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3726 日本軍の双発以上の爆撃機って、だいたい機関士が乗っていますよね。
でも、機関士って絶対必要なのでしょうか。
月光には乗っていないし、銀河にも乗っていないし。
どうなんでしょうか。
弘田

  1. 機体の規模によります。
    燃料タンクや発動機はふつう機体の重心付近に置かれます。
    小型機や中型機なら、操縦席も同じく重心付近に位置しますから、燃料タンクと発動機をつなぐ燃料配管にも近く、燃料コックを直接操作することが出来ます。月光や銀河の操縦席と燃料タンクや発動機との位置関係をお確かめください。
    しかし、ある程度大きな飛行機では操縦席はずっと機首寄りになります。操縦員自身に燃料コックを操作させようとすると、燃料タンクからいったん長大な配管を操縦席まで伸ばし、また発動機まで戻してやらなければならなくなります。燃料配管の中を流れるのは可燃物であるガソリンであり、長い配管は危険でもあります。そこで、もっと燃料タンクに近いところに機関席を設け、燃料コックの操作を司らせました。大型機は複数の燃料タンクを持ちますから、適宜どのタンクの燃料を使うか切り替えなくてはなりません。


  2. しかしながら、日本海軍とて搭乗員数を減らした方がいいに越したことはないことには気づいていますので、一式陸攻の後継機泰山は4名搭乗で計画されるようになってゆきます。


  3.  機体の規模とも関係しますが、機体の性格付けの問題もあります。
     空中戦や急降下爆撃のために運動性を高めるとか、速度・航続力を極めるといった場合、機体を軽量コンパクトに作る必要がありますから、余計な人間を乗せることはできません(その代わり燃料系統に近いところに操作系を置けるのは1.のとおり)。ただしこの場合、不調発動機の負担軽減、燃料消費の制御、推力不均一の補正といった航空機関士の任務を残った人数でやりくりすることになりますから、乗員の疲労や操作ミスといったリスクを負います(当時あった銀河の3人乗務に対する懸念の一因)。
     日本の双発爆撃機の場合、四発機なみの長距離作戦を要求されていたこともあり、戦闘時の防御機銃手ともなる貴重な人手である航空機関士には相応の役割が期待されていたのではないでしょうか。
     余談ですが、大型長距離機に航空機関士を乗せないことが常識化したのは、発動機の自動制御・監視装置を備えたエアバスA310やB747-400といった機体が普及したここ20年ほどのことであったりします。
    Schump

  4. >機体の性格付けの
    そのとおりでした。泰山は急降下爆撃可能機ですので4名(のち照準の関係で5名に増える)搭乗だったということもあります。一方で連山は7名搭乗のままです。


  5. 当時は確か機関士のことを、搭乗整備士(員)と云ったと思いますが。その名の通り初期は太い主翼の中を通って発動機の裏側へ回り多少の不具合は直しってしまったらしいですね。基本的には機関士の作業の重点は発動機管制です。正規な機関士のポジションはサイドフェースパネルと云われる機関士専用の計器板やエンジンコントロールを装備するのですが、大戦中の機体ではあのB17でも無かったと思います(B29は立派なのが付いてますが)。この場合直接機関士がメインパネルを操作していたようです。一式陸攻では当時の機長の話では有ったと聞きましたが?機関士の善し悪しで発動機の傷み具合もかなり差が出たようです。例えばカウルフラップの調整だけでも筒温を睨みながら絶えず微調整に気を遣ってらしいですよ。また機関士は地上整備員と密接な関係があり飛行中の不具合などを適切に記録に残し現場にフィードバックさせる重要な役割もありました。いずれにしてもレシプロエンジンはタービンエンジンに比べてモニター箇所が多いので機体寿命の延長のためにも機関士は不可欠な存在であり、設計者や運用者側は機体の容量に余裕が有れば乗せたかった人員と言えると思います。
    整備兵

  6. >5
    航空機関士席を操縦席と別個に設ける方法は戦前に確立されていました。ボーイング314クリッパーあたりの機関席はB-29のそれと見かけ上ほとんどかわりません。B-17はE型以降その位置に上方動力銃座が出来てしまったので機関席が「迫害」されてしまったんですね。


  7. >6
    というか、その航空機関士自身がそのターレットで射撃するのが
    仕事だったりします。

    テレビ版「頭上の敵機」だとコワルスキーという名前の人だった
    と思います。
    wittmann

  8. ↑座席はたしかにそこにあるんだけど、動力関係のコントロールは操縦席側まで行って行うんですよ、その場合、たしか。


  9. >7
    コマンスキー軍曹(or曹長 ストライプがサンダース軍曹よりやたら多かった記憶がある)<<クリス・ロビンソン:野沢那智>>ですね。このときは邦題も「爆撃命令」だったと思います。

    ラインバッカー

  10. >6そうですね、二式大艇の機関士席は圧巻ですものね。97式大艇もそうだったのでしょか?一式陸攻は調べてみましたけど機関士パネルは存在しないようで。機長の記憶違いでしょう。コーパイ席のすぐ後ろにあるので直接操作だったようですね。蛇足ですがB29は機関士業務が徹底しており。操縦士のエンジンコントロールはスロットルだけの様で。プロペラ、ミックスチャー等全て機関士が引き受けていました。
    整備兵

  11. >10
    一式陸攻には主翼付近に機関席があって、シリンダー温度計や油温計などの計器板はあります。ただ、ここは基本的には燃料コックの操作を司る配置なのであって、エンジンコントロールはおっしゃるとおり操縦席の方で行うのですね。


  12. >11
    ははあ〜!ありましたか。危うく歴戦の機長の名誉を汚すところでした。
    整備兵


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