QQCCMMVVGGTT
3264  航空自衛隊のF−1支援戦闘機はよく駄作、失敗と言われますが、当時の日本の技術力などを見ると傑作はとはいいませんが、悪くはないと思うのですが、何故、駄作、失敗などと言われているのでしょうか?
ハミンドラ

  1. 駄作とか失敗という主張の根拠を見ないと何とも答えられませんが。例のアリアドネ出版から出ている自衛隊兵器けなしまくりの本にそんなこと書いてあるのかな?

    アリエフ

  2. F-1駄作説の根拠にされる事実には、以下のようなものがあると思います。

    1)後方視界が悪い
     練習機転用である以上致し方ないところで、ホーク200のような機首すげ替えをやるほどコストをかけられる状況ではありませんでしたし、F-15/16のような全周視界の重要性を見直して作られた戦闘機の評価がまだ定まっていなかった時期の開発であることを考えれば、あまりうるさく指摘することでもありません。
     転用であるがゆえに欠陥をいうなら、高高度迎撃機を原型にもつがゆえの大翼面積・アスペクト比ゆえに突風時に安定性を失いやすいF-15Eは駄作中の駄作ということになります。

    2)離着陸性能・運動性の低さ
    3)対艦攻撃しかできない
     要は翼面荷重が高いことによるものですが、原型T-2の開発時期(60年代後半)がF-104、F-5、MiG-21、ミラージュF.1のような低抵抗・高速志向(F-4は艦上機なので例外)の戦闘機の全盛期であったことを考えれば、ベトナム戦争の戦訓を得て低翼面荷重・高運動性を志向しはじめた米国より遅れてしまったのを責めることに意味があるとは思えません。
     そもそも低翼面荷重・高運動性の機体に音速を突破させるような高出力エンジンは本体価格・運用コストともに高額であり、練習機にはふさわしくありません(F-1への発展時に別系統のエンジンに換装するのはもっとナンセンス)。
     むしろ、低空侵攻からの対艦攻撃に用途を(ほぼ)絞ることで低抵抗・大翼幅荷重の利点を活用した開発・運用方針を評価すべきでしょう。

    つまり、「けなす」という結果が先にあってこその駄作説だということです。
    Schump

  3.  国内航空機産業の振興という目的があったにせよ、高等練習機としてのT−2自体の能力は非常に優れているものがあったと思います(とはいうものの、超音速練習(専用)機ってT−2の他にはT−38タロンくらいしかないんですが)。
     T−2を原型に、そう大きな変更を加えることなくF−1を作り上げたということは生産単価を下げるという点でも大変意味があったのではないでしょうか。
     むしろ、対艦誘導弾を二発搭載して低空で機動できる能力をもった対艦攻撃機として見れば、F−1はかなり優秀な部類に入るのではないでしょうか。
    居眠り将軍

  4. T−2よりも古い設計のF−4を改修したF−4EJ改に機種改変されてしまったことも、F−1の評価に対するマイナス要因になっているのではないでしょうか。
    ノースバーグ

  5. >2様へ
    F−1って、運動性は良くなかったんでしょうか?ブルーインパルスにも採用され、曲技飛行もこなしていたので、運動性は良好かと思っていたのですが。便乗質問失礼します。
    通りすがり

  6. >5. 「運動性(機動性)」とは相対的な言葉ですが、一般的には「低速時に小半径で旋回できる」能力を指します。F-1/T-2 は戦闘機/戦闘爆撃機の主要戦術が亜音速〜超音速の一撃離脱だった時代に構想されているため、低速運動性をある程度犠牲にして高速飛行性能を重視した設計となっています(それでも F-104 よりマシな筈ですが)。ブルーインパルスが F-86 から T-2 に機種転換したとき、T-2 の飛行速度が大きく旋回半径が大きいため演技内容を全面的に改変しています。
    ちなみに悪い側の極例…昨年リノ・エアレースの会場でカナダから飛来した民間の F-104 アクロバットチーム「スターファイターズ」を鑑賞する機会に恵まれましたが、観客席前を30秒で駆け抜けてあっという間に点となり、ゆ〜っくりと旋回して向きを変え、3分かけて飛行場の外側を一周して再び観客席前に戻ってくるというものでした。
    ささき


Back