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2257 旧ソヴィエトの大型輸送機Il-76を機体下方から撮影した写真を見ていてふと思ったのですが、両翼に装備されたエンジン同士の間隔が妙に近いように思われます。軍用輸送機という性格から考えてエンジンの間隔はなるべく広いほうが生残性が高いように思うのですが、何故でしょうか。そう思ってみてみると、An-224などもB.747やC-5よりエンジンの取り付け一が内側にあるようです。ソヴィエト製のエンジンは重いのであまり翼端近くに吊れなかったのだろうか、などいろいろ考えてみたのですが、今ひとつ納得いきません。どなたか理由をご存知の方、ご教授ください

  1. 双発機設計のキモは片発停止時の操縦性確保、とりわけ着陸復行時にフルパワーをかけて上昇できるかどうかにあります。エンジンの推力線が離れていると、片発停止時の推力偏差を補正するために大きな尾翼を付ける必要がありますが、これは重量と巡航抵抗を増すことにもなります。一般にエンジン間隔は近づけた方が空気抵抗や重量軽減の観点から有利ですが、旅客機の場合客室にエンジンが近すぎると機内騒音が大きくなる欠点もあります。双発機のエンジン間隔はこのような相反する要素に対し、何らかの設計哲学で妥協点を見出して設計されています。
    ささき

  2. 質問者です。ご回答の趣旨は理解いたしましたが、Il-76,An-124(224と書いたのは間違いです。失礼)ともに双発ではなく4発機ですよね。となるとお答えいただいたような問題点は双発に比べていくらか減少するように思えるのですが。また、西側の同クラスの4発機(C−141)はもっとエンジン間隔が広くとられています。この違いは何なのでしょう。やはり設計思想の違いなのでしょうか。
    それから、旅客機は騒音対策としてエンジンを放して装備する、というのは初耳でした。大変勉強になりました。


  3. >となるとお答えいただいたような問題点は双発に比べていくらか減少するように思えるのですが。

    そんな事は無いでしょう、主翼にぶら下がるエンジンが両側(しかも外側)に一個づつ増える訳でしょ?後は考えればわかるかと思いますが。
    ooi

  4. >2. 現代の航空エンジンは非常に高い信頼性を持ってはいますが、それでも片側二基停止という事態も想定して設計していると思います。
    エンジン間隔の違いについてはなにか機構上の理由もあるのかもしれませんが、詳しくないので何とも言えません。
    ささき

  5. >追記
     機体の中心線から推力軸線が離れる程そのポイントにかかる力が大きくなると言うのは(ちょっと私も誤解しとるかも知れんけど)ご理解頂けるでしょうか。
     より外側にエンジンを置くというのは、機体の中心線からエンジンを装備しているところまでの長さとそのエンジンの推力(出力)を掛けた分の力が機体にかかると言う事です、そこの辺り、いろんな要素と考え合わせて(妥協して)エンジンの位置を計算して決めているはずです。
     そこの辺りは私もアントノフやイリューシン設計局の設計哲学を知っている訳じゃないので間隔を決めた明確な理由をわかりませんからなんとも言いませんが。

    (ちなみに、C−1のエンジン取り付け位置はSTOL性を優先したためだそうです。閑話休題)

     理想を言えば確かに間隔を広げた方がいいでしょう、でも生存性のみを優先して機体を設計する訳ではない(その他にも考えなあかん事がある)訳ですから、どれもが同じ様な位置にエンジンを装備する訳ではないと言う事は、おわかりいただけるかと思います。
    ooi

  6. 皆様ありがとうございました。たしかに、片側両方とも停止してしまったらかなりキツそうですね。しかもロシア(というかソヴィエト)製エンジンの信頼性が西側より高いとは思えませんから(整備なんかも含めて)、設計局もそこらへんを天秤にかけていたのかもしれませんね。


  7. 信頼性云々はおいておくとして(私は悪いとは思えません)
    ソ連の場合は野戦飛行場のような整備状態の悪い飛行場や規模の小さい飛行場での運用も多いので
    操縦性や運動性に対する要求も西側の同級機よりも高いのかもしれないとか思いますがどうでしょう?

    SUDO


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