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1642  コンバットフライシム2で零戦21型に搭乗して、ソロモン方面でグラマン、ロキード勢と激闘を続けています。有名な空戦技「左捻り込み」を用いてみたいのですが、機動がよく判りません。どなたか、実際の操縦桿等の操作方法を知っている方がいれば教えてください。
 「大空のサムライ」の映画の中で、藤岡弘扮する故坂井三郎氏が部下に口頭で教えていましたが、よく判りませんでした。上方へ宙返りしながら、左へ横転するのでしょうか?
aichanff

  1.  加藤寛一郎著『飛行の話』(技報堂出版)に詳しい解説が載っています。

    絵塗師

  2. いや、「飛行のはなし」のは決定版ではありません。加藤先生はその後、論を修正して別の本で書いておられます。そのほんの題名は・・・すみません、宿酔いで今ちょっと本棚を掘り返すことが・・・どなたかよろしく。


  3. 「零戦の秘術」だと思います<加藤氏の著書。
    加藤氏が故・坂井氏に詳しく話を伺って推測した「ひねりこみ」とは、左斜め宙返りの頂上付近で右ラダーを使って機体を左に滑らせながら降下パスに入れることで「コーナー速度」を維持し大旋回率を得るとともに、旋回降下に伴う高度の低下を抑止し、普通の宙返りパスを回る相手に対し有利に立つものではないか、ということでした。

    >上方へ宙返りしながら、左へ横転するのでしょうか?
    エルロンは中立のまま右ラダーだけを一杯に踏み込み、降下速度が付くのに合わせて少しづつゆるめてゆく(坂井氏いわく「味噌をする」)のがコツなのだそうです。ただしこれは加藤氏の解釈による「坂井流」の「ひねり込み」で、実際に坂井氏がどういう機動を取っていたかどうかはもはや永遠の謎(;_;)ですし、海軍の中にも坂井流以外に何種類もの「ひねりこみ」があったのではないかと思います。
    ささき

  4. ありがとうございました。
    やはり、難易度の高い必殺技のようですね、早速特別操縦訓練してみます。
    実際は、Gがかかるので大変だったのでしょうね!
    aichanff

  5. やる気になったところに水を差すようで恐縮ですが、この機動が(ゲームの)フライトシムで再現できるとは考えないほうがいいと思いますよ。
    数値空間内での厳密な飛行モデルの再現は、パソコンではとても追いつかない計算量が必要とされます。
    一般に市販されているフライトシム(という名のゲーム)では、ゲーム性を損なわないレスポンスを得る為、簡略化されたフライトモデルを使うのが一般的です。
    一つのフライトモデルに機種に応じた変化を加える(いわば「味付け」ことで、目的とするヒコーキ「らしい」機動を再現させているだけです。
    いちいち、機体特性や操舵状況と相対気流により決定される飛行運動のすべてを、リアルタイムで計算しつつ「飛ばして」いるわけではありません。

    「零戦の秘術」の解析に従う限り、捻り込みは「空力特性の特異点に立脚し、特殊操作によって過渡現象を引き起こす」ような機動と推測されます。
    そもそもゲームでは、このような空力計算を再現するエンジンは組み込まれていませんから、再現は不可能であろうと思います。
    冷泉の秘芸

  6. 『零戦の秘術』のさらに後に出版された『零戦の運命』(坂井三郎著 講談社)には、坂井氏自身による左捻り込みの解説がありますので、そちらもご参照下さい。加藤氏の著書は坂井氏に徹底取材して書かれたものですが、それでも両氏の著書では操作法の記述に微妙な違いがあり、操縦の極意を言葉で伝える事の難しさを物語っているようです。

    どちらの本も、左斜め宙返りに釣り合わせて踏み込んでいた左足を、頂点の手前で右に踏みかえるところまでは同じなのですが、加藤氏の記述によると、次の瞬間にはすぐにまた左足に踏みかえる、と同時に操縦桿を右に倒して翼を垂直に立てる、という左ラダー右エルロンのクロスコントロールと、この時の左機首振りで働く機首上げのジャイロモーメントによって『飛行機は螺旋状に右に急速に向きを変える』となっています。

    対して坂井氏の記述では、頂点の手前で『やや左に踏み込んでいた左フット・バーを瞬間ゆるめ、逆に一瞬右フット・バーをポーンと軽く蹴る。機は背面のまま、瞬間左に横すべりする。これに追い討ちをかけるように、今まで手前中央に引きつけていた操縦桿をポッと右へ倒す』事によって、『機体全体が微妙に皿回しの皿をスロー回転するように重心を中心にして左に回転する。』となっていて、この部分では左ラダーの記述がありません。空自の服部省吾氏も、捻り込みは背面の状態で逆舵を使うと書いているのですが、坂井氏の記述を読む限りでは、坂井流の捻り込みには必ずしも逆舵が重要な訳ではないようにも受け取れます。

    実際のところはもはや永遠の謎(T_T)となってしまいましたが、どの記述にも共通するのは、失速直前の速度域を巧妙に使うという点です。しかしこの速度域では舵が非常に良く効く反面、少し急な操作をするだけでも簡単にスピンに入ってしまうほど不安定で、しかも縦の旋回の最中には失速速度自体が変化し続けますから、飛行機の動きが余程完璧に手に入っていないと、危なくて出来ない機動だったと思います。
    ただし、見た目は単なる斜め宙返りの変形ですから、坂井氏の著書によると『捻り込みという技は、相手を見ながらの相対的な技であって、単機で行なう特殊飛行のなかでやっても、まったく何の変哲もない味気ないものであった。』という事だそうです。

    さて、シミュレータでこれを試してみたいとの事ですが、シミュレータの操縦装置では、微妙な速度の違いによる空気の動きの差を、操縦者の手足に伝えてくれませんし、恐らく捻り込みを再現出来るほど、背面を含めたあらゆる飛行状態でGがかかった時、あるいは逆に0Gに近づいた時の、失速速度付近での飛行機の動きや横すべりの影響、その状態でかかるジャイロモーメント等のデータが入っていないと思います。というよりも、加藤氏の著書を読む限りでは、そんなシミュレータは現代の技術では不可能なのではないかとも思えます。
    もし仮にそこまで精密なシミュレータが実現出来たとしても、捻り込みは相手機との関係で行なう技ですから、自機の陰で死角になる部分以外の全方位360度のモニターが必要になるかもしれません ^^;)
    MITTU

  7. >5.
    かぶってしまいました。冷泉の秘芸さんが既に回答済でしたね m(__)m
    MITTU

  8.  おそれいりました。本を探して読んでみます。
    私は、実際に飛行機を飛ばしたこともないし、当然、現代では空中戦なんか体験できるわけはありませんが、旧日本陸海軍機と故坂井三郎ファンであり、せめてCFSで飛行機の操縦と空戦の醍醐味を味わってみたかったので、同じ機動は絶対に出来ないでしょうが、ラバウル航空隊の先任搭乗員坂井兵曹長になりきり、その雰囲気を味わってみます。
    おそれいります


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