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3439 坂井三郎氏の本に良く出てくる「ひねり込み」という技とはどんなんですか。以前「航空ファン」で航空審査部という連載を見ていて海軍用語と載っていました。海軍独特の技術なのですか。
n.o

  1.  講談社+α文庫「零戦の秘術」及び「飛行の秘術のはなし」で著者の加藤寛一郎氏が自らの専門分野である航空力学の知識と坂井氏からの聞き取り調査に基づいた「左ひねり込み」の考察を行われていますので、そちらを参照されることをお奨めします。
     因みに「飛行の秘術のはなし」で紹介されている服部省吾氏の考察によると「ひねり込み」は「源田サーカスの一員であり、技量、人格ともに優れた戦闘乗りと言われた間瀬兵曹長が編み出したものであり、海軍のベテラン戦闘機乗りの秘伝みたいなものだったらしい」ということで、どうやら海軍独特のものだったようです。
     ただし、坂井氏によると同じ「ひねり込み」は海軍の飛行マニュアルには載っておらず、各搭乗員が先輩搭乗員が訓練時に見せるお手本やわずかなヒントを元にそれぞれが独自に習得していったものであったため(ちゃんとマニュアル化されていなかったのは口では伝えきれない面があったことと、極めて危険な飛行法であったためだそうです)、搭乗員によって微妙な違いがあったそうです。
    T216

  2. > 1.
     訂正 誤:ただし、坂井氏によると同じ「ひねり込み」は〜 → 正:ただし、坂井氏によると「ひねり込み」は〜

     なお、ひねり込みが危険なのは、低速・高迎角でしかも背面である宙返りの頂点付近で方向舵をいっぱいに踏み込み、操縦桿を引っ張ったまま反対側に補助翼をとるという錐揉み操作(低速・高迎角時に方向舵をいっぱいに踏み込み、操縦桿を引っ張ったまま反対側に補助翼をとるのは「錐揉み操作以外の何者でもない」のだそうです)を行うためであったようです。
     因みに坂井三郎氏は半田一空曹からひねり込みを教わり、自ら研究してそれを自分のものにするまでに3年かかったそうです。
    T216

  3. 話のレベルを下げてしまって恐縮ですが、「ひねりこみ」は、普通のインメルマン・ターンとどう違うのですか、ここ2年悩んでおります。
    ねのひ

  4. インメルマン機動は宙返りの頂点で 180 度のロールを行い、背面姿勢から通常姿勢に戻してループを抜けます。「ひねりこみ」では機体の姿勢は大きく変化せず、宙返り運動が持続します。
    ささき

  5.  ひねり込みの操作は、フラップ無しの飛行機で着陸前にスピードを落とす時に行う
    操作(フォワードスリップ?)に良く似ていると思うのですが、宙返りでの頂点で行う
    以外は同じ操作でしょうか。



  6. >5. 加藤寛一郎氏によるインタビューで坂井三郎氏は「ラダーを踏んで機体は滑らせるが、バンク角は変化させない」と答えていますから、この点において共通する操作だと思います。加藤氏は宙返りからの降下時に機首を「持ち上げる方向」に滑らせることで高度低下を抑えると同時に、降下によるエネルギー増加を最大揚力維持(コーナー速度維持)に用いる操作ではないかと推測しています。
    ささき


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