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2867 日本陸軍三式戦戦闘機「飛燕」(または海軍急降下爆撃機「彗星」)搭載エンジンであるダイムラーベンツDB601Aは、ドイツから製造権購入時から国産化に危惧する声があり、代わりにユンカ−ス・ユモ211エンジンを推す声もあったそうですが、果たしてもし仮にユンカ−ス・ユモ211エンジンが採用されていたらどうなっていたか? 栄や金星等空冷エンジン並にとはいかなくても、ある程度当時の日本の技術で物にすることができたでしょうか?
黒太子

  1. 和製 DB601 製造上の最大のネックになったのは鍛造クランクシャフトだったと伝えられます。また燃料噴射ポンプは整備上の難物だったようです。クランクシャフトが長く、燃料噴射を採用している点は Jumo211 も同じなので大差はなかったでしょう。ただ、DB601 のローラーベアリング・コンロッドと異なり Jumo211 は通常の滑り軸受けなので、多少はマシになったかもしれません。
    ささき

  2. 多少マシですか?ドイツのエンジンは難しいのか(それを言うならイギリスのマリーンはもっと難しそう)それとも1930年代後半からの液冷エンジンの技術的飛躍にまだ日本が追いつけなかっただけなのでしょうか?
    黒太子

  3. 工作機械が重要なカギとなる気がしています。
    エンジンそのもののの技術より周辺工作機械の開発製造技術が隘路だったと思います。

    DB系列は新しい工作機械(日本には無いかあってもごく少数のみ)を必要としている印象があります。
    対してユモ系列は日本に有る旧来の機械でなんとかなる設計との印象があります。
    このへんの話は佐貫又男氏の一連の著作と鈴木孝氏のエンジンのロマンに詳しい話が載っています。
    中島の試作2千馬力水冷のように自分達の技術レベルを知って設計した物なら何とかなった気もしますが
    ユモであっても誉程度のトラブルは発生したと想像します、生産量が誉並なら文句は無いんですがねえ。


    早房一平

  4. 便乗質問失礼いたします。イスパノスイザ系発動機を三菱が戦前手がけていたと思うのですが、12Z系などは日本が物に出来る見込みはあったのでしょうか?
    八郎太

  5. ドイツからのエンジン購入時の様子は、大まかに言えばDB600系の高性能発動機が欲しい、そしてその東アジアでの独占販売権まで欲しいという問題だったのですからJumo211系のライセンス取得の利点は少なく導入の可能性も無いと思います。
    また、JumoであろうとDBであろうと、日米開戦が無ければ生産も改良も何とかこなしていたことでしょう。日本の大馬力発動機のうちのかなりのものが水冷式になっていた可能性もあります。日米開戦後、他の水冷エンジンが軒並み計画中止となる中で取り残された実用水冷1000馬力エンジンという点に日本のDB系発動機にまつわるトラブルの源があるのです。

    BUN

  6. お答えくださった方々本当にありがとうございます。漠然と関係書籍を読みあさっただけの私にとって初めて知ったことも書き込まれていただけに大変な刺激になりました。もっと勉強せねば・・・。
    黒太子


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