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1859 フィクションネタにて失礼します。ハセガワのVFー1バルキリー作っていて思い出したのですが、アニメ放映当時、あの飛行機は飛ぶのかという議論があったと聞きました。いかなる媒体で、どのような議論だったのでしょうか。また実際にあの機体を飛ばすとして(変形とかは無しにして)、どんな問題があるでしょうか。
バトゥ

  1.  少し回答に窮してしまいますが・・・
     まず、いかなる媒体でどのような議論があったかは知りません。飛ぶか飛ばないかと聞かれれば、「飛ばない」の一言です。
     そもそも前提となる科学技術が「超科学」です。あれってたしか、核融合エンジンでしたよね?しかもベクタースラスター装備(光ファイバー加熱?だったかな)、大気圏突入ができ、宇宙空間と大気圏内で両用可能、ぐりぐり変形して・・・これくらいにしときます。とにかくそんな物、どうやって「実際に」飛ぶかどうかと議論すればよいのですか?
     私見を言わせてもらえば、あのアニメは・・・いや、やめときます。とにかく、アニメはアニメ、架空のお話とわりきりましょう。
    epitaph

  2. 口足らずでどうも申し訳ありませんでした。考えていたのは(超技術云々は承知しています)、既存(か、射程内にある)技術を使い、あの形だけを模して、大気圏内を飛べるのか、ということだったのです。さらにボケてしまうかも知れませんが。
    バトゥ

  3. その「議論」というのは知りませんが、おそらく「Vテール+可変後退翼」という構成で飛行可能かどうかという点が論点だったのではないでしょうか。今日の(チキューの)技術レベルでもフライバイワイヤを使えば相当ヘンテコな操舵系の物体を飛ばすことが可能ですが、後退角変化に伴うトリム調整をオール・フライングのVテールで行うのは感心しませんね。また劇中に登場するカタチのままのVF−1はテールボリュームが不足気味に思います。翼を後退モードに固定すればデルタ翼もどき(というか F-117 的な空力配置)で釣り合うかも知れませんが。
    ささき

  4.  「ファイター・バルキリー『型』ヒコーキ」が飛ぶかどうか、という論争は確かにありましたが、模型雑誌や航空雑誌で展開されていたような記憶はないので、たぶんアニメ誌起源でしょう(※1)。
     最近になってデザイナーの河森正治氏が模型雑誌等で回想(※2)しているところによると、論点は「水平尾翼がない」というところにあったようです。しかし、モノを見ていただければ分かるように、あのヒコーキの尾翼には面積の水平成分(※3)がありますし、足首として使えるほどグリグリ動くノズルでいくらでも尾翼の代替ができるので、こんな論点を持ち出した人間の思考はいまだに理解できません(※4)。
     むしろ「尾翼の高さが低いけど高迎角時の機動性能は大丈夫か」「主脚があんなに後についていて引き起こせるのか」「左右の着艦フックが同時にケーブルを捉えられなかったらすごいことになる」といった点の方が気になるのですが。

    ※1)アニメ誌及びその読者一般への評価については他の方に譲ります。
    ※2)当時、「バルキリー飛ばない」論者から「罵倒に近い中傷」を受けたらしく、
      冷静に回想するには10年以上の時間を置く必要があったらしい。
    ※3)要するにV尾翼。水平・垂直の操縦をミキシングする機構が若干面倒臭い
      が、特に変わったものではないことは周知のとおり。
    ※4)私がアニメ誌上展開説をとる理由のひとつ。
    Schump

  5. >3
    >劇中に登場するカタチのままのVF−1はテールボリュームが不足気味

     これは「変形の都合」のようです。VF-1の尾翼はバトロイド時には折りたたまれて背中に来るようになっていますが、設定画どおりの大きさだと頭の後ろに大きくはみだして「エリザベス(一世)女王の肖像画状態」になってしまうので、アニメではファイター状態から尾翼を小さくして、「尾翼を縮小しながら変形」を露骨にやるのを避けたようです。
     このため、放映当時に出ていたバンダイの「ハイコンプリートモデル」や、最近の模型雑誌に出ている「ハセガワキット改造バトロイド」では尾翼が頭の後ろに堂々と広がっています。
     まあ、それでも少々小さいとは思いますが。
    Schump

  6.  20年ぐらい前ですが、確か「Air Force」や「Air War」を扱っていた同人誌に掲載されて
    ましたよ。VF-1の元ネタと思えるF-14と比較して、水平尾翼が小さすぎるとか空気抵抗が
    大きそうだとか色々書いてあった記憶があります。
    大塚好古

  7. 佐貫亦男氏の著書に「要するに飛行機は抵抗を減らすことが至上命題で、間違っても脚を引っ込める機構的な便宜のために外形を定めてはならない」という言葉があります(「続々飛べヒコーキ」ブルースター F2A を評して)。まぁ、世の中には離着陸について無頓着過ぎて殺人機になってしまった迷機もありますが、基本はそういう事だと思うのです(その VF-1 が空戦専用に作られたゼントラーディの空戦ポッドに圧勝しちまうのは…まぁ、フィクションですからね)。
    ささき

  8. >2.ああ、そういう意図だったのですか。本意もわからず少々過剰に反応してしまいました。失礼しました。
    epitaph

  9.  そのころスタジオぬえにちょくちょく顔を出して、「マクロス」がまだ仮題メ○○ードのころからつぶさに成立過程を見ていた者から一言。
     当時すでに推力変向によるピッチ制御の考え方は存在し、かつバルキリーをデザインした河森正治君も、手伝った宮武一貴さんも、そのことを知っていました。
    当然CCV+FBW+TVCで行けると言う確信を持ってデザインしたと証言いたします。
    もちろんここで行けるというのは、そういう嘘を付ける、と言う意味で、現実にそのような機体が成立するかどうかとはまったく別問題です。
     それからこの話題とは無関係ですが、バルキリーの原型はF−14と言うのが定説のようになっていますが、機首のラインはむしろF−111ですね。
    これも偶然の一致ではなく、意図的にF−111から頂いてきたはずです。


    便利少尉

  10. VF シリーズは核融合炉で熱を発生させ、その熱で推進剤(大気圏内では空気を使える)を加熱膨張させ、後方へ噴射することで推進力を得る、という推進システムなはずです。なので、「推進剤さえ与えてやれるなら宇宙でも飛べる」ということになってます。
    ただし、サイズが人型時(の身長)を基準として決定されているため、現用機に比べてさえコンパクトな機体であり、そのことが宇宙空間での運用時間の減少につながり、映画版のスーパーバルキリー構想へと繋がります(笑)
    実際に飛ぶかどうかですが、推力があり余っていればげたでも飛べますから(爆)、空力学的には無理でも強引に飛ぶことは飛ぶんじゃないでしょうか。戦闘機というより翼の付いたロケットみたいですが……
    tac

  11. 確かT何とかいう同人誌に,水平尾翼のない飛行機が飛ぶわけがない,という
    内容でたたかれていたのを覚えています。この件に関してアニメック誌上やゼ
    ネプロから発売されていたMAT発行の同人誌で反論が行われていたのが質問
    に該当する「議論」でしょうか。

    R

  12. (ゴミ)プラモで風洞実験すれば……
    石垣

  13.  水平尾翼が無いと言えば、ノースロップのYF-23にも水平尾翼がありませんよね(垂直尾翼が無いとも言えるが…)。でも立派に飛んでいます。
     そういや、F-22の採用が決まる前に河森君と話した際に(彼の結婚式であったか)、
    しきりにYF-23はカッコイーと強調していたが、水平尾翼に恨みでもあるのか?(冗談です)。

    便利少尉

  14. <10 VF−1の推力重量比は優に1.5を超え、推力重量比が1.0を幾らか上回る程度のF15やF16に比べ、相当コンパクトで強力なエンジンを搭載していることになっていたから、多少、空力抵抗が大きくても十分飛べるのでは。
    本題とは少しずれるかもしれないが、ガウォーク形態で垂直離着陸するとき、姿勢制御をどうやって維持しているのだろう?機首などに姿勢制御用のノズルがあるようではないから、小型の反重力発生装置(マクロスに装備されているものの超小型版?)で制御しているのだろうか・・。
    アリエフ

  15. 某ステルス機を製作したメーカーの人が「ベッド(の形状)だって飛ばせる」って言ってますから形状的には問題ないでしょうね。現に飛んでるステルス機に比べればだいぶマシです。

    確か1999年にマクロスが落ちてくるんでしたよね。あっ!もう過ぎてる(笑)

    ゆゆゆ

  16. アリエフさんや tac さんのように「バルキリーが飛ぶならこういう工夫があるはず」とか
    知的遊戯を楽しむのはいいけれど、「こんなカタチのものが飛ぶはずがない」なんて
    ムキになるのは大人げないですね。
    さあ、次はジオン軍の大気圏内戦闘機「ドップ」を検証してみましょう(嘘)。
    …って、検索サイト当たったらそういうお遊びしてる人がいましたね。
    http://www5.room.ne.jp/~sphzion/koushou.htm
    ささき

  17. >ドップ
    http://home.att.net/~dannysoar/Colani.htm
    …こんなものが。例によってあの男ですが。

    Schump

  18. >14
    映画版で着陸状態のファイターの前部胴体(コクピット下あたり?)から噴射を行って浮き上がった上でガウォークに変形するシーンがあったと思いましたが。(敵艦からの脱出の辺り)
    けい

  19. 宇宙空間で姿勢制御を行う必要から、機体各所にスラスターがあるはずです。ヨー制御ならメインノズルのジンバル制御でどうにかなるかも知れませんけど。
    TV などではんなとこまで描いてたら大変だから省略している or 見えないガス(笑)なんでしょう。
    #映画版クラッシャージョウでは、大気圏内でもスラスター噴射をしているシーンをきちんと描いてましたが……
    tac

  20. 宇宙空間で可変翼を動かすと、ヨー制御が出来るかも?
    (N)

  21. ↑ならば、モビルスーツの脚は飾りじゃないかも。

    どんべ

  22. ↑慣性モーメントでかそー(^^;
    jas1

  23. >19〜22 宇宙空間での姿勢制御にフライホイール状の物を回転させるものは実在します。たしかNASAの宇宙飛行士用だったと思いますが、両手に持って作動させることで向きを変える装置があります。またハッブル宇宙望遠鏡にも3軸周りにそれぞれ小さなフライホイールが内蔵されてあり、姿勢制御に使われています。この装置は推進剤を必要とせず、簡単な装置で電源さえあれば作動するという利点があります。たしかガンダムのモビルスーツの手足もおっしゃる通りの設定だったはずです。
     回すものは別にフライホイールでなくてもよく、原理的には宇宙船内で人間が「よいしょ、よいしょ」と動き回っても同様の効果があります。
    epitaph

  24. つまり、はつかねずみの回し車のようなもんです。
    epitaph

  25. 何度もすいません、はつかねずみの回し車は重力が関係してるのでかなり違いますね。「イメージしたらそんな感じ」という意味です。
    epitaph

  26. モビルスーツが人型をしている理由に、そういうのをこじつけたファンの人がいたんですね。
    フライホイールによる姿勢制御と言うと、ハッブル望遠鏡などもありますね。
    (N)

  27. >26
     そのこじつけたファンの人達と言うのが、ほかならぬ河森正治君らがまだアマチュア(セミプロ?)時代にやっていたサークル、
    「ガンサイト」だったはず。あくまでもこじつけで、当初の設定ではありませんでした。
    「足なんかいらないんですよ。偉いさんにはそれが分からないんです」
    便利少尉

  28. たくさんの御回答有難う御座いました。伝え聞いていた事情とも一致します。しかし「よく出来たウソ」というのは面白いものですね。これが「見分けのつかないウソ」になると、さらに多くの人がだまされるわけですが(○想ノートのように)。
    バトゥ


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