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3310 P39エアラコブラは、宙返りをすると水平錐揉みするって書いてあったのですが
これはどんな状態なんでしょうか?あとレーシングカー等は、運動性向上の為ミッドシップエンジンですが、飛行機では運動性が良くならなかったのでしょうか?
まさのり

  1. > P39エアラコブラは、宙返りをすると水平錐揉みするって書いてあったのですがこれはどんな状態なんでしょうか?

    またも素人回答ですが。
    錐揉みっていうのは、翼端失速などが原因で機体が横転しはじめ、それが止まらなくなった状態です。
    急旋回や速度が十分に乗ってない状態での旋回・宙返りなどで完全に失速した後、パイロットの操縦が悪くバランスを崩した場合などにも発生します。

    錐揉みに陥ると、完全に失速しているため翼が揚力を発生せず、機体は“自由落下”してしまいます。
    錐揉みの際に機首上げのモーメントが働く場合、機体はすぐに落下せずに水平方向にスピンします。
    これが水平スピンです。

    水平方向にスピンするとはいえ、やはり自由落下していることにはかわりなく、操縦不能の状態が続けば最終的には墜落します。
    また、遠心力によってパイロットが押さえつけられるなどの理由で脱出も困難で、きわめて危険な状態です。

    すなわち、簡単に水平きりもみに陥るような機体は、操縦性が悪いということになります。
    P39 は多くの欠陥をかかえていましたが、これもそのひとつではないでしょうか。
    とはいえ、降下などで速度を稼いでから、じっくり操縦桿をひけば宙返りくらいはできるでしょう。
    逆にどんな機体でも(あくまで第二次世界大戦当時)低速から宙返りをうてば失速してしまいます。
    アガスティア

  2. > レーシングカー等は、運動性向上の為ミッドシップエンジンですが、飛行機では運動性が良くならなかったのでしょうか?

    私はレーシングカーには詳しくないのですが、ミッドシップエンジンって後軸の前にエンジンを配置するスタイルのことですよね?
    必然的にエンジンが横から見て車体の中心近くになるため、重心位置も車体の中心付近となり、運動性がよくなるってやつだったかと。

    航空機に置き直しても理論上は同様で、エンジンを機体の中央付近に配置すれば運動性は向上するはずです。
    が、航空機の場合サイズが大きいため、エンジンを機体の中央に配置するとプロペラまでの距離がとんでもなく長くなってしまいます。
    ただでさえ車より高い精度を求められるエンジン軸をそんなに長くしてしまいますと、振動や稼動部分の重量過大などの致命的な欠陥を招いてしまいます。

    単純に運動性の面で考えれば好都合(他に空力・武装面でも有利)なのですが、結局デメリットの方がまさってしまっている、というわけです。
    多くのレシプロ機がエンジンを機首に配置しているのはそういう理由があるのです。
    アガスティア

  3.  P-39 はある特定の条件で失速すると激しいピッチングを伴う脱出不能なフラットスピン、通称「タンブリング」に入るという悪い噂がありました。前線から寄せられる悪評にベル社では何度も何度もスピンテストを行っていますが、再現させることはできなかったそうです。「タンブリング」は一種の都市伝説か、スピンに入ってパニックに陥ったパイロットの錯覚であろうと言われています。しかし P-39 は尾翼面積が過小ぎみでスピンに入りやすい悪癖があったことは確かなようですが。

    >運動性
     飛行機の場合、揚力中心と重心は一致しなければ水平飛行を維持できません。どんな飛行機でも重心は主翼中心付近にあります(先尾翼や串型は除く)。P-39 のようなミッドシップ配置の利点は「重心が機体の中心近くに来る」ことではなく、重量物を重心近くに集めることによってモーメントを少なくすることに意味があります。理論的に言えば急激な機首上げや機首下げ、左右の首振りに対する応答性が(エンジンを機首に持つ機体にくらべ)向上するはずです。

     しかし飛行機の運動性は単に慣性モーメントだけでは語れません。むしろそれだけのモーメントを発生し得るほど舵が効くのかどうか、急激な姿勢変化に伴う誘導抵抗急増を抑えられるかどうか、その抵抗に打ち勝つだけの推力を発生し得るかどうか、乱暴な操舵に伴う失速が起きないかどうか、その失速が左右不均衡となって不意自転やスピンを招かないかどうか、なども合わせて考えなければなりません。そういう意味で P-39 はあまり誉められた設計ではなく、特に後期生産型は武装・防弾などの要求によって自重が増大し、操縦感の重い機体となったようです。

    ささき

  4. 失礼。重心が主翼付近にあるのは当然ですね(機体によっては若干機首が軽かったり重かったりするが)。
    眠かったとはいえちょっと間が抜けた間違いでした。

    P-39 も前期型はそんな極端に重い機体ではないですし、翼面加重も米国の戦闘機としては並だと思うのですが…。
    ロシアでは結構重宝がられていますし、適正な運用をすれば十分性能を発揮できたのではないかとも思えます。

    といっても護衛には P-51、対地攻撃には P-47 があり、どちらも P-39 を凌ぐ性能がある以上はやはりあまり出番はなさそうですが…。
    要するに 37mm cannon carrier なだけなんですね。
    (それもすぐ弾がなくなりますが)
    アガスティア

  5.  P-39 はラジエター開口面積が小さすぎ、15 分以上タキシングするとオーバーヒートするので一度エンジンを切って冷えるまで待つなんて運用が行われていたようです。また XP-39 で計画されていたターボ過給器が廃案となり一段一速の機械過給器となったため、迎撃機・爆撃援護に用いるには上昇性能・高高度性能の極めて不満足な機体となってしまいました。ロシアで P-39 が重宝されたのは低気温の環境と低空対地攻撃に特化した運用のおかげもあると思います。エンジンさえ元気なら低空での運動性はなかなか侮れないものがあり、Fw190 や Bf109 をカモにしたソ連のエースも多くいたようです。
    ささき


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