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350 日本海軍は第四艦隊事件がきっかけで船体などの強化をしましたがアメリカやイギリスなどにも似たような事があったのでしょうか?
K.K

  1. 似たような事というのがどんなものか良く判らないのですが、最近だと就役後に船体を補強した例として、英海軍の42型駆逐艦などあります(実際に沈んだり、折れたりした船があったから改装されたわけではないですが)。
    (N)

  2. ありました。太平洋戦争末期にフィリピンあたりのアメリカ軍が40隻ぐらい損傷しているはずです。遅すぎた神風でした。
    かつひこ

  3. ↑それは、1944年12月18日アメリカ第38機動部隊を襲った台風ですね。
    記録では駆逐艦3隻を沈め、空母7隻、駆逐艦11隻が損傷していますね。
    プリンケプス

  4.  神風は1945年6月に九州沖合にも吹き、1944/11の時には損傷しなかった大型空母も飛行甲板を
    折られるなどの損害を出し、重巡洋艦ピッツバーグは艦首を折られるという損害を出しています。
    ただこのときは前回の台風の経験があったため沈没艦は出ていません。
    なお、この時の戦訓から米海軍は空母の艦首にハリケーンバウを採用することになります。
    大塚好古

  5. 台風対策なので「ハリケーン」バウって名づけられたんでしょうか?

    SUDO

  6. 船体に使われる鋼材又は鋼材同士の接合方法を改良するようなことは行われなかったのでしょうか。日本海軍の場合、この事件が元で、冷たい海の中では溶接が十分な強度を保障できないため溶接構造の導入に慎重になってしまったそうですが。英米は同様な状況での事故が生じても、溶接を積極的に使っていたけど。
    アリエフ

  7. 英海軍の条約型重巡ロンドンは、大改装の結果船体強度(とくに耐ピッチング)に不足を生じて、補強工事を繰り返しています。
    まなかじ

  8. >5
    SUDOさんの言われる通りで、1954年に米海軍がSCB125改装でエセックス級の艦首をエンクローズする
    ことを発表した際に、「台風等の全天候下で作戦を行う航空母艦の波浪対策」を考慮した結果…、
    というような説明がなされたため「ハリケーンバウ」の呼称は生まれたようです。
    大塚好古

  9. >6
    私も余り詳しいことは知りませんが、フレッチャー〜ギアリング級の艦隊型駆逐艦はフレーム用鋼材と
    して大部分に軟鋼を使用、強度が必要な部分にはST鋼を使用していますが、
    ST鋼は溶接に必要な
    条件が厳しいため、同様な強度を持ちより溶接のしやすい鋼材の研究を行ったと資料にあり、
    アメリカ海軍はその船体鋼材に「より強く、より溶接しやすい」鋼材の研究を続けていたことは
    確かだtろ思われます。

    大塚好古

  10. 日本海軍の場合、友鶴事件で復元性、第4艦隊事件で船体縦強度が問題にされましたが、アメリカの場合は問題になったのは復元性の方で船体強度はあまり問題にはなっていないようです。ハリケーンバウは船体そのものではなく飛行甲板の強度対策だと思います。日本でも第4艦隊事件で「鳳翔」が飛行甲板陥没、「龍驤」が飛行甲板下の艦橋囲壁圧壊という損害を受けているので、案外「大鳳」のエンクロズードバウも台風対策の意味が強いのかもしれません。
    復元性に関する限り友鶴事件で対策済みだったせいか日本海軍の方が優秀で、沈没艦もなく動揺も小さいです。駆逐艦で比べるとアメリカ側で被害の大きかったファラガット級駆逐艦やフレッチャー級駆逐艦が最大片側(風下)70から75度に達したのに対し、日本側は艦首切断の「夕霧」で最大50度、その他の艦でも特型で69度(これは左右合計、以下同じ)、睦月型で75度、神風型で70度に収まっています。
    もっとも両者の遭遇した台風の規模の比較データが不十分なので比較はできないというのが本当ですが、、、。分かっている最大風速(実際に艦で測定)で比べると、日本のは風速35m/s(突風42m/s)、アメリカが風速46m/s(突風59m/s)でアメリカ側の遭遇した台風の方がキツそうです。
    舞弥

  11. ↑日本の方がアメリカより復元性に対する基準が厳しいのは確かでしょう。アメリカでは問題なしと
    された大戦型の駆逐艦(ブリストル/フレッチャー)級も海上自衛隊に引き渡された際に
    海自は復元性向上のため一部装備を下ろさせてますからね。
    大塚好古

  12. たぶんそう言っていいと思います。日本海軍は友鶴事件以降は復元性の基準としてGM値ではなく重心の高さを重視(これも賛否両論だけど)するようになりましたから。
    ちなみに転覆沈没したファラガット級駆逐艦の傾斜許容範囲は72度であるのに対して、日本駆逐艦の問題児である初春型はバルジ追加後で70度程度だったのが、友鶴事件後の大改造で91度までOKとなったそうです。
    舞弥


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