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1614 ロッキードP38ライトニングは左右のプロペラを逆方向に回転させてトルクを打ち消していたそうですが、他の双発機には同様のメカニズムは無かったのでしょうか?そうだとすると何か理由があったのでしょうか?
はしもっちゃん

  1. 月光の原型の十三試双戦もそうですよ。でも他の手法でトルク問題は解決できたということでしょう。
    BUN

  2. P(F)−82ツイン・マスタングも左右のエンジンの出力軸を逆回転にしていましたよね。
    YOU

  3. ほかにはグラマンXF5F、ロックウェルOV-10(以上米)、DHホーネット(英)とかブロッシュMB210、同131、ポテ630/631、LeO451、アミオ351系列(以上仏)、Hs129B型以降(独)といったあたりが有名どころ。とはいえポテ630以降に挙げた機種は全てノーム=ローン14系のエンジンだから当然といえば当然ですが。

    あえて左右逆転をしない理由はただひとつ。「逆転仕様のエンジンを作るのが面倒臭いから」…ま。ツインマスタングのようにデスビとカムのタイミングをずらすだけで逆転化に成功した例もありますが。
    Schump

  4. エンジンが機軸から離れた位置にある「普通の」双発機
    (串型双発や中心線上に乗員ナセル程度のものしかない双同機以外)は、
    単発ほどトルクの影響を受けないと思うのですが、どうでしょうか?

    どんべ

  5. >4. これは古典的な問題ですが、Pファクター(不均衡流)が大きく影響するようになります。Pファクターとは、機体が推力軸に対し迎え角を取った状態で前身した場合、プロペラには角度を持って気流が当たることになり、回転面の右側・左側でピッチ角が変わるのと同じ効果が発生して推力が不均衡になります。操縦席から見て時計回りのプロペラの場合、仰角を取ると機首は左に・俯角を取ると右に流されます。双発機の場合片発停止時に中心軸から大きく離れた斜めの推力で飛ばなければなりませんが(しかも推力不足のため自然に高迎角姿勢になる)、これに不均衡流の作用が加わるとヨーモーメントをラダーで補正しきれなくなりスピンに入ることがあります。回転方向が同一の場合、内回り回転(通常は左)のエンジン停止時の影響が大きいことから、これを「クリティカル・エンジン」と呼んでいます。
    ささき

  6. トルクの問題ばかりではないということですね。ありがとうございました。

    どんべ

  7. 逆に、J1N1の場合は、両方のプロペラが内回りになるよう発動機を取り付けることにより、ナセルより内側の内翼表面からの気流剥離を防ぎ、大仰角での翼端失速を防ぐことが実験結果として得られ、その効果が期待されていたようです。
    結局、逆回転の栄二二型をあきらめて回転方向を統一してみても、飛行性能はあまり変わらなかったともいいます。一体なんだったんでしょうかね。


  8. >7. P-38 も試作機では気流をインフローさせる内回りでしたが、内側に誘導されたプロペラ後流が尾翼を直撃してバフェッテイングを生じる副作用が出てしまい、増加試作機 YP-38 以降は外回りになってます。つまり P-38 は左右エンジンともクリティカルなのです。拡大型 XP-58 も外回り、マグダネル XP-67 は何故か外回り、しかし更にゲテモノの P-82 ツインムスタングは内回りです(縦に長い胴体がペラ後流から尾翼を守る働きがあったのかも)。また双発でも空冷の P-61 ブラックウィドウと F7F タイガーキャット(XP-65) は左右同一回転ですが、グラマン X5F ロケット(XP-50)は外回りの逆回転です。
    ささき

  9. P-51を二つつなげたP-82の試作機では当初、両方のペラを外回りにしていましたが
    初飛行の時、走行はするもののまったく飛びませんでした。調査したところ外回りのペラの
    相乗効果で内翼に当たる気流が下から上へ向かうため、離陸走行時に内翼の正味の迎え角が
    過大で失速していたそうです。そのため左右を逆回転にして内回りにして解決したそうです。
    Navy

  10.  あと、ドイツ機で有名なところではHe177グライフがありますね。双子型エンジン、DB606やDB610を2基を搭載していますので、これも双発機です。
     ちなみに右用と左用では回転方向を逆にするためのギアが異なるため、その重量に約40kgの差があります。
    国江


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