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1854 すみません、教えてください。
レシプロエンジン、ターボプロップエンジン、ジェット、ロケット、太陽電池+モーターと、
航空機に使われたエンジンはいくつかありますが、
大きく分けて全部で何種類あるのでしょうか?
実用化された順番に並べるとどうなりますでしょうか?
(原子力は実用化しなかったんですよね?)

なまず

  1. 「実用化」という言葉の定義が難しいですし(Me163 みたいに実用性が殆ど無いのに実用化してしまった例もありますし)、ミサイルや人工衛星を「航空機」に分類するかどうかでも微妙に変わってきますが、
    ・1910 年頃 レシプロ
    ・1940 年頃 ターボジェット
    ・1940 年頃 ロケット
    ・1950 年頃 ターボプロップ
    ・1960 年頃 ターボファン
    という年表になるのではないかと思います。
    ささき

  2.  マイナーなエンジンについて幾つか補足。

     前後往復するピストン的な機構を用いて断続的な圧縮・燃焼を行う「パルスジェット」というエンジンがあり、ドイツの V-1 に使われたことで有名です。しかし V-1 以外に使われた例を知りません。パルスジェットは構造が簡単で粗悪な燃料でも稼動しますが、物凄く燃費が悪いうえ激しい振動を伴うという欠点があります。

     タービンを用いないジェットエンジン「ラムジェット」というのも早くから研究されています。ラムジェットは原理的に燃料噴射器のついた筒で、この筒を高速(遷音速以上の速度)で前進させる事により空気圧縮を起こして燃焼させるものです。逆に言えば低速時にはただ燃料を垂れ流す筒になってしまうわけで、すなわちラムジェット機は離着陸に深刻な問題を抱えることになります。
     着陸を考えない使い捨て機なら応用もあるわけで、例えば米軍の IM-99 ボマーク長距離対空ミサイルが火薬ロケットによる射出・ラムジェットによる巡航でしたが、有人機に実用化された例は知りません(フランスが研究していましたが)。ヘリコプターのローター翼端にラムジェットを付けて回転駆動するジェット・ローターはアメリカのヒラー社が 1950 年代に研究していましたが、結局成功しなかったようです。
     なおロッキード SR-71 のエンジンは超音速飛行時にコンプレッサーをバイパスして直接燃焼室に空気を送り込む「ターボラムエンジン」という構造を持っていますが、果たしてこれを持って「ラムジェットの実用化」と言えるかどうか?は疑問です。
    ささき

  3. 詳しい解説、ありがとうございます。
    「実用化」については、図面の上でなく、実際に実物をつくって実験してみた、
    というところで考えておりました。
    なまず

  4. その、マイナーなエンジン(推進装置)がどれくらい種類があるのか、
    興味があったもので…
    なまず

  5. >実際に実物をつくって実験してみた
    原子力ジェットは飛行しています。

    どんべ

  6. >実際に実物をつくって実験してみた変な航空動力
    フランスのファーブル(昆虫記のアンリ・ファーブルとは別人)が大規模な公開実験を行って盛大に失敗した蒸気機関の飛行機がありましたね。

    >5
    NB−36のことでしたら、あれは通常動力のB−36の爆弾倉を改造し原子炉を積んで飛ばしてみた、というだけだったと思いますが。
    ささき

  7.  ちゃちゃですが、「人力」をお忘れです。
    epitaph

  8.  あとはディーゼル・エンジンかな?
    第二次大戦頃には飛んでいたが、「実用化」はもっと前でしょう(ちゃんと調べろよ>自分)。
    ターボコンパウンドは、厳密にはサイクルの違いにはならないでしょうね。
    便利少尉

  9. ラムジェットの仲間で、「スクラムジェット」っていうのもあります。
    ラムジェットよりさらに速い速度(M5以上の極音速)での運用を考えている物です。試作されたのでしょうか・・・。
    taka

  10. エンジンジェットとか。
    あとターボシャフトは?ヘリコプターも航空機です。
    Jabo

  11. >9
     Screamjet、X-15A-2でテストされていますね。
    ただし実際には燃焼しないどんがらだけのエンジンだったようですが。
    http://users.dbscorp.net/jmustain/x15.htm
     ちかくNASAがX-43無人実験機でスクラムジェットのテストを行うようです。
    http://www.dfrc.nasa.gov/PAO/X-Press/1998/Dec30/x43.html
    便利少尉

  12. まず最初にどなたかが書くかと思ったんですが、書いてないので・・・。
    「大きく分けて」という言葉がすごく曖昧なのではないでしょうか?ターボプロップとジェット(ターボジェットのことですよね?)を分けて書いてある以上「ターボシャフト」も分けないといけないでしょうし、レシプロエンジンと書いてあると言うことはヴァンケル型に代表されるロータリーエンジンを分ける必要があるということですよね。私の概念では、これは「細かく分ける」ことになるんですけど、どうでしょう?
    それから「人力」ってのもりっぱに航空機の動力と言えると思います。実用化という概念が当てはまるかどうかはわかりませんが。
    胃袋3分の1

  13. >12
    胃袋3分の1さん、どうも、ご指摘ありがとうございます。
    「大きく分けて」と書いたのは、資料コーナーにあるような、「メーカーや型番まで細かくなくてもいいです」という意味でした。それらのエンジンがどんな年代順に実際に航空機にとり入れられていったのか?と興味を持ったのです。

    なまず

  14. あと、飛行機名から搭載エンジンの種類を調べるのは容易ですが、
    エンジンの発展と、それらのエンジンが導入された最初の飛行機は?(人力飛行も含めて)となると、良い資料がみつからなかったもので……そういうこと気になりますよね?

    なまず

  15. >14. 本当に気になるのでしたら人に聞くより自分で調べたほうが楽しいですよ。コラムにまとめて「真実一路」に発表してみませんか?嫌味じゃなくそう思います。
    ささき

  16. 広義では気球や飛行船も「航空機」に入るのではないでしょうか?

    風力もちゃんとした動力のような気がします。
    さらに大気圏外においても太陽風を使ってすこしずつ地球重力圏や太陽系外へ推されて逝くばあいでも「太陽風」や「イオン流」「光子力」などは動力になりませんか?
    Navy

  17. 光子力は NASA で真面目に研究してますね。飛翔体下面を反射鏡にして地上から大出力のパルスレーザーを照射し打ち上げるようです。ディスカバリー・チャネルで見た映像(核爆弾ロケット「オリオン」の後日談として)では数キログラム?の飛翔体を地上数十メートルに打ち上げることに成功していました。
    ささき

  18. >17
     あれはレーザーで熱エネルギーをロケットに伝えているので、
    光の圧力で飛んでいるのとは違うのでは?
     それから良く混同する人がいますが、ソーラーセイル(太陽帆船)は光の圧力で推進されるので、
    太陽風(荷電粒子の流れ)に押されているわけではありません。

    便利少尉

  19. >16「イオン流」
    たぶん、プラズマの流れをさしてると思いますが、宇宙用推進機としては
    実用化されてます。「電気推進機」「プラズマ推進機」「電気ロケット」と
    呼ばれる類のものは、だいたい、これと思って間違いないでしょう。
    ただし空気中ではまったく使いものになりません。用途は衛星の軌道変換や
    惑星間航行など。燃費がめちゃくちゃ良い(化学ロケットの3倍から数十倍)
    のが利点。
    >17
    その通りです。レーザーで推進剤を過熱してるだけです。これも電気推進の
    一種ですね。似たようなもので太陽熱推進ってのもあります。レーザーの代
    わりに太陽熱を使うわけです。
    taka

  20. ここで、教えていただいたことをまとめますと、こうなりますか?
    自分でも調べてはいますが、専門に勉強したわけではありませんので、
    抜けがあったり用語を間違って認識してたりということはあると思います。
    詳しい方に添削いただければありがたいと思いますが…


    ・?    風力(気球?)
    ・?    蒸気機関(失敗?)
    ・1910 年頃 レシプロ(ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン)
    ・1940 年頃 ターボジェット
    ・1940 年頃 ロケット
    ・1950 年頃 ターボプロップ
    ・1960 年頃 ターボファン
    ・?    ラムジェット
    ・? スクラムジェット
    ・? エンジンジェット
    ・? ターボシャフト
    ・? ヴァンケル型ロータリーエンジン
    ・? 人力
    ・? 電気モーター(バッテリー、太陽電池)
    ・? イオン流(電気推進機、プラズマ推進機、電気ロケット、太陽風、光子力)

    なまず

  21. >・1910 年頃 レシプロ(ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン)
     ガソリン・エンジン(オットー・サイクル)とディーゼル・エンジン(ディーゼル・サイクル)とは作動サイクルが違いますので、別々にしたほうがよろしいかと考えます。

    >・? イオン流(電気推進機、プラズマ推進機、電気ロケット、太陽風、光子力)
     これはちょっと概念的に分かれていませんねえ。
     プラズマ・ロケットとイオン・ロケットは別のものだし、どちらも電気ロケットには違いないし、大きな意味ではロケット推進の一種だし。
    それから上にも書きましたが、太陽風推進というものはありません。太陽光帆船(ソーラーセール)は近く実験されるそうですが。
    光子力ってのは、いわゆる光子ロケットかな?


    便利少尉

  22. イオン流…のあたりまでくると、分類のしかたがさっぱりわかりませんでした…
    なまず

  23. 電気推進というのは、イオンエンジン・レジストジェット(EHTとも言う)・DCアークジェット・MPD・ホールスラスターの総称です。

    いずれも高速のガスを噴出して推進力にしていますが、そのガスに電気エネルギーを与えて推進力を増しています。その電気エネルギーの与え方が異なっています。
    イオンエンジン  →静電加速
    EHT      →ジュール熱による空力加熱
    DCアークジェット→直流アーク放電による空力加熱
    MPD      →電磁加速
    ホールスラスター →ホール効果による加速
    です。
    エネルギーの与え方る方法が異なっている点がポイントです。(性能もだいぶ異なります。)

    それから、現在までに研究・試作・量産化されたエンジンの出力形態で分類すれば、ピストンエンジンとロケットエンジンの2種類だけになります。
    (ロケットという言葉は、最初の頃は、現代のロケットとジェットの両方の総称でした。でも1944年頃から、ロケットとジェットと区別するようになっています。)
    ピストンエンジンの出力は軸出力(シャフトの回転)
    ロケット(ジェットを含む)の出力は、噴出ガスの運動量
    です。

    エンジンの内部構造やサイクル・燃料から分類すると、大勢の方が上の方に書いたようにいろんなエンジンがあることになります。

    それから、マイナーな航空用エンジンはまだまだ色んなのがありますよ。
    例えば、フリーピストンエンジン・フリーピストンガスタービン・ベスラーエンジン・ダクテッドファン・アフトファン・ATP・ATR・GTPR・ルネローランの往復動式ジェットエンジン・PDRE・ダクテッドロケット・・・・・
    調べれば、もっとあると思います。

    それから、ささきさんの書いたラムジェットとパルスジェットですが、
    日本では昭和29年にヘリコプターのローター翼端にラムジェットを付けて回転駆動するジェット・ローターの試運転に成功しています。
    そして、パルスジェットは戦後、模型飛行機用のエンジンとして売れまくっていた時期があります。

    ろく

  24. ・原子力航空機は、原子炉を積んで遮蔽材のテストをしたまでですよね。サンダーバードに出てくるファイアフラッシュ号は、遮蔽材の有効時間が限られて早く着陸しないと人命が、という設定だった。
    ・蒸気機関は、飛行船の推進力なら1890年頃にありですね。
    ・レシプロの一種ですが、クランクシャフトは回らずに、ピストン/シリンダー群が回る星形がありました。1910年頃。これの存在を知ったときは地動説天動説くらいの衝撃でした。
    ・パルスジェットは、人間を乗せて飛び上がってないので×。(V-1の有人型はあったのかな?)
    Morioka


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