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SADAさん、1082にお答えいただきまして有難うございました。続けての質問で恐縮ですが、ダイブブレーキって どんなものですか。教えてください。 オタク |
・・・急降下爆撃についても書いておいた方がよさそうですね。
急降下爆撃とは、米海軍によって開拓された、精密爆撃の一手法です。
爆撃とは元々ピンポイントのような精度を有しておらず、多数を
投弾して一発当たればよい、といった性格の物でした。しかし、
それでは艦船のような「回避移動する点目標」に対しては
「まったく当たらない」事になります。
この対策として、目標上空で急角度で降下し、回避に対しても
追随して照準しつづけ、標的目前で投弾し、機体を引き起こして避退、
といった爆撃方法が編み出されました。これが急降下爆撃です。
複葉時代は機体が軽い上に抵抗が大きく、急降下をしてもそれほど
速度がつかなかったのですが、時代が単葉へと移っていくにつれ、
急降下をすると、エンジンをアイドル状態にまで絞ってもそれでも
速度がつきすぎ、操縦不能、あるいは空中分解するほどにまで
なったのです。
これを抑えるためにダイブブレーキが有ります。
SADA
大きな回避への追従は無理でしょう。
またダイブブレーキは空中分解を防止する為のものでは無いと思います。
やはり照準維持に関係のある装備だと思うのですが。
BUN
無いように見えます。照準操作に必須とは思えないのですが。
確かに、降下速度が速くなると照準しにくくなるとは思いますが。
SADA
人力で引き起こせない領域に突入しない為の安全装置
プロペラでブレーキをかけるのは無理だから
etc
で、急降下爆撃の場合ですが、一番の目的は恐らく
急降下爆撃時に一定の諸元を得る為ではないでしょうか。
(投下時の降下角度、投下高度、その時の速度)
降下角度、投下高度はともかく、投下時の速度をいつも
一定の範囲に収めるのは大変だったと思います。
そこで、ダイブブレーキで推力(=重力)=抗力のバランス
する速度を落とす。そうすれば、それ以上は速度は上がらない
ので何度やってもだいたい同じ速度を得られると思います。
あるいは一定速度の領域を増やす為、の方が正しい
かもしれません。何時までも加速しつづけてしまうと
照準操作(修正)が難しくなると思います。
林檎
投下後の引き起こしを考えれば、エンジン全開を維持
しないとなりません。
エンジンを絞って速度調整、は不利です。
ダイブブレーキは急降下時のエンジン全開の維持にも役にたちます。
林檎
ここの過去ログ、及びhttp://www.aerodevice.net/ar/kakoi/dive.htm
から拾ってきましたが、なにか間違ってますでしょうか?
引き起こしとは言いますが、対空砲火を避けるために
高度を上げず、0高度でそのまま避退するはずで、機体の
残存エネルギーを使うだけで十分なはずですが。
これだけ減速する工夫をしても、時速は500km近くに達するのです。
SADA
500km/hでは空中分解を避けた速度域ではありません。
降下中の加速による機体の浮き上がりが照準を妨げることが
ダイブブレーキを使う第一の理由でしょう。
降下中の加速に対して大分ブレーキになる、と。
BUN
>ダイブブレーキを使う第一の理由でしょう。
了解です。でも、今度はF8C、およびSBCにダイブブレーキが見つからない理由が
わからなくなっちゃったんですが・・・・。
・・・浮き上がりを押さえる必要性は認識していたが、ダイブブレーキという
発想そのものにまでいたらなかった・・・とか・・・?
SADA
>投下後の引き起こしを考えれば
は
引き起こし後を考えれば、に訂正します。
>降下中の加速による機体の浮き上がりが照準を妨げる
自分もそう思います。
爆弾投下時の爆撃諸元(フライトパターン)を修正
可能範囲(浮き上がりが一番問題と思う)に収めるのが
一番の目的だと思います。
恐らくダイブブレーキを用いた場合には、終速が(=浮き上がり)
一定範囲におさまるのでは?
99戦爆では、予め想定した爆弾投下時の爆撃諸元に
合わせて照準器をセットし、実際の爆撃時の修正は
急降下時にリアルタイムでパイロット(人間コンピュータ)
が修正量を計算(勘じゃない!)していたみたいです。
あとはダイブブレーキで機首下げモーメント、とも
考えましたが、99戦爆では逆にモーメント変化の
無い様に装備した、となってました(汗
林檎
投下するときの速度、高度は弾着位置を大きく左右します。直前での修正はほんと大変でしょうね。でも風の影響はどうやって修正したんでしょうか?鉄の塊だからほとんど関係ないんでしょうね。
ダンガ−j
高い高度からの水平爆撃の場合、それなりに影響はあったようです。
SADA
6のSADAさんの指摘で考えを改めました。
急降下といっても存速はたかだか500km/hなので
やっぱり逃げる時のパイロットの気持ちを想うと
できる事なら全開で、と思ったのですが(汗
アイドル状態(スロットルでのコントロールを放棄)
迄パワーを落とす事が一般的かかどうかは少々疑問です。
ピッチの関係で過回転を防止する為にはやむなし
なのかなぁ。
機体によって事情は変わってくるのでしょうが・・・。
99艦爆の場合、風向、風力の修正は波を見て計算
したそうです。
この辺りの事情は海上と陸上では違いますね。
どこまで降下できるか、要求される精度は、なんて
考えるともっと難しそうです。
あるいは細かく修正を計算したのは日本だけ、なのかな。
だからよく当った?
林檎