QQCCMMVVGGTT
2826 yak-3の機体は木金混合だったにもかかわらず、旋回性能が非常に優れていたと聞きました。それはソ連の技術者の空力設計能力が高かったということですか?
また、木材は機体のどの部分に使われていたのですか?
かわの

  1.  Yak-3 は小型軽量な機体(Bf109E より一回り小さく軽い)に高出力エンジン(とは言っても予定の VK-107/1500hp は間に合わず主力生産型は VK-105PF/1210hp だが)を搭載したことが高運動性を生んだと思います。
     ただし、「運動性能(maneuverability)」=「旋回性能」とは限りません。

    http://hep2.physics.arizona.edu/~savin/ram/yak-3family.html

     によると、「Yak-3 は 5000m 以下での運動性に優れ、その操縦性はソビエトにレンドリースされていたスピットファイヤに(失速速度は高いにも関わらず)勝った」という一文があります。この一文だけから戦闘機の操縦特性を類推するのは極めてガサツではありますが、敢えて想像するなら Yak-3 は旋回半径をギリギリと詰めるような巴戦に向いた機材ではなく、むしろ優れた出力/重量比を活かした垂直面での機動や小柄な機体ゆえの速いロールを得意とする機材であったように思えます。
     ソ連の空力設計能力が低かったとは思いません。Yak-3 のデザインは一世代前の LaGG-1 や Yak-7 に比べると明らかに洗練されており、第二次大戦液冷戦闘機としての水準に達しています。しかし、Yak-3 の高性能は「優れた空力設計」から生まれたというより、むしろ思い切った設計コンセプト(パイロットの生存性や居住性を犠牲にし、機体寿命も短く設定し、航続距離も限定した)ことによって得られたものではないかと思います。

    >また、木材は機体のどの部分に使われていたのですか?
     少なくとも主翼は全木製であったようです。後部胴体や尾翼にも木製パーツが多用されていたようです。ただし前述のページによれば後期生産型では木製部品の比率は減ってゆき、最終生産型では全金属製になっていたとされています。
    ささき


Back