QQCCMMVVGGTT
2192 「日本機で高度1万メートルで編隊飛行が出来たのは、飛燕くらいだった」と聞いたんですが、なぜ飛燕に出来て他の飛行機には困難だったのですか?
飛燕にもターボはなかったのだし、液冷エンジンだった以外は特に違いはなかったように思いますけど。

キリン

  1.  機械式過給器の場合、エンジン回転数をギヤで増速して翼車(空気圧縮に用いる)を回します。最適な増速比は気圧(=高度)によって異なり、多くのエンジンでは低/高の二段階切換えなっています(これを「二速過給器」と呼びます)。
     しかし DB601 系エンジンに使われている過給器はギヤではなく流体変速機(フルカン継手)によって増速されており、無段階の変速が可能でした。これによって中高度での効率を犠牲にすることなく、高々度でも目一杯の過給をかけられたようです。
     ちなみに同じ液冷でもロールスロイス・マーリンはギヤ式の二速切り替えですが、同軸上に大小二個の翼車があって二段階の圧縮を行う「二段二速過給器」を使うことで高々度での過給効率を実現していました。
    ささき

  2. 身も蓋も無い話ですが、日本側の回想にある「高度一万」はまず、本当に高度一万だったかどうかを疑わなければならない場合が多くあります。
    防空戦隊が「一戦」と「三戦一型」「三戦二型」の比較を述べた文書がありますが、どうもアンダーパワーで上昇力の無い「三戦」は評判が悪いようです。
    BUN

  3. 三式戦の主翼は高々度で有利な高アスペクト比だったからでは。翼面荷重の高い二式単戦は高々度性能が悪く、高度7500m以上での戦闘は困難だったそうですし、主翼面積の広い一式戦は速度は出ないものの、高々度での安定性は優れていたそうです。
    NX


Back