QQCCMMVVGGTT
2475 雷電の開発物語を読み、飛行機開発の過程で強度試験用の「零号機」を製作することを知りました。そこで、2つの疑問がわきました。
1.太平洋戦争の頃の強度試験とはどんなものだったのか?(どこまで耐えられるか確かめるため破壊するまで力を加える?)
2.もしも破壊されない場合には、零号機は以後の開発過程でどのような役割を果たすのか?
ご存じの方がおられましたら、教えてください。
dk

  1. 零号機は振動試験にもかけられます。これは懸吊した機体の特定箇所(翼端とかプロペラボス、各尾翼など)をモーターで起振して、各部の振幅、振動数などのデータを取り、機体に悪性の振動特性がないか調べます。
    強度試験とは、機体の強度がどの程度の荷重に耐えられるかを調べるものです。機体各部にバラスト(鉛弾の入った袋など)を積み上げて荷重の代わりとし、所定の保安荷重に安全率をかけた以上に耐荷強度があることを確認します。基本的には破壊した荷重数値を測定するものですが、場合によっては破壊に至らずとも安全を確認できればそこでその試験は修了とみなされることもあります。
    「破壊されない場合」があるといっても、残る各部がこのように破壊されている状況ですから、それ以上に機体を使用することは出来ません。最終的には廃機になります。


  2. 強度試験は例えば次のような箇所のそれぞれについて、あるいはさらに細分化して数値を測定します。
    主翼、水平尾翼、垂直尾翼、フラップ、補助翼、胴体、降着装置、拘束鉤、座席装置、案全帯、転覆時保護支柱
    いくつかは破壊されずに残るかも知れませんが、多くの箇所は破壊されるまで荷重をかけられます。したがって、機体全体としては破壊された状態になってしまうわけです。


  3. 「強試機」と呼ぶ場合が多いですね。一機では足りなくなって試作機の後から追加の強試機を製作した機種もあります。
    BUN

  4. 詳しい説明をありがとうございました。たいへん勉強になりました。
    dk

  5. 「強試機」ということもありますし「供試機」ということもありますね。



Back