。
    その基礎(のひとつ)です。
    これ(何故流速が増すと静圧が下がるか)を踏まえて
    「エネルギーの保存則」を流体力学に適用すると
    「ベルヌーイの定理」になります。

    たかつかさ

  4. なーるほど、ありがとうございました。
    しかし、流体力学の解説書ってのは読んでるんですけど、コテコテの文系人間の私には、あの公式の羅列が(×_×)なんですね(笑)
    ところで、全体的な流れは紡錘型になるんでしょうか?とすれば、それは後ろに行くほど後流の速度が弱まるため?
    胃袋3分の1

  5. >3
    補足です。
    ベルヌーイの定理は、非圧縮流体のみに適用されるので
    普通、気体を考えるときには使いません。

    taka

  6. 回転流体機械の羽根(翼)は、流れの方向を曲げることで流体に対して仕事をして
    います。
    飛行機のプロペラにおいても軸方向に流入してくる空気の流れに周方向の旋回成分
    速度を翼の流れ転向効果により加えることによって、プロペラは仕事をする、つま
    り推力を発生する流れを作るので、周方向成分が後流に発生しない状態ならそれは
    仕事をしておらず、羽根の効率値としては、0になると思います。つまり推力を発
    生するためには、旋回成分流れが必ず必要ということになります。
    この後流に発生した周方向速度成分を持つ流れは、それ自体が全体で渦状流れを成しますが
    渦の性質として中心部に行くほど圧力は低くなります。そのため内側に絞る流れと
    なると考えられます。
    渦の例としては、竜巻の中心部が圧力が低いため自動車などを吸い上げたり、
    洗濯機の洗濯槽の中心部の水がへこんでいるのも、渦の性質をみる典型的な例と
    考えられます。
    mamoha

  7. 焦って帰宅したらすでに補足・訂正が^^;
    ありがとうございます。

    >5
    補足感謝いたします。
    そもそも、「ベルヌーイの定理」は今回は関係ないので、
    余計なことを書くべきではありませんでしたね。
    今後注意します。

    >6
    ありがとうございます。
    今回の質問はプロペラ後流なのですから、ジェット流に置き換えるのは
    単純化として不適切でした。

    指摘項目はつまり、
    ・プロペラ後流はプロペラ軸を中心とする渦を形成する。
    これは渦度を持つほんとうの渦で、収縮する方向の性質を持つ。
    ・前後方向の流れ速度による静圧低下とあいまって、
    プロペラ後流は螺旋を描きつつ収縮流れを形成する。

    と言うことでよろしいでしょうか。


    たかつかさ@出張帰り

  8. で・・・では、二重反転ペラだとどうなるのでしょう!?

    碇義郎氏の「紫電改」に強風開発時のエピソードが出てきます。

    普通のペラを持った機体だと宙返りして元の位置に戻った時に、
    ペラ後流の影響で気流が荒れているので機体がぶれる、
    しかし二重反転ペラだとそのぶれが少ない、

    といった記述がでてきます。二重反転ペラでは渦成分が少ない、
    つまりたかつかささん言う所のジェット流に近いのではないか、
    と想像しているのですが・・・。

    SADA

  9. プロペラ(動翼)のみの場合は、軸方向流入の空気に運動を与える結果として
    プロペラ出口に旋回(回転方向)速度成分を有してしまいますが、もし動翼後方に
    その旋回流れを軸方向に曲げる静翼を配置出来れば、軸方向成分だけの推力を持った
    流れとすることが出来ます。一般的なファンは、このような後置静翼形が多く使われます。
    それと同じように、反転軸流ファン(プロペラ)の場合、後ろの羽根が、前方羽根が
    発生させた旋回速度成分を軸方向に曲げるように翼状態を設計すれば、おっしゃる
    ような渦流をなくす加速した流れを得ることが可能となります。

    mamoha


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