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夜間戦闘機「月光」は夜戦用にどんな特別な装備があったのですか。当然、暗視カメラやレーダーはなかったわけですから、、、、 なにをもって夜間なのですか。 イマジン |
- 夜戦としては手ごろなサイズの双発複座機であることが重要でした。つまり大型の機体を活かして重武装(斜め銃)を積み、双発の航続時間を活かして長時間の索敵を行え、複座であるため夜間の見張り能力も高く夜間航法も行えるというメリットが買われたわけです。
なお月光にも機上電探搭載は行われましたが性能信頼性ともに不足で、試験的なレベルを出なかったようです。
ささき
- 夜間戦闘機はP-61に代表されるように大型重武装で対戦闘機戦には向かない
ような機体が多いですが運用が爆撃機迎撃用だからと考えていいんでしょうか?
あとP-61はどこでどう使われてたんでしょうか?大戦末期だとP-61が活躍
できる状況はあったのですか?
taka
- 夜間戦闘機の火力が大きいのは、大型機を一撃必墜することが求められるからです。当時の機上レーダーの性能では、いったん目標を大きく外してしまうと再捕捉は不可能に近く、一度のチャンスで確実に撃墜しなければなりません。
斜め銃(ドイツのシュレーゲムジークも)の最大の利点は、前方固定の機銃と違って、同航したまま目線を切らずに長時間(といっても十秒ほど)の射撃が可能なところにあります。
ヨーロッパには420NFGのみが行き、1中隊がイタリア、2中隊が英本土。英軍のモスキートがドイツ上空にも出撃したのに対して、米陸軍夜間戦闘機隊は迎撃哨戒に終始。
418NFG、419NFG、421NFGが太平洋方面。
フィリピン方面15AFに3中隊、中国方面14AFに2中隊、硫黄島に展開する7AFに2中隊、ニューギニア方面13AFに2中隊と分割配備。
P-61は尾翼のバフェッティング防止のために背中の12.7ミリ四連装銃座を外した機体が多かったようですが、これで低下した火力でもなお20ミリ4門を持ち、日本機を襲うには十分だったでしょう。
まなかじ
- 夜間戦闘機を夜間爆撃の護衛につけるという運用はされたんでしょうか?
あるマンガでP-61がドイツの夜間迎撃戦闘機と戦うシーンがあったんですが。
taka
- モスキートの夜戦型は、ボマーストリームに随伴して飛び、たかってくるドイツ夜戦に対して攻撃を仕掛けます。
これは、モスキートのレーダーの性能が優秀だからできた芸当ですね。
探知距離や探知範囲はドイツのよりもちょっとだけいいかな、という程度ですが、波長が短いので妨害するのが容易ではない。
待っていれば勝手にドイツ夜戦は群がってきますから、自機のレーダーのみでの索敵攻撃、爆撃機からの通報、地上管制、空中指揮機の管制と、多方面からの情報を得ながら、よりどりみどりに目標を選んで攻撃できます。
ドイツ夜戦は一部を除いてモスキートよりも鈍重ですから、夜戦同士の戦闘は終始英軍側が有利でした。
P-61ですが、ヨーロッパ方面に展開したのは少数です。ドイツ軍の「シュタインボック」作戦に対抗する迎撃兵力として送られたもので、英国上空の防空、イタリア戦線での夜間襲撃航空団の駆逐が主な任務です。
ドイツ上空に進出したこともあったかもしれませんが、本格的なものではなかったでしょう。
まなかじ