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2261 ベルP-39の37mmモーターキャノンの命中率はどれくらいだったのでしょう。日本パイロットの書かれた空戦記など読んでいますと、米軍の50口径M2機関銃については良く出てきますが、P-39の37mmを脅威と感じた旨の記述をみたことがありません。爆撃機などには相当な威力を持っていそうですが、日独の爆撃機乗りの受け止め方など、どんなものがあったのでしょうか?
茶鱈

  1. これは撃った側でも人によってだいぶ感想が異なりますが、低初速・低発射速度のハンディは大きく、対空射撃に使って成功したという話はほとんどないようです。

    Frank Lajudice ベル社テストパイロット
    「37mm はいい機銃だったが、対地対戦車用の火器だ。初速と発射速度が低いので対空戦闘には不向きだったが、ロシア人には好評だった。イギリス人は 20mm を好んだ(P-400 のこと)」

    William A.Shomo 陸軍中佐 ガダルカナルで対地攻撃に従事
    「弾は虹みたいな弾道を描いて落ちた。なるべく低速で、ギリギリまで接近して撃つのがコツだ。癖さえ掴めば樽にぶち込むことだって出来る。威力があっていい機銃だった。」

    Paul Bechtel 大佐 ニューギニアで「零戦」二機を撃墜
    「空戦中に機関砲は一度も撃ってない。撃ったのは .30 と .50 だけだ。二機めも同じ方法で落とした。」

    Charles Falletta 大佐 ニューギニアで日本機6機を撃墜
    「37mm は使い物にならん。離陸後の試射で一発出ればいい方だ。空戦中に3、4回射撃のチャンスがあったが、ジャムって一発も出なかった。」

    Chuck Yeager 将軍 言わずと知れた音速の男
    「ワイオミングの空対地射撃演習場で沢山撃った。弾道は派手に曲がったがよい機銃だった。前線でジャムが多発したとは聞いているが、私は経験していない。マニュアルか整備が行き届いていなかったのではないか。」

    以上 Aircraft Advantage P-39(Rick Mitchell)の巻末インタビューからの抜粋。
    ささき

  2. ささきさん、さっそくのご回答ありがとうございました。それにしても、派手に弾道が曲る「いい機銃」って何なのでしょうね。
    茶鱈

  3. >2
    アメリカ人のグッドは話半分というか、単なる枕言葉と見ておいても良いかと(笑)
    SUDO

  4. 今日の話題社「艦隊航空隊」P23〜24
    “P39はベルとも称し、プロペラの中央に三七ミリ銃が出ている。
    それがパッパッと光った。光ったと思った瞬間、零戦は跡形もなく
    散っていた”
    第一航空戦隊・瑞鶴戦闘機隊元海軍少尉 斉藤三郎の記述

    KI-100

  5. 斉藤三郎氏の「氏」が抜けておりました。失礼いたしました。
    KI-100

  6. 実質的なヘビーユーザーたるソ連空軍操縦士の意見と、それを受けて立ったルフトヴァッフェ操縦士の意見を聞いてみたいっすよねえ。
    トップのコジェドーヴはともかく、第2位のレチカロフ(56〜61機)、第3位のポクルイシュキン(53〜59機)は、ほとんどの戦果をP-39で叩き出してますよね。1943年の南方戦区クバニ河橋頭堡を巡る激闘では、ソ連軍はP-40やらスピットファイアMk.Vやらと並べてP-39を投入してますが、実績も操縦士の評判もP-39がいちばんだったといいます。
    まなかじ

  7. >4. スピナーから砲口が突き出しているという事は、イスパノ 20mm 機銃装備の P-400 でしょうね。
    ささき

  8. 内容はわかりませんが、ロシア軍のP−39エースの相手はJu87などの
    攻撃機や爆撃機だったのじゃないのですか?
    ルーデルの回想録にエアラコブラによって多数のJu87が落とされる描写
    が出て来ますが・・・。
    ASUKA

  9.  エアコブラは、東部戦線では大活躍でしたね。ソ連の最高勲章である金星勲章を2回以上授与された空軍パイロットの内、11人がエアコブラのパイロットだとか。
     エアコブラがここまで活躍してると、どうしてもASUKAさんの御指摘のように「爆撃機や攻撃機相手の弱い者イジメだったのでは」と疑ってしまいます。けど、記録を見る限りだと、戦闘機相手に奮戦してます。
     例えば、P-39×25機で編成された第19戦闘航空連隊は、1943年初めから末にかけて、Bf109Eを56機、Bf109Fを43機、Bf109Gを115機、He113を1機、Ju87を7機、He111を1機、Do215を2機、Hs126を5機、その他2機を撃墜してます。これはボクにとっても意外でした。
     ちなみにソ連空軍のパイロットたちは、エアコブラの武装を高く評価してます。特に機首部分に武装が集中してたので、命中率が高くて好評だったようです。下がりがちな弾道についても、一撃離脱式の垂直運動戦法が基本だったので、あまり気にならなかったのではないでしょうか。

    ツカドン

  10. どこまで信頼に足るかわかりませんが、J.Boughter 氏のページに「ロシアの P-39」について簡潔にまとめた一文があります。
    http://home.att.net/~jbaugher1/p39_19.html
    これによると「オリジナルの 37mm は弾道特性が悪い上に信頼性にも問題があり、P-400 に付属した 20mm の方が弾道が 12.7mm に近く好評だった。レンドリースの武器弾薬が消耗したあとは、ソビエト製の UBS 12.7mm および B-20 20mm 機銃に換装された」とあります。
    ささき


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