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3348 航空ファンの今月号(6月号)の記事(戦前の九州飛行機の技術者の回想)で「ハ43にはフルカン継ぎ手の2段2速の加給機がついていて、・・・」と書いてあったのですが、ハ43は当初から2段2速の加給機が付く仕様だったのでしょうか。
それとも「閃電からはずした・・・」と記事中にあるように、閃電に使用した発動機のみの使用だったのでしょうか。
ハ43に詳しい方、教えて下さい。
とほほ

  1. フルカン接手は無段変速ですから、「何速」とはいわないです。

    ハ43は、当初から「MK9A 一段二速」と「MK9B 二段フルカン」の二本立てで開発が行われています。フルカン接手装備は「本来の目標」、機械式のMA9Aは「とりあえず実現可能な現実的手立て」という感じです。
    川西十七試陸戦はMK9B装備の戦闘機として計画されたものですし、三菱ではMK9Bを烈風A7M2に使いたがっています。
    しかし、肝心のMK9Bの開発がうまくいかず、こうした機体は軒並み中止に追い込まれています。閃電もそのひとつです。
    閃電に装備予定だったMK9Dは、MK9Bを推進式に改造したものです。

    震電1号機は、とりあえず機体の飛行試験を行うために、たまたまそこにあったに近いフルカン接手未完成の発動機を装備したのだと思います。
    震電の量産機は、もう少し現実的な、一段三速の新型ハ43を積む予定になっていました。


  2. 片さん、有難う御座います。
    もう一つお願いします。
    この記事中に「フルカン接手装備は流体のオイルが熱を持ち、馬力も食われるので・・・」とありましたが、機械式接手装備と比較して、どれほど効率がおちたのでしょうか?
    オイルの発熱による問題も致命的なものだったのでしょうか?
    フルカンは飛燕のエンジンでは主問題(クランクシャフトが大問題)とはなっていなかったのでは?

    とほほ

  3.  >投稿文 とほほさん
     >「ハ43にはフルカン継ぎ手の2段2速の加給機がついていて、・・・」

     >1 片さん
     >フルカン接手は無段変速ですから、「何速」とはいわないです

     このエンジンの場合、1段2速の過給機と1段無段階変速の過給機があるので、これを1纏まりに言って、2段2速となるようです


     >2 とほほさん
     >機械式接手装備と比較して、どれほど効率がおちたのでしょうか?

     フルカン継手は、今で言う可変速流体継手そのものです
     伝達動力効率は、流体機械の本を見ると載っています
     具体的な損失は明日、忘れていなかったら書き込みます(BUNさんや片さんが著された、学習研究社の烈風の本に具体的な数値が載っていた気がするので)
    セミララ

  4.  1日経ちました
     件の本に載っていた数値から計算すると、フルカン継手(だけ)で消費される出力は、約75hpという結果になりました
    セミララ


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