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「3式戦は翼幅が広いのでロール率が悪い」という議論をこのサイトで読みました。 しかし、重量的に大したことがなさそうな外翼の長さが多少変わっても、 慣性モーメントはそれほど変わらないように思えます。 また、翼幅が伸びればそれだけ補助翼も機体の重心から離れるので、 補助翼が発生するモーメントは多少大きくなり、トータルではロール性能への 影響は小さいと思うのですが、他に理由があるのでしょうか? 的外れな疑問かもしれませんが、よろしくお願いします。 acorn |
1.機体の剛性の高さ。特に主翼。
2.補助翼操作系統の剛性の高さ。
3.主翼の重さ。
4.主翼の面積。
1.2.は、ロールしようという力に対して、機体や操作系統が捻れることでその力を吸収してしまうとロール率が低下するだろうという考えに基づいています。
3.たとえるなら梃子の原理でしょうか。
4.は主翼面積が小さい方がロールしていく方向に対する空気抵抗が小さいだろうという考えからです。
1.がより重要で、下に行くほど重要度が下がるのではないかと考えています。
また、acornさんがおっしゃってるような要素も考えられると思います。
これはあくまで私見です。みなさんはどう考えておられるでしょうか?
胃袋3分の1
空気抵抗が小さいだろうという考えからです。
そして、翼面積が同じでも、スパンが長い方が
空気抵抗のモーメントが増大するのではないですか?
どんべ
全幅12mは長いのでしょうか?
(横から出てきてすいません)
アンサラー
可能性も有ります。日本のパイロットが「ロール性能が悪い」と
不満を言っているのならば別ですが。
日本では3式戦のロールがスタンダードで、外国の目から見て
始めてロール性能が劣っていた事に気がついたのではないでしょうか。
運動性と静安定のバランスを何処に取るかの違い、あるいは
ロール性能よりも微妙で繊細な操縦性を求められた結果だった
のかもしれません。
林檎
しかし三式戦についてロール性能がどうだった、という話はあまり聞かないのですよね。高速で急降下の突っ込みが利く、という回想の中で「急降下時にも舵が軽くてロールが容易だった」という話が出るくらいです。これは高速で舵が重くなる一式戦(あるいは97戦)に比べての感想だと思いますが、敵機である P-40 や P-38 に比べてどうなのかは正直言ってよくわかりません。
二式単戦や四式戦についても上昇力や加速・旋回性に対する回想は目にするものの、ロール性能についてはほとんど話を聞きません。どうも日本の戦闘機パイロットは高速ロールという機動をあまり使わなかったようです。ロールでは海軍の雷電が有名ですが、口の悪い人に言わせれば「(運動性について)それ以外に誉めるところが無かったから」という話もあります。
ささき
例えばF6Fは翼幅も翼面積もでかいが、三式戦よりロール性能劣るのか?とか翼幅が三式戦とほぼ同じで翼面積の大きい紫電改はどうなるのか?とか気になりますが
アンサラー
低速に向いた、面積も大きく、舵角の大きい動翼を持っているなら、
低速でのロールは優れているでしょうが、逆に高速に入ると舵が重くなって
動かせなくなるでしょう。
その逆も言えると思います。
高速でも舵を動かせるならば、操縦桿の操作に比して舵角が少ない or
面積が少ない事になり、低速でのロール率は低くなるはずです。
三式戦闘機と同じ翼幅といえば、零戦と紫電系統ですが、紫電/改は
腕比変更装置で、零戦は剛性低下方式でこれを克服していますが、
さて三式戦は?
SADA
ささき
マウザーを翼に積んでいたのだから、軽いホ5に切り替えるのは
翼の改造だけで済むうえ、ロール率もわずかに向上するはずなのに・・・・。
結果として大幅な重量増加を招いてしまったのですが、それと引き換えに
してまで得たかったものは何かと考えると、ロール率じゃないかと思います。
・・・状況証拠しかありませんが (^_^;;;;;
SADA
いろいろとご意見ありがとうございます。
一般論としては、翼幅が広いとロール性能には不利ということのようですね。
3式戦をそれ以前の日本の主力機(隼、零戦)と比較した場合には、
・翼幅は似たようなもん
・武装は、3式1型と零戦では似たようなもん
・3式戦は急降下制限速度が高いので主翼の剛性は高いだろう
・従って、舵の逆ぎきは起き難いけど構造重量は重め
ということで、低速では不利、高速では有利といったところでしょうか。
それと、日本のパイロットがロール性能を重視していなかったとすれば、この点で米軍機に劣っていても不思議はないですね。
で、2型で機首に20ミリを移したのは戦訓でその重要性に気付かされたから?
4式戦ではそのへん考慮していたんでしょうか?
ちなみに、ずっと主翼が大きくで重武装の烈風改はどうなってしまうんでしょう...
acorn
BUN
胃袋1/3さんから貰った新しい資料(米軍による疾風の性能評価レポート)を
読んでいるのですが、疾風の運動性は P-51H/P-47N より優れ、特に低速時の
操縦性が素晴らしいとした上で「旋回半径とロール率は零戦 52 型よりわずかに
劣る」とあります。翼幅はほぼ同じ 11m、零戦より遥かに頑丈な翼(レポートに
も日本機らしからぬ頑丈な構造、との評価があります)を付けた疾風なら剛性低下
方式の操縦系を持つ零戦より遥かに高いロール性を持ちそうなものですが、
低速時にはエルロン面積がモノを言うのかも知れません。翼幅の半分ほども
エルロンが占める零戦と違い、疾風のエルロンは外翼 1/3 程ですからね。
対して P-51 や P-47 のエルロンは疾風なみに小さく、しかも弦長も短くて
いかにも高速ロール向け、という雰囲気です(故・坂井三郎氏が P-51 の高速
ロールを体験して驚異を感じた、という談話がありましたね)。
さて問題の三式戦ですが、アスペクト非の高い翼に合わせて細長いエルロンを
付けています。面積だけで言えば零戦なみであり、そういう意味では低速での
ロールに向いているような気もします。搭乗員の証言や桿を使った駆動系の
処理から考えてある程度の高速までは効きを保ちそうですが、そこから先は
腕力次第のような気がします。
ささき
寸法上の問題・・・ですか。それでもいろんな装備品が詰まった
胴体をあれこれいじくるより、翼を設計し直す方が楽だと思うん
ですが・・・。
自宅で改めて「丸メカ・飛燕」の図面とにらめっこしてみようかと思ってます。
SADA
BUN
胃袋3分の1
零戦の補助翼には剛性低下方式は使われていないはずでは?
>SADAさま、ささきさま
フラッターを引き起こしてしまいます。
たかつかさ
そうなんですか?スピットはいろんな翼付けてますが・・・。
> 16
そうでしたね。そういう結論が過去に出てましたね。すっかり忘れてました(^^;;
SADA
これは基本的に、切断したり延長したりしているだけですよね。機銃搭載に関しては、スピットファイアの場合、元々積めるスペースがあっただけのことで、主翼に大きな改造は行っていません。
スーパースピットファイアに搭載された根本的に改設計されたものは、開発が難航し、スーパースピットファイアシリーズ登場の遅れの大きな原因になってます。
胃袋3分の1