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325 よく、日本空母の方が米空母に比べてダメコン(+船体構造)
面で弱く脆弱である。というハナシを聞きますが、実際はど
うなんでしょうか?
確かに、我が方にはミッドウェイでの惨劇はありますが、米
空母とて、ワスプやレキシントン。大戦後期でもプリンスト
ンやフランクリンのような脆弱さを見せてくれた艦もありま
すし。ヨークタウンやエンプラ等、迅速に修理がなされた例
もありますが、我が方の爆弾が250sである事も留意する
必要がありそうですし‥‥
2次大戦中の普通の空母の場合、その置かれた状況が問題で、
艦自体はそんなに関係無い、ってのは暴言でしょうか?
↑勿論、装甲張ってる空母は別 (^^;
takukou

  1. 以前にここでも主張したのですが
    喪失原因は大半が戦況であるとは思います
    味方が優勢であれば、放棄されない艦艇も出てくるでしょうし
    危険だったなら、助かる見込みのある艦艇でも処分されます

    ただ、これは処分判断の条件の厳しさが変わるだけで
    「どーにもならない」艦は、やっぱり処分されると思います
    そして、どーにかなると判断してもらえる条件までなんとかするのは
    ダメコン能力に大きく依存するのではないかと思います

    また、米軍は全体的に「諦めの悪さ」が光ります
    結果的にこれが、喪失艦艇を減らし
    戦訓による更なる装備や技法の充実を招いたのではないかと思います
    「ダメコンとは諦めない事」なのです、そして米軍にはそれがあったのです


    SUDO

  2. すぐ前にも書きましたが、乗り組む将兵が五割がた多い米空母の方が何かにつけて有利なのは当然と思えます。
    また、日本空母では何故か飛行甲板の復旧手順等の訓練は行われておらず、被弾したが最期、以後の攻撃は考えず、潔く天命を悟る美風があったものと思います。
    私は、単に日本空母の飛行甲板が艦首方向に縦張りだった為に、横張りだった米空母に比べ補修しにくかったのではないかと思ったりしますが、
    真実はそのような卑近な理由ではないことでしょう。
    BUN

  3. 空母で怖い火災に対しては開放式格納庫のメリットも何割かは貢献していると思っていますけど?
    (格納庫内の排煙がしやすい、放水した海水が艦内に溜まりにくい、格納庫内の可燃物の艦外投棄が楽)

    佐藤利行

  4. 空母の火災についても、魚雷等の運用面(出したらしまいにくい状況等)が大きく響いているのではないでしょうか。また、開放式格納庫のメリットよりも、防御甲板の強力さが艦の生き残りに直接貢献しているのでは?

    日本空母の場合、軍令部等用兵側が攻撃隊を2回発進させたら役目が終わる(飛行隊を消耗し尽くす)との考えを持っていたらしいことも、応急体制の不備となって現れているのではないかとも思います。
    BUN

  5. どうも、質問者です。

    SUDOさんやBUNさんが御指摘の様に、私も状況が大きく影響する
    のかなと愚考しておったので、霧が晴れる思いであります。
    結局、艦の構造なぞは2次的な要素に過ぎないということでしょうか。
    開放型の方が閉鎖式に比べて有利である、ダメージコントロールが圧倒
    的に優秀、的なアメリカ空母優位論が幅を効かせているのにはどうも馴
    染めなかったので‥‥
    もし、ミッドウェイの我が4空母がエセックス級であったならば、あの
    惨劇は防げ得たか、といえばそうでも無いような気がしますし‥‥

    さて、BUNさんの
    >また、日本空母では何故か飛行甲板の復旧手順等の訓練は行われておらず、
    >被弾したが最期、以後の攻撃は考えず、潔く天命を悟る美風があったもの
    >と思います。

    >日本空母の場合、軍令部等用兵側が攻撃隊を2回発進させたら役目が終わる
    >(飛行隊を消耗し尽くす)との考えを持っていたらしいことも
    は、どの辺が出典なのでしょうか?

    takukou

  6. 出典について 「天命、美風」は私の冗談ですが、主に戦史叢書の当該巻より拾っています。
    BUN

  7. 戦史叢書ですね、了解しました。捜索してみます。
    しかし。
    「潔く天命を悟る美風があったもの」、うーん、これはけだし
    名言では‥‥含蓄有りすぎ (^^)

    takukou

  8. 百巻以上もある資料を指して、読め、というのはあまりにぶっきらぼうな気がしたので、転記します。

    「空母は現在及び近き将来に於いて実施可能なる最大限度の防御を施すも適切なる空中攻撃に対しては両三年後に於いては勿論現在に於いても対抗し得ざるものと確信す。爆弾威力の進歩は防御対策の発達より急激なり。米英が爆弾威力の向上改善に大なる関心を払いつつあるは証左歴然たるものありて、米が将来に於いても瞬発信管に終始すべしと為すが如きは妄断にして
    今やロケット式徹甲爆弾は世界の常識なり。急降下爆撃機に対する戦闘機を以てする阻止は困難なり。また急降下爆撃の命中精度は米搭乗員の技量を以てするも1/3程度は予期せざるべからざるものと認む」

    「実戦の経験に徴するに空母単艦の一戦闘に於ける攻撃は普通一回、情況有利なる場合、二回程度に過ぎず。もし着艦収容に於ける各種補給の速度等に関し多少改善を行うといえども単艦を以てする連続攻撃能力は望み難し」

    ミッドウエー海戦後に大西瀧治郎航空本部総務部長が起案した「航空母艦整備方針に関する意見」の中で、空母そのものに対する航空本部側の把握を転記してみました。(43巻「ミッドウエー海戦」632ページより)
    特攻攻撃によっての悪名のみ高い大西瀧治郎が、上記の如く冷静かつ正確な分析を行いうる優秀な人物だったことが印象的です。また、大西の意見を海軍内の合意と見て良いかと言う点については、少なくとも用兵側を代表する意見として内覧され、ある種の合意を形成して航空本部長が提出したのだと思われますので、海軍内の航空関係者の総意と見ても良いのではないでしょうか。

    BUN

  9. あぁ、っと。ありました(^^;
    なるほど、こんな所に載っておるんですねぇ。

    それにしても、何処に書いておるか、良くご存じですね。
    一通り持ってはいるんですが>戦史叢書
    未だ、未読の部分も多いんで。

    ありがとうございました。
    takukou


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