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次世代長距離AAMはラムジェット併用の形式を採っておりますが、これまでのフェニックス等のAAMには何故、この方式は用いられなかったのですか。既にSAMではSA-6で実用化されているのに。技術的な問題点でもあるのでしょうか。例えば急激な旋回運動でサージングみたいな現象が…? 越谷 |
- SA-6が急降下による回避について来られない。と言うような話がありましたから、そう言うことも有るのかもしれません。
まあ、SA-6のラムジェットは高性能な固体ロケットが得られなかった故の苦肉の策のように思えますが。
(N)
- すでにご質問の中に答えがあるのではないでしょうか?
つまりロケットモータの方がはるかに性能が良いけれど、長距離を狙うとなると
エアブリージングにしないと届かないと言うのが本当では?
急旋回時のディストーションはインテークの要素試験でさんざんやりますから
問題になるほどの旋回はしないという事で逃げられるはずです。
Square
- 回答いただき感謝いたします。皆さんのご意見、参考にいたします。
越谷
- まず、御質問の最後で懸念されている「機動時にラムジェットが作動不良にな
る」ことへの回答です。
対空ミサイルの場合、終末時(命中直前)には何十Gという機動を行います。
そのエネルギー損失(速度低下)は凄まじいもので、ラムジェット(エアブリー
ジングエンジンの推力は小さい)が燃えていようが燃えていまいが、関係ありま
せん。
では、本題の何故AAMに用いられなかったか?ですが、単に採用する旨みが
ないからです。よっぽどの長射程(何百km)であれば、エアブリージングを使
わないと届かない、ということになります。(AAMではないですが、ロシ
アの巨大対艦ミサイル群がいい例ですね。)
しかし、射程100km程度の場合、無理にラムジェットをミサイルという小
さいものに押し込んでも、かさばるばかりであまり飛しょう性能の向上は望めま
せん。ラムジェットを積むということはそれだけロケットモータの推薬量が減る
ということであり、これは、地対空、空対空に関わらず、対空戦闘で重要なダッ
シュ力が減ってしまいます。
次世代長射程AAMの件ですが、恐らくは、他に開発することもないので、昔のネタを引っ張り出して開発費を取っているのでしょう。
ラムジェットは1960年代が一番盛んに使われていました。その後は対空ミ
サイルの分野では、固体のロケットモータがミサイルの推進装置の主力となって
います。
くわしま