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2824 飛行機の過給機で1段2速や2段2速とありますけど、どのような風になっているのですか?
車の過給機との違いを教えて下さい。
烈風

  1.  エンジンから回転の形で出力を取り出して羽根車を回すのが、飛行機の一般的な過給器のスタイルです。

     二速とは、この羽根車の回転速度を高低に切り替える機構を持ってるという事です(大概は歯車で行う)
     二段とは、この羽根車を二つ持ってるという事です。

     車でも実際のところ大して変りません。
    http://www7.lunartecs.ne.jp/~analysis/dritech/lesson6/turbo2.html
     これはターボの例ですが、別に過給器を回す動力をどうしているかが違うだけで概念的には同じです。
     二つの過給器を使う事で、過給能力の幅を大きくする事が可能になっているのです。
     車の場合は、大きな過給能力は高回転での高ブーストで馬力となりますが、飛行機のエンジンの場合は回転数を大して変えませんので、高い過給能力は高ブースト乃至より高い高度(薄い大気)での出力保持に活用される事になります。

     一般的に二段二速ですと、二つの過給器を持ち、片方は更に変速機構を持つようですが、使い方は色々と思います。
     以前に過去ログで簡単な説明をしたと思うので、それらも参照して下さい。

    SUDO

  2. ふむふむ。飛行機の過給機は車の排気タービンより遠心式コンプレッサーが主流みたいですねぇ〜。
    2段式は車でで言うツインターボなんですね。
    さんこうになったです。
    烈風

  3. あー、何かすっげえ誤解がありますな。

    過給器は、コンプレッサー部分と駆動動力で分類するのが一般的です。
    ☆駆動動力:機械式・電動式・排気タービン式(そいやプレッシャーウェーブなんてのもあるね)
    ☆コンプレッサー部:リショルム・コンプレッサー、遠心式コンプレッサー、ルーツブロワー等

    自動車で多用される所謂ターボチャージャは、排気タービン駆動で遠心式コンプレッサーを用いた過給器の一種です。
    飛行機の場合は、機械式で遠心式コンプレッサーを用いた過給器が主流で、一部には排気タービン式過給器も存在しました(これは車のターボチャージャと基本的に同じような物です、図体の大きさは全然違いますが)

    てな訳で、用語・分類を混用すると混乱するので注意して下さい。

    SUDO

  4. いわゆる自動車のツインターボと飛行機の2段過給器はちょっと違います。
    ツインターボの多くが並列にタービンが配置されているのに対し、2段過給器は直列です。つまり、一段目が圧縮した空気を同一系路上に配置されてさらに圧縮するのが2段過給器です。
    自動車の場合、ひとつずつのタービンを小型軽量化することにより、重量とフリクションロスを軽減してスロットル開度に対するレスポンスを向上させることも狙ってツインターボ化されています。
    胃袋3分の1

  5. >4
    すみません、質問が二つあります。

    1、
    タービンが直列だとすると航空機エンジンで使われる2段過給のメリットは、
    最大馬力を稼ぐだけって事でしょうか?
    航空機の場合、車のように低回転から高回転まで、その場面に見合ったトルク
    が必要って事はないでしょうから、それでいいのかな?

    2、
    ターボが直列だとすると、1段目と2段目の位置はどうなるのですか?
    キャブorインジェクター前に直列に二個タービンを置くのですか?
    それとも、気化前後にそれぞれタービンがあるのでしょうか?
    どっちにしても、インタークーラーの位置はどうなるのでしょうか?

    以上は、車のエンジン構造しかしらない者からの疑問です。
    evo

  6. >5

    1)
    言い換えると、高回転では沢山の吸気が必要なので二つの過給器を使うのが自動車。
    そして飛行機の場合は、高度で切り替えているのです。
    高高度では空気が薄いので二つの過給器で必要な空気量を確保し、低高度では要らないので一つにしている、そう思っていただければ簡単かと。

    2)
     キャブの位置は過給器の前の場合も後ろの場合もあるようです。
     冷却器は、一段目と二段の間に置かれます(だから、インタークーラー・中間冷却器と呼びます)ちなみに過給器の後ろにつけるとアフタークーラーと呼ぶことになります(自動車では何故かインタークーラーと呼んでますが)

    SUDO

  7. 第二次大戦時のレシプロ戦闘機は恒速プロペラを持っているので、全力運転時はエンジン回転をほぼ一定としプロペラピッチで速度(推力)を加減します。プロペラピッチに応じたエンジン負荷がブースト圧として表現されます。
    ささき

  8.  >5 evo さん
     (1)
     既にもう話が出ていますが タービンを直列にするのは簡単にいうと タービンが1つだと高々度では高ブーストが出なくなるからです
     高度が1万メートル前後になると 空気密度が地上の1/3〜1/5位になり それを例えば車流でいうと+2.0kg/cuにするには9〜15倍に圧縮しなければなりません
     遠心ターボ圧縮機のインペラの直径を大きくして インペラの回転数を増せばよいのですが 圧縮機の図体の大きさや遠心力の問題が出てきて限度があるので 2つの圧縮機を直列に使って2重に圧縮するのです
     因みにこの2段式の場合 高度に応じて1段or2段に切り替えるタイプと この切り替えができないタイプ 両方のタイプのエンジンがあります
     (2)
     >キャブorインジェクター前に直列に二個タービンを置くのですか?
     >それとも、気化前後にそれぞれタービンがあるのでしょうか?
     両方のタイプがあります

     >どっちにしても、インタークーラーの位置はどうなるのでしょうか?
     これにもいくつかタイプがあって
     (1)過給機→冷却器(インタークーラー)→燃料噴射→過給機→シリンダー
     (2)燃料噴射→過給機→過給機→冷却器(アフタークーラー)→シリンダー
     等があります
     燃料を出す箇所も 第2次世界大戦当時では 気化器を使う方法(フロート使用気化器とフロート無し気化器の両方のタイプあり)、過給機のインペラから燃料を噴射する方法、吸気バルブ近くの吸気管やシリンダー内に燃料噴射する方法等がありました
    セミララ

  9. 通りすがりが言うのも何ですがSUDOさんも言われているように用語を正しく使いましょう。コンプレッサーをタービンと呼ぶのは乱暴です。流体からエネルギーを取り出すのがタービン。機械式過給機(スーパーチャージャー)にタービンはありません。
    ティンモッシー

  10.  >9 ティンモッシー さん

     >SUDOさんも言われているように用語を正しく使いましょう。コンプレッサーをタービンと呼ぶのは乱暴です。

     確かにその通りです 申し訳ありません

     流体の流れからエネルギー(回転運動)を取り出すのがタービン、水車、風車などで 回転運動のエネルギーを流体に伝えるのが送風機、ポンプ、圧縮機などということですね
     私は ターボ型軸流式のものを何でもかんでもタービンだと思っていました(昔 ジェットエンジン(軸流式)のコンプレッサー部は圧縮タービン という説明のあった本を見たぞ)
     ということは 軸流ジェットエンジンにはコンプレッサーブレードとタービンブレードの2つの名称の部品があるんですね 今度注意して観てみます

     最後に... 誤った知識を正してくれてありがとうございました
    セミララ

  11. 皆様、便乗質問にいろいろと答えていただき、ありがとうございました。
    短時間に高低の変異があるため、そこを考慮したものだったのですね。
    大変勉強になりました。

    あと、間違った用語の使い方をしてしまい、申し訳ありませんでした。
    evo

  12. ああ申し訳ないです。すっかり誤解を与えるような書き方ですね(^^;;;;;
    胃袋3分の1


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