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913 ハインケル177の双子エンジンの仕組みについて教えて下さい。(初歩的な質問ですみません)
TN

  1. 双子エンジンについては以前も議題に上がりましたが謎が多く奥深いテーマですよ。
    とりあえずアメリカ版双子エンジン・アリソン V-3420 の写真を紹介しておきます。
    http://www.wpafb.af.mil/museum/engines/eng3.htm
    クランク軸が二本あり、これを減速ギヤボックスで結合して駆動軸一本にまとめています。
    左右エンジンの回転不均衡をどのように調整していたのかは私にはわかりません。
    ささき

  2. >回転不均衡
    まったくの想像ですが、自動車の駆動輪に使われているような
    デファレンシャル・ギヤをかましてやればうまくいきそうな気がしますが
    大きな勘違いかもしれません。
    どんべ

  3. 倒立V型エンジン(前から見ると ∧ こんな形か)を左右に並べ、エンジン二つの出力軸をギヤでつないで一つのプロペラを駆動した。で正面から見ると ∧∧ じゃなくて /||\ 。つまりエンジンそれぞれ傾けて、内側のシリンダーを平行にした…らしい
    陵風

  4. 回答ありがとうございます。確かに二つのエンジンの回転不均衡をどう調整したのかはなぞですね。
    TN

  5. →回転不均衡
    ”two crankshafts geared together”と書いてありますので,両軸を単にギアでつないでいるだけでしょう。”Propeller shaft and Gearbox”の写真にあるギアボックス内でつながっていると思います。ディーゼル式艦船で,複数のディーゼル機関を減速機で1軸につなぐのと同じですね。スロットル開度が同じなら出力も回転数もほぼ同じになるので,ギアには大したトルクは掛からず,また一方が停止しても大丈夫な強度に設計するはずです。
    不均衡といえば,多気筒エンジンでは厳密には各シリンダー毎に出力はばらつきがあります(吸気管の形状による流入量差や,温度差により)。多気筒エンジンは単気筒エンジンをつなげたものと考えられるので,クランクが各々切断されていたら回転数は微妙に違ってしまいます。
    isi

  6. 二重星型エンジンも、前と後ろのユニットでは(クランクシャフトが共通とはいえ)別のエンジンを二つ組み合わせたと考える事ができ、それでそのエンジン構造特有の欠陥があったとは聞かないですね。1965年、コベントリー・クライマックス社はF−1用に(1964年にサーティス/フェラーリにチャンピオンをさらわれたチャップマン/クラーク/ロータス/クライマックスの巻き返し用、ただしこれは実戦参加しなかった;記憶モード;乞う、突っ込み)1500CC、水平対向16気筒エンジンを出しましたがこれは基本的に4気筒エンジンを4台組み合わせたものと当時の自動車雑誌は書いていました。だから(?)多気筒エンジンをリジッドに結合してしまうのは、↑のご意見の通り問題ないのではないのでしょうか。歯車の強度解析は機械工学の石器時代からされていた事ですから。
    さらにアリソンV−3420はP75の二重反転プロペラを回すのでそのギヤボックスはリジッド結合ではなく、多エンジンの同調条件はさらに緩やかだったのではないでしょうか?(二重反転プロペラの駆動方法について何の知識があるわけではないです)。DB610の設計スタッフの意見として、冷却さえ十分にできるエンジンルーム(ナセル)を設計できれば、エンジン中央に12本の排気管がひしめく排気系レイアウトは問題とはならない(哲学的ではありますが)のだそうです。
    (後半は、最近でもこのコーナーで紹介されていた書物『エンジンのロマン』を全面参考にしています)
    SHI

  7.  双子型エンジンについてですが、クラッチのことが話題にのぼりませんね。ドイ
    ツのDB610などの双子型エンジンでは、片一方が故障などによって止まってしまう
    とまだ使えるとなりのエンジンまで動かなくなってしまうので、それぞれにクラッ
    チがついていて、片方が故障してもクラッチを切り離し、まだ正常に動く方だけで
    プロペラを回せるようになっています。
     日本の景雲などに使用予定だった双子型エンジンの開発関係者にある人が話を聞
    いたところ、そのときもクラッチのことが話題にのぼらなかったそうで、私はドイ
    ツの方式をなぜ採用しなかったのか不思議に思いました。
    国江


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