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2873 素人な質問ですが、よろしくお願いします。
F−14に搭載されるフェニックス長距離ミサイルですが、
敵を6機攻撃できると、単純にミリタリー雑誌に書かれていました。
これは、敵編隊のなかで炸裂して敵を落とすのでしょうか?
それとも途中で6つに分裂して飛んでいくのでしょうか?
よろしくお願いします。
1set

  1. どちらでもありません。
    六つの目標に対して6発のフェニックスを発射して、それぞれを目標に向けて誘導するのです。
    便利少尉

  2. ミサイル系は
    http://www.index.ne.jp/missile/
    でのミサイル検索が重宝ですね。もちろんPhoenixも記載があります。
    MB

  3. 余談。
     6発搭載できることになっているフェニックスですが、1発463kg(スパローの約2倍、AMRAAMの約3倍、サイドワインダーの約5.8倍)と重いため、エンジン換装前の型であるF-14Aでは、空母から発進する場合は4発(+近接戦闘用にサイドワインダー2〜4発)までしか積めませんでした。むろん、燃料を減らせば6発でも発艦できますが、最大着艦重量制限に引っかかるので、撃たずに帰還する場合は高価なフェニックスを投棄することになります。
     エンジンを強化したF-14B以降は6発搭載での離着艦が可能になりましたが、F-14Bが登場した時期には、対重爆(正確には対艦巡航ミサイルを積んだTu-95等)用ミサイルであるフェニックスだけでは運用に柔軟性を欠くとされ、実際にはフェニックスは4発までとしてスパローやサイドワインダーと混載されることが多いようです。

    > 敵編隊のなかで炸裂して敵を落とすのでしょうか?
     アメリカにはかつてジニーやファルコン(AIM-26)といった空対空核ロケット弾/ミサイルがありました。これらは「敵重爆編隊を一網打尽にする」と解説されていることが多いのですが、実際のところは、誘導兵器の信頼性がまだ低かったころに「目標から半径1〜4km以内で炸裂させれば撃墜可能」という確実性を見込まれて作られたものです。
     言われてみれば、単機で都市ひとつ消滅させられる爆撃機が大編隊を組んでも、見つかりやすいだけで意味がありません。
    Schump

  4. 失礼します。便乗質問です。

    Schumpさんがおっしゃる通り、良くフェニックスミサイルは「爆撃機や巡航ミサイルを撃墜するミサイル」だと、書いてあるHP(個人サイトが多いかな?レイセオンやヒューズや海軍のサイトには、その手の事は触れてないですが・・・)が見受けられますが、本当に戦闘機等を撃墜するのは、難しいのでしょうか?
    やっぱり、図体がデカイせいなのでしょうか?
    Pukin'Dog

  5. F-14トムキャットも退役が迫って来ました。現用のF-14Aの退役は2003年、F-14Bの退役は2007年、
    F-14Dの退役が最後で2008年です。冷戦時の空母航空団の編成は、F-14の2個飛行隊
    F-18の2個飛行隊の組み合わせでしたが、冷戦後はF-14の1個飛行隊、F-18の3個飛
    行隊に改められました。湾岸戦争後の1991年から1996年の終りに掛けてアメリカ海軍
    で14個のF-14飛行隊が無くなり、現在10個の空母航空団に残った第一線のF-14飛
    行隊は12個だけとなりました。

    CVW-1 VF-102(F-14B) CVN71 セオドア・ルーズベルト 大西洋
    CVW-2 VF-2(F-14D) CV64 コンステレーション   太平洋
    CVW-3 VF-32(F-14B) CVN75 ハリー・S・トルーマン 大西洋
    CVW-5 VF-154(F-14A) CVN63 キティホーク      太平洋
    CVW-7 VF-143,VF-11(F-14B) CVN67 ジョン・F・ケネディ  大西洋
    CVW-8 VF-41,VF-14(F-14A) CVN65 エンタープライズ    大西洋
    CVW-9 VF-211(F-14A) CVN74 ジョン・C・ステニス  太平洋
    CVW-11 VF-213(F-14D) CVN70 カール・ビンソン    太平洋
    CVW-14 VF-31(F-14D) CVN72 アブラハム・リンカーン 太平洋
    CVW-17 VF-103(F-14B) CVN73 ジョージ・ワシントン  大西洋

    この中でVF-14(トップハッターズ)はアメリカ海軍初のF/A-18Eスーパーホーネットの
    飛行隊となりVFA-14と改編しました。F-14飛行隊でスーパーホーネット単座型が配備
    されるのはVFA-14だけで、他の飛行隊には複座型F/A-18Fが配備されます。
     今日のF-14には、F-18のペイロード不足と航続距離不足とA-6退役に伴う打撃力不
    足を補う為に対地攻撃の任務にも就いています。しかしレーザー誘導爆弾を装備出来
    ても、AMRAM、HARM、マーベリック等は運用出来ず、スーパーホーネット配備までの
    繋ぎの役割です。トムキヤット21等の発達型も提案されましたが、今日は空中戦で
    倒すべき相手も無く、予算の関係でキャンセルされました。
     F-14最大売りだったAIM-54フェニックスはテストでは、確かに高い命中率を示しま
    した。しかしフェニックス最初の実戦参加、1999年1月6日にカール・ビンソン所属の
    VF-213がイラクのMiG-25ペアーに向けて発射した2発のAIM-54フェニックスは外れ、
    1999年9月にVF-2がイラクのMiG-23ペアーに向け発射した1発のAIM-54フェニックス
    も外れました。余り高機動性とは思えない目標で外すのは情け無いですが、この2件
    だけでフェニックスが役立たずとは言い切れません。AIM-54フェニックスが有るから
    米空母に喧嘩を売るのはリスクが有ると敵側に思わせたので、少なくとも冷戦期には
    抑止の効果が有りました。
     F-14が初飛行した1970年12月21日から既に30年以上の年月が流れ、若い方には
    F-14が軍用機に興味を持つきっかけになり、映画「ファイナル・カウントダウン」、
    「トップガン」等でF9Fパンサー以来のヒーローにもなりました。F-14の姿が消え
    るのは寂しいですが、これも時の流れで仕方有りません。10年後にはF-14もビン
    テージ機の仲間入りとなります。

    赤とんぼワークス

  6. >F-14AでAIM-54を6発
    F-14AでもAIM-54を6発搭載して発艦可能です。着艦も可能です。ただし、燃料搭載量が極端に少なくなるのでボルターを行なえません。それでは危険だということで、6発搭載での艦上運用を禁止しています。

    >AIM-54の対戦闘機能力
    タイプCより固体ロケットモーター及び近接信管が改良され、小型・高速の目標に対するリーサリティーが著しく増大したそうですが、実戦ではMig-25を外しましたね。でも、同日にF-15がAIM-120をやはりMig-25に撃ちましたが、やっぱり外れました。
    そのことから、この件をあげて「対戦闘機能力が低い」とは言い切れないだろうと思います。(もともと、Mig-25は射程ぎりぎりをうろちょろして米軍機をSAMの射程内に引き込むのが目的だったようですし)
    Sparrow

  7. >4
    ひょっとして勘違いされているのかもしれませんが。
    フェニックスは、戦闘機は墜せないが、爆撃機や巡航ミサイルなら墜せるAAMと言うことではありません。
    爆撃機や巡航ミサイルの方が、アメリカ海軍部隊にとってより大きな脅威となり得る目標だから、
    それらに対処する能力が強調されているのです。
    とくに海面すれすれを飛来する巡航ミサイル、あるいは超高空を超音速で飛来する巡航ミサイルは
    従来のAAMやSAMでは対処がきわめて難しく、それ故にフェニックスの独擅場とされていたのです。
    ちなみにフェニックスは戦闘機大の目標に対する迎撃試験も当然行って成功しています。

    便利少尉

  8. 補足。
     フェニックスが大型化したのは、長距離飛翔用の燃料や高性能レーダーのせいもありますが、重爆を主目標にして設計されたために炸薬量(弾頭重量約60kg)が多くなったことが大きな要因なのです。
     旧ソ連でも、重爆の迎撃を主目標としたR-40(MiG-25用)は、弾頭重量100kg、発射重量850kgのヘビー級AAMになっていますが、シリア空軍のMiG-25がイスラエルのF-15CをR-40で撃墜したとされる記録もあり、やはり「対重爆用=戦闘機は落とせない」ということではありません。
    Schump

  9. 赤とんぼワークスさん、Sparrowさん、便利少尉さん、Schumpさん、回答ありがとう御座います。

    フェニックスミサイルはロクに実戦で使われた事が無いのに、「命中率が悪い」とか「デカくて運動性能が悪いので、爆撃機ぐらいしか落とせない」などの書込みを良くみかけるので、「まさか!?」と思って懐疑的になっていました。

    ちょっと、すっきりした気分です。(^^

    Pukin'Dog


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