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1767 すみません、下のQにかさなる質問ですが、

圧縮空気を使用してエンジンを起動する、とは、どのような起動方法なのでしょう? 空気でフライホイールみたいなものをまわしてコンタクトでもするのでしょうか? 下でいただいたお答えに“エンジンコンプレッサーを使う”とありましたが、これはいかなるものなのでしょうか?
また質問が重なりましたが、よろしくご教授ください。
まるき

  1. 本が見つかってよかったですね。

     さて、手持ちの資料を調べましたが、イタリア機のエンジン関係のものが皆無だったので以下、推定によります。
     おおむねおっしゃるとおりだと思います。ただ、各機器についての解説がなかったので、具体的な形状・装備位置・使用法等はわかりませんでした。
     ほぼ同じエンジンのCR42では、コックピットの右コンソールに押しボタン式の「空気式エンジンスターター起動スイッチ」なるものが確認できます。
    セルモーターを使った起動と同じくスイッチひとつで始動できたかもしれませんね。

    OCTPAQ

  2. 飛行機のものは判りませんが、船用の中型エンジンのことを書き込みます。
    私が乗っているフェリーの主機も圧縮空気で始動させます。これは圧縮空気を直接ピストンシリンダーに燃料と入れ、圧縮空気の勢いでエンジンを回し点火するわけです。
    ちなみに圧縮空気はコンプレッサーで作り、気蓄器へ貯めておきます。そして、気蓄器のバルブを開け、始動レバーを上げると点火します。
    少しは参考になればいいのですが・・・・。
    GO

  3.  始動のプロセスはGOさんが述べている通りだと思います。

     航空機用の場合、圧縮空気ボンベから分配機を通じて各シリンダーに空気を送りこむ構造だと思いました。
    tackow

  4. ありがとうございます。
    つまり、どこかコクピットに存在する(この場所がわかるとうれしいのですが…)、Garelli starterのスタートスイッチを入れると、それがスタートして(つまり概念的には一種独立したスターターエンジンですね)エンジンに圧縮空気を送り込んで起動がはじまり、ある程度まわったらコンタクト、して完全に起動、と考えていいんでしょうか。多分さほどトンチンカンなことは言っていないつもりなんですが…
    どうでしょう? 引き続きご意見を!
    まるき

  5. ビル・ガンストン著「 航空機ピストンエンジン」によると
    ガススターターは高圧の濃混合気を仕事行程時のシリンダに順次吹き込んで
    エンジンを回転させ始動する、とあります。
    RAEで誕生して、それをブリストル社が改良、普及させたとなってます。
    とすれば、GOさんのいわれているシステムの方が可能性あると思います。
    ちなみに、高圧の空気は外部から供給します。
    という事は、設備の無い飛行場には降りられない?

    林檎

  6. >5. 自動車で「押しがけ」があるように、レシプロ機ではバッテリーが上がった(あるいは圧搾空気がない)ときは手廻し始動できると思います。ただセスナ機と違って簡単にプロペラが掴めないし、回転するプロペラに撥ねられる危険性も高いのでやりたくないですが。松本零士の漫画で Bf109 のプロペラにロープをかけて手廻し始動する描写がありましたが、実際ああいう事も前線ではやっていたのかも?
    ささき

  7. エンジンは一種の空気ポンプですので,吸気管から空気を吹き込んでやると回転します(逆に軸を強制的に回せば吸気管から空気を吸い込み,排気管から吐き出します)。4ストのピストンエンジンなら吸気管へ圧縮空気を入れれば吸気行程のピストンを押してクランク軸が回転します(ある程度気筒数がないと難しいでしょうが)。クランク軸にとっては,圧縮空気でピストンから回されても,スターターモータで直接回されても同じです。

    ディーゼルエンジン(恐らく燃料噴射式ガソリンエンジンも)ならクランク軸が回れば,ギア駆動される噴射ポンプも回って,膨張行程で噴射・燃焼して始動します。

    ただしキャブレター式ガソリンエンジンの場合,圧縮空気を入れると恐らくキャブレターが機能せず(上流に入れるとベンチュリーが正圧となってガソリンが吸い出されない。下流に入れるとキャブレターが働かない)ガソリンが吸気中に混合されないので
    1.圧縮空気を送り続けてエンジンの回転を上げた後,圧縮空気の供給を止める。
      プロペラなどの慣性で回り続ける間にキャブレターが働き始めてエンジンが始動する。(一種の押し掛け)
    2.外部で作った混合気(始動に使うので濃いめのはず)を圧縮・供給してエンジンを回転。
      エンジンは回転しつつその混合気に点火して始動。
      圧縮混合気の供給を停止すると,キャブレターが働き始め混合気をエンジンへ送る(通常の運転)。

    といったやり方が可能と思います。前者が空気式スターター,後者がガススターターの原理かも知れません。
    またディーゼルでも,吸気管中に揮発性の良い燃料(ガソリンなど)を入れてやれば蒸発して混合気となり,燃料噴射時に燃焼して始動しやすくなります。副室式ディーゼルエンジン(グロープラグのあるタイプ)は冷間始動時に燃料が気化しにくく,この傾向が顕著です。
    isi

  8. >2.外部で作った混合気(始動に使うので濃いめのはず)を圧縮・供給してエンジンを回転。
    航空用ピストンエンジンには「プライマー」と呼ばれる一種の手動ポンプが付いており、キャブレターをバイパスしてマニフォールドへ直接ガソリンを噴射し混合気を作れるようになっています。イグニッション前には2〜3回「プライム」しておくことで混合気濃度を上げ始動しやすくします(特に寒冷時に重要)。紫電改のマニュアルを見ると、プライマーには「注射」という日本語を当てていますね(^_^;)
    噴射式エンジンの場合、始動時には電動ポンプを使って燃料を送り込むはずです。プライマーが付いているかどうかは寡聞にして知りません。
    ささき

  9. G.50と同じエンジンを積んだC.200だと、エンジン始動用電源ソケットのハッチがありますので、外部電源(電源車?)を用いて始動用のコンプレッサーを動かすと思われます。
    また、オイルフィルターコックのハッチ上にエンジン始動手順に関する注意書きが刻印されています。残念なことに私はイタリア語が読めないので内容までは分かりません。
    以上の事項は大日本絵画刊エアロ・ディテール15マッキC.200/202/205に載っております。また、この本にはフィアットA74 RC38エンジンのクリアーな写真が載っています。スターターの装備位置は分かりませんでした。
    ただ、胴体内部のイラスト(76ページ)中にゼニス過給器(Zenith)とあったのでこれかな?とも思ったのですが、過給器(supercharger)の記載があったので、誤植でもない限り断定はできません。
    ・・・イタリア語が読めたらなあ。
    OCTPAQ


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