QQCCMMVVGGTT
3685 SR-71は高度8万5千フィートをマッハ3で飛ぶ訳ですが、ミグ25も大体同じ性能を持つとされているようです(高度25000メートルでマッハ3)。
それにも関わらずSR-71の撃墜記録というのが無いのは何故なのでしょうか?
ソ連側にやる気がなかった?
あるいはミグ25のカタログ性能と実性能の違いがありすぎて、実際問題として迎撃不可能だった?
satoski

  1. SR-71がその瞬間にそこにくるとピンポイントにわかっていて、完璧にタイミングを合わせて発進して上空で待ち、既に加速して待っていれば撃墜できるはずです。
    逆にいえばこの条件が揃わなければ捕捉できません。
    さて、この条件を揃えるにはどうやればよいでしょうか。

    マッハ3という速度で進入してくるということは、1分間に何km進むでしょうか。

    また、実際のMiG-25の配備数は本来対抗すべきB-70計画の中止によってかなり調達数が減っていたことにも注意が必要でしょう。
    まなかじ

  2. 「世界の傑作機」NO.83 Mig25によると、Mig25PDの実用上昇限度は20700mとなっておりますが。
    軍事用偵察衛星が開発、配備されたことや地対空ミサイルの性能向上もあって、U-2の頃に比べ戦略偵察機でソ連領内の奥深くまで偵察飛行することがなくなったという事情もあります。
    それに高高度で接近してくるSR-71を探知したら戦闘機で後ろから追いかけるよりも、前方から高高度用の地対空ミサイルを発射する方が効率的だと思いますが。それに撃墜しなくとも相手の作戦行動を中止させて防空圏内に入りこませないことで十分目的は達成できるわけですが。
    アリエフ

  3.  SR−71側もそうそう領空侵犯をやらかして偵察していた訳ではないようです。特にソ連に対してはU2撃墜事件以降、領空を通過しての偵察飛行は制限されていたそうです。領空スレスレを飛行しながら斜め上方向からレーダー(後に合成開口レーダーを装備)/カメラを用いて偵察を行ったという記述があります。しかし飛行高度が高いため、この方法でもかなり広い範囲を撮影可能でした。
     ミグ25ではありませんが、一回だけ、飛行後にSAMの破片が機体に食い込んでいたという事はありました。これはベトナム戦争中のことで(機体はSR−71の前身のA−12)、パイロットは少なくとも8発のSAMが炸裂したのを確認したそうです。
    YF−23A

  4. 大体、SR-71にしてもいつもマッハ3で飛んではいないわけで、作戦行動中に地対空ミサイルや戦闘機の接近を感知したら即座に最高速で敵防空網の圏外にまで逃げるというわけです。
    60年にソ連領内で撃墜されたU-2の場合、高高度到達可能な地対空ミサイルが実用化されて間も無い頃であり、ソ連の防空能力を甘く考えていたためか、かなり奥深くまで高高度を飛行していた所を狙われてしまったわけですけど。
    アリエフ

  5. 世傑のaD100、SR−71では、Mig25は実質的にマッハ3は出ない、と書いてありましたが。
    レギオン

  6. >5 実用最高速度はマッハ2.83ですね。ただ、瞬間的にはこの制限を超えてマッハ3.0まで出せるかもしれないようで。70年頃、エジプトに派遣されたMig25偵察型がイスラエルのレーダーでマッハ3.2を記録したことからマッハ3出せると言われてきたわけですが、このデータが正確かどうかは諸説あるようです。
    アリエフ

  7. マッハ3.0まで出せる〜>何でもキャピノー周りの耐熱の関係でマッハ3は禁止されている・・・と言う話を聞いた覚えがあります。記憶は定かではないのですが、マッハ3.2を記録した時は、ミグに乗っていたパイロットは何だかの関連で制限速度を限界時間を超えて出していたと言う聞いた記憶があるのですが・・・多少、怪しいかもしれません、御免なさい(^^;
    通りすがりのK

  8. Mig25で、日本に亡命飛行してきたパイロット、ベレンコ中尉の著作(今、手元にないのだが、「Mig25ソ連を脱出」だったかな)によれば、Mig25の最大速度はマッハ2.8です。また、Mig25では、SR71を落とせないとも書いています。後方からだと振り切られるし、前方からだと、接近速度が大きすぎて、ミサイルが命中しないそうです。
    また、日本に飛来したMig25の速度計の表示はマッハ2.8までしかなく、その先は赤く塗られていたと、当時報道されていたと思います。

    >7 マッハ3.2記録時は、リミッターを切っての飛行で、着陸したときにはエンジンは2本とも破損しており、交換が必要であったと、読んだ記憶があります。さて、どの本だったかな?
    わいわいぎつね

  9. >6 エジプトのMIg25
    記憶モードで申し訳ないですが、15年ほど前に読んだ「ミグ戦闘機」って本に書いてあったとおもいますが、(その本手元に無し)確かこのとき、マッハ3.2を出して飛んでいたのは、Mig25じゃなくて、無人の偵察機じゃなかったかな????

    >SR-71の撃墜記録というのが無いのは・・・
    最大速度の問題じゃなくって、FSCとかミサイルの問題では?
    だって、そのMig25を撃墜したF15だってそのときのスピードは、マッハ2もだしてなかったと思いますが・・・・




    バウアー中尉

  10. >9
    その本はビル・スウィートマン「ミグ戦闘機」(原書房)だと思いますが、
    MiG-25が無人偵察機と混同されたのはポーランドからの飛行の話で、
    エジプトのところでは、マッハ3.2を出したらエンジンがお釈迦になった
    と言う通説が書かれています。
    便利少尉

  11. >10
    そうでしたか、記憶が混じってました。失礼。
    バウアー中尉

  12. 便乗質問になってしまいますが、
    Mig-25の最高速度とは、どのような状態で発揮できるものなのでしょうか。
    (ミサイルの搭載、非搭載など)

    F-15などについて書かれた文章で
    「カタログの最高速度は、武装(ミサイル、機銃弾)無しでようやく出せる速度」
    という趣旨のものを読んだことがあります。(出典は失念しました)
    これが真実で、他の機体にも当てはまる(最高速度とはそういうもの)のであれば、
    最高速度付近での交戦は不可能ということになると思いまして。
    そうでなくとも、最高速度ではまともな機動が取れないと思いますが。
    Ta

  13. >8 自己訂正
    思い出したのですが、「Mig25ソ連を脱出」はベレンコ氏へのインタビューを元に、別の人が書いたと思います。
    わいわいぎつね

  14. >12
    MiG-25やF-15に限らず、超音速戦闘機では最大速度で空戦を行うことは事実上ないでしょう。
    たいていの戦闘機では、最大速度にまで達するまでに大量の燃料を消費してしまいます。
    超音速巡航(スーパークルーズ)可能な戦闘機であれば、超音速で空戦に入ることもあるかもしれませんが、
    超音速巡航速度が最大速度というわけでもありません。
    便利少尉

  15. Mig25の場合、M3出した場合はエンジンが持たないと聞いた事があります。
    前記述にあったレーダーでM3を超えた飛行の後では、エンジンがだめになったのが確認されているそうですが?

    其れにMig25の場合、武装は、ミサイルだけですね。
    赤外線は、スピード出しすぎると、美味く働くのでしょうか?
    レーダーホーミングにしても、その速度で装備している事が出来るのでしょうか?

    青江

  16. > SR-71は高度8万5千フィートをマッハ3で飛ぶ
        細かいことですが、USAF『SR-71 Pilot’s Manual』(Osceola; Motorbooks International, 1992) 5-9頁によると、標準大気中の高度85,000 ftでは、最小等価大気速度310Kt制限とデザイン・マッハ数の関係でマッハ3.2の一点でしか飛べません(隊長の許可があってコンプレッサー入り口温度が427℃を超えない場合はM3.3まで出して良い)。なお同書5-8頁では、デザイン・マッハは3.2であるが、一般的な運用で最大表定巡航速度(maximum scheduled cruise speed)はM3.17を推奨する、と書いてあります。

    >12 MiG-25の最高速度
       Mike Spick 『Design for the Kill』(Shrewsbury; Airlife, 1995)92頁によると、MiG-25はAA-6×4発搭載時でも制限速度M2.8を出せるそうです。またM3.2ではエンジンがオーバースピードで壊れてしまうと書いてあります。しかしこの本は、著者は有名な人らしいですが、出典も参考文献も書いていないので信頼性は?です。
       制限速度については、設計者、テストパイロット等による座談会「MiG-25開発秘話(II)」(由佐勝訳『航空情報』1990年11月号)87頁でマッハ2.83としています。また中東でマッハ3以上を記録したことも、敵からミサイルを発射され逃れるため制限を越えたとしています。

    中年受験生

  17.  >12.及び>15.
     IRのAAMを装備している場合、制限された速度以上で飛行すると、IRの目玉が焼けてしまいます。
     また、その他の外部搭載物がある場合でも、その搭載物毎に設定された制限速度を超えて飛行した場合、その搭載物、パイロン、もしくはステーションにダメージを負う事があります。
     つまり、外部搭載物の種類によって、制限速度が設けられており、これを超える飛行は、操縦指令書により禁止されます。
     なお、F−15で、バルカンの搭載弾数による速度制限及び可能となる最高速度の変化を聞いたことはありません。過去、記録に挑戦したストリークイーグルでは、色々やったそうですが。
    PRCA

  18. レスが遅れて申し訳ありません。
    色々興味深いお話ありがとうございました。
    ミグ25のマッハ3伝説、というのは割と日本では根強いと思いますが、実際のところ諸処考えればやっぱり割り引いて捉えるべき事柄、というところなんですね。
    大変面白く書き込みを拝見いたしました!
    satoski


Back