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2896 よく零戦は20mm機銃ではなく12.7mm機銃を多数装備するべきだったという話を聞きます。
これはアメリカのブローニングM2のことなんでしょうけど。
ブローニングM2の重量は零戦の20mm機銃より重いという話を聞きました。
だとすると20mmを降ろしても12.7mmを多数装備することはできませんよね。
これは本当なのでしょうか。
本当だとすると誰がこのようなでたらめを言い出したのでしょうか。
倉本

  1. 海軍は昭和十三年頃から13ミリ機銃の装備を考え始めています。対爆撃機用に有効な大威力の20ミリよりも弾薬が軽く搭載弾薬数の増やせる13ミリは魅力があったようです。けれども大東亜戦争開戦後は、米軍重爆と対戦した経験から大口径機銃装備が必須となり、今までの20ミリ代替としての13ミリではなく、有効性の薄れた7.7ミリの代替強化へとその装備目的を変えつつあります。
    零戦も翼内機銃を20ミリ×4または20ミリ×2 13ミリ×2への強化を昭和17年中に検討し始めていますが、米軍重爆撃墜不能という戦訓が無ければ13ミリの多銃装備も、もしかしたらあり得たかもしれません。
    という訳で、多銃装備有効説は全く根拠の無い話ではありません。
    13ミリ×6の多銃装備は戦争後期の日本海軍は大いにその威力を評価しています。事実、零戦五二丙型の20×2 13×3の兵装は設計時の資料によればF6Fの13×6に劣る、という評価が下されています。
    そして、威力を評価された米軍機の13×6装備に対する日本海軍の回答は13ミリ多銃装備ではなく、末期の計画戦闘機群への20×6標準装備となります。

    だからあんまり出鱈目だの何のと性急に決め付けちゃ駄目なんですよ。
    BUN

  2. >ブローニングM2の重量は零戦の20mm機銃より重いという話を聞きました。
     機関部だけの話ならその通りです。20mm 一号銃で 25Kg、二号銃で 35Kg、一方ブローニング 12.7mm は 39Kg、三式 13.2mm は 30Kg(ちょっと疑問) となっています。弾薬はだいたい 12.7mm 弾約 120g、20mm 約 200g なので二号銃+120 発×2門の重量は約 120Kg、同重量内で自重 30Kg の三式 13.2mm×2門に置換すれば各銃あたり装弾数 250発、4門に置換した場合は装弾数ゼロ(つまり 20mm×2門装備より携行重量を増やさなければならない)です。

    >だとすると20mmを降ろしても12.7mmを多数装備することはできませんよね。
    >これは本当なのでしょうか。
     零戦と機体サイズやエンジン出力の大差ない P-40E や F4F-4 は主翼にブローニングを 6 挺搭載していますから、主翼構造を刷新すれば積むことは可能だと思います。P-39Q や P-63 のようなゴンドラ式なら主翼構造の大幅変更も必要ないかも知れません。ただし、主翼構造変更という大作業に見合うほどの火力を得られるかどうか、飛行性能の低下を火力性能向上で補えるかどうかはまた別の話です。

    >本当だとすると誰がこのようなでたらめを言い出したのでしょうか。
     坂井三郎さんの本にはその話が繰返し出てきますが、それは元零戦搭乗員としての心情、戦後の一時期に漫画・小説・映画などで「20ミリ、20ミリ」と持てはやされた事に対する反発なのであって、テクニカルな意見として捉えるのは筋違いなのではないかと思います。
    ささき

  3. やっぱり本当だったんですね。
    あと言葉が足りませんでした。
    私が言う20mmを降ろして12.7mm多数にするというのは物理的に可能かということではなくよく言われるように何の性能低下もせずにそれが行えるかということだったんです。
    それで20mmを降ろして12.7mmにすることは何の性能低下もなくできるけど。
    12.7mm多数装備にする場合は重量の増加による性能低下を余儀なくされるということですね。
    よく言われてるようにまったく性能を落とさずに12.7mmを多数装備することは不可能ということですね。
    また搭載できたとしても4門が限度なので6門装備してる米軍機に比べて不利なことにかわりはないということになりますね。
    重量が増加して性能が低下した挙句に敵より火力が劣るのではとてもベストとはいいがたいですね。
    倉本

  4. 以下妄言でふ。
    MG151(15mmの方)のライセンス生産が成功していたらどうなったんでしょうかね?
    やっぱし中途半端な性格になったかな?ドイツでも採用例が少ないし。

    sorya

  5. >4. M151 は口径の割に大きくて重いんですよねぇ…全長約 1.8m(151/20 より 30cm ほど銃身が長い)、自重約 42Kg と伝えられます。機構的には同調可能ですが、余程の大型機でなければ機首装備は無理でしょう(Do335 では機首に同調装備する予定だったそうですが)。日本海軍は 1941 年に十四試 14.1mm(エリコン式 API メカニズムで弾頭重量 49g、初速 900m/s)機銃を試作していますが、やはり「中途半端」ということで採用されていません。
    対大型機兵装としては 20mm でも不足とされ、20mm と大差ないサイズで弾頭重量を倍に増やせる 25mm は陸海軍ともに検討試作した上で「中途半端」「威力不足」として中止となり、多少の初速・携行弾数低下を忍んでもより大威力を期待できる 30mm (陸軍ホ-155, 海軍二式/五式)に移行しているところを見ると、「13mm の倍の弾頭重量で 13mm 以上に高初速、ただしサイズは 20mm なみ」の 15mm 口径も同じ運命を辿ったのではないかと思います。
    ささき

  6. なんにしろ、MG151はその高初速からの低伸弾道で非常に狙いやすい砲ではあったようですね。
    ドイツの古手のエースの間には、機体の軽快さともあいまって「Bf109はF型初期に限る」説が多いとも聞きます。
    ただ、ドイツでもその高初速ゆえの反動のきつさは問題になっていたようですね。
    何がマズイって、複座バネの健康に良くないらしいです。
    我が帝国ではバネ鋼に良いものがなかなかありませんでしたので、ジャムだらけだと酷評しきりになった可能性が高そうな気がします。
    まなかじ


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