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1561 B-29による日本本土空襲で使用された各種焼夷弾は、それぞれどのようなメカニズムで発火するのでしょうか。

  1. 以前、映画『火垂の墓』スタッフの間でこの件が問題になり、M47の空中着火はあり得ないという説を取材して持ち帰ったS君が監督から叱られておりました。戦中派の監督は「火の雨」の下を逃げ惑った経験があったからです。しかし、見たところたしかに空中着火のメカニズムが見当たりません。果たしてどちらが正しかったのでしょうか。


  2.  夜、落ちて来る焼夷弾が、まるで火の雨に見えるのは、焼夷弾の落下時の姿勢を安定させるための尾部のリボンに火が付いてるからです。
     B29から投下される焼夷弾は、親子爆弾なんですよ。親はカプセルのような構造になっていて、その中に子が収納されて束ねられてます。
     このカプセルが投下されると、途中で分解し、中から多数の焼夷弾が飛び出します。カプセルを分解させるとき、火薬を使うんです。そのとき、リボンに着火しちゃうんですね。だから、火の雨のように見えるんです。
     で、尻に火がついた子爆弾が地面に激突すると、頭部の信管が作動し、2、3秒後に頭部が爆発します。その勢いで、ナパームが燃えながら四散する、という手順になってます。
     
    ツカドン

  3. なるほど。そんなところではないかと思っていました。いつかS君に会ったら十数年ぶりに名誉回復してやることにしましょう。彼は、戦時体験についての心得も無ければ、調査能力も無い最近の若者として、エッセイにまで書かれてしまっていたのです(笑)。もちろん、そんなことであの映画の価値が陰るものではありません。



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