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1677 航空戦艦に改装された伊勢型には彗星が搭載される筈だったと思います。
しかし火薬式の射出機で彗星、零戦等を射出するのは簡単なのでしょうか?
閑人

  1. 彗星を射出することを計画した艦は伊勢型だけではなく、伊四〇〇等も当初は彗星の射出を考えています。基本的に海軍機で射出に本質的に不適な機体は無かったのではないかと思います。強度云々が言われますが、零戦を始めとする艦戦には戦艦からのカタパルト射出による運用が構想段階で存在しますし、実際に戦闘機の射出実験も行われ、開発が進められていた母艦用の射出機で射出されるのは何と言っても、飛行甲板上で配列の先頭にいる戦闘機でしょうから、射出に不適ということは無かったと考えて良いでしょう。
    BUN

  2. カタパルトからの発進可能な彗星は強度を強化した二一型、二二型と言われた機体
    であり、一般的な一一型や一二型とは異なる、といわれています。少なくとも”簡
    単”には無理だったのでしょう。
    零戦は空母加賀にて実験して失敗した、と(海兵57期)真木氏が回想しており”
    そのままでは難しいのでは”、と思っています。
    川崎学

  3. 私は射出に適、不適という問題は機体側に限った事ではないと思っています。
    BUN

  4. 加賀からの零戦の実機射出は行われていないように記憶しています。ダミーで実験はしたけれど、そこで終わってしまったのではなかったでしょうか。


  5. 真木氏の記事を読み返しました。
    14年に横須賀のカタパルトから九六戦の射出6回成功、機体に異状無し。
    15年に横須賀のカタパルトから零戦の射出に成功、加賀のカタパルトで射出実験を計画したが、ダミー射出に失敗、実機射出実験は行われず。
    これを読む限り、問題があったのは、零戦ではなく、加賀のカタパルトの方なのでしょう。


  6. ・・・確かにすなおに読むと片さんの言うとおりに読めました。
    零戦の射出実験について懐疑的に見ているのは次の点です。
    真木氏の証言によると、射出実験は成功、としているがいったいどのような実験をやったのが記述がない。
    また、”ダミー”の正体がわかりません。実験前に確認をするのであれば”実機”に人間分のバラストを積んでダミーとするのが適当ではないだろうか。
    実験をおこなうはずだった小福田氏のこの件に関する回想を私が見たことがない(あるのなら是非みたい)。
    学研の伊勢型(題名忘れました)によると公試中?の飛行甲板に乗っているのは九六艦戦では、とのこと。零戦が可能であれば零戦で実験するのではないか?(九六艦戦は射出可能な実績有りということでえらんだのではないか?)
    ということから、零戦はそのままではカタパルトで射出出来なかったのでは?と考えているのです。(加賀のカタパルトの問題は気がつきませんでした)
    また、伊勢、日向に搭載予定であった634空は19年6月の時点で彗星より九九艦爆の方が稼働機が多いにも関わらず(彗星5機、九九艦爆10機)、九九艦爆の射出が行われたという話がありません。旧式機とはいえ同じ艦爆です。射出出来るのであれば使用しないのは変。そのままでは射出ができなかったのでは?
    と考えております。
    川崎学

  7. それは実用の為の射出試験であるからでしょう。可動機が多くとも訓練機である九九艦爆を射出する意味はこの時点では無いと思います。また、伊勢からの彗星の射出は確か迎え角を大きく取るなどの特殊な条件があったはずですし、滑走車等の取り付け等、部隊の配備機を改造してまで九九艦爆を射出することは考えられないのではありませんか。

    また、ダミー機は恐らくエンジン無しの還納機を当てたものと思われます。
    BUN

  8. 小福田氏は「指揮官空戦記」の中で射出機試験に従事した事は書いてますね。
    具体的な内容は書いてないですが。
    大塚好古

  9. ご紹介ありがとうございます。「指揮官空戦記」の方でしたか。2冊あって「零戦開発物語」のほうをとってしまった・・・

    さて九九艦爆の件ですが、そのまま使えるのであれば使うだろうと考えるのは、稼働機の数が錬成に大きく関わってくる、と考えるからです。
    (しかし改造が必要であるのなら、わざわざ改造してまで使うべきとは思いません。)

    話を少しかえますが、なぜ「彗星」なのか?という点ですが私が思うにすべて海軍内でなんとかできるせいかな?と思っています。
    設計は「空技廠」
    生産は「第11航空廠」
    無理がきくのではないかと。(根拠はないですよ)
    川崎学

  10. 多分、二一型への改修は愛知生産機を領収後に改造したものではないかと思います。また射出する機種は他の艦から射出する計画もあった天山艦攻であっても技術的には問題無かったでしょうが、敵空母への先制強襲の可能な機体として彗星が選定されたであろうことは、伊勢型の改造の経緯から十分想像できることではないでしょうか。彗星は空技廠が提案していた「敵空母への先制攻撃を目的とする長距離艦爆」に最も近い存在だったと考えられますので、こうした用途には一番に採用されたのでしょう。
    BUN

  11. 素人的な発想かもしれませんが、射出計画があったこととその機が射出可能かどうか
    は別問題ではないか、と思っています。
    それは機体が射出可能であるから射出計画が出来るのか、射出したいから射出計画が
    出来るのか2つの考え方があると思います。私は後者でないか、と思っているのです。
    また、この問題は”やってみないとどんな不都合があるかわからない”点もあるかと
    思います。もちろん、やってみたらうまく行くこともあり得る、つまり出来る可能性
    も否定は出来ない、とも思っています。
    川崎学


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