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542 レイテ沖海戦で航空戦艦伊勢、日向が、敵機約50数機を撃墜したと書いてありましたが、大和、武蔵撃沈をした時の米軍の被撃墜数は10数機前後と読んだのですが
なぜ対空火力に劣る伊勢、日向がそんな撃墜できたのでしょうか?米軍側の記録でも50数機被撃墜と記録されているのでしょうか?
景司

  1. 米国側の数値では、TF38による10月25日の小沢艦隊攻撃時の損失
    は30機程度であり、前日の栗田艦隊攻撃時の損失とほぼ同じであった筈
    です(喪失率では24日の方が延べ攻撃機数が少ないので大きい)。

    余談ですが、艦船に対する爆弾/魚雷の命中率は栗田艦隊に対するもの(
    殆ど行動不能となった武蔵への攻撃を除いても)も小沢艦隊に対するもの
    の方が悪く。少数ながら迎撃機がいたことや、対空砲火あるいは回避能力
    の高さを裏付けていると考えられます。
    tackow

  2. 後段。「〜命中率は栗田艦隊に対するものよりも小沢艦隊に対するものの方
    が悪く〜」でした。
    tackow

  3. ありがとうございました。


    景司

  4. 憶測無限大な書き込み失礼。
    「大和型」と「伊勢型」の対空火力についてですが、

    撃墜数というか、対空射撃の精度に関しては、自艦が回避運動をして
    いるか、直進あるいは静止に近い状態であるかによって、かなりの違い
    があります。
    (事実、呉に停泊中の大和は無敵だったらしいです)←言い過ぎ?
    「大和」と「武蔵」の場合は、敵の目標が自艦であるために、射撃精度
    に関しては、大変な不利があったものと思われます。

    一方、「伊勢」と「日向」に関しては、敵の目標が空母であったため、
    かなり効率の良い射撃が出来ていたのではないでしょうか。
    また、両艦の対空戦果に大きな開きがあるのは、両艦の立場的に、敵の
    目標が「瑞鶴」に集中していた事と、
    (「伊勢」への任務:「瑞鶴」及び「瑞鳳」を守れ)
    位置的に「日向」は自身が主目標になる環境であった為、回避運動を
    余儀なくされていたのではと考えてみました。

    護衛艦が9隻いた第二艦隊の場合は天候や、武蔵撃沈から得られた戦法、
    また、パイロットの錬度、及び物資の不足による訓練不足が戦果の縮小
    につながっているものと考えます。

    きん

  5.  4に関して。伊勢、日向がそれぞれ主に取り舵、面舵をとったことも関係あるかと思います。対空要員も右に左に激しく振られるよりは、一方にだけ振られた方が狙い易いのではないかと。

     伊勢艦長だった中瀬元少将の証言によれば、攻撃隊第一派の時の対空砲火が全然当たらなかったので、第一派が引き上げた後に「なんだその撃ち方は。もっと腰を据えて冷静に撃て。」と怒鳴りつけたところ、次からはよく当たるようになったそうです。怒鳴りつけたことで敵機を見て動転していた兵達がそれなりに冷静になったのではないかとのこと。
     また、日向艦長だった野村元少将の証言によれば、実戦では高角砲よりも奮進砲の方が当たったそうです。(というよりも、高角砲が当たらなかったのかな。米軍は25o機銃を一番の脅威と見ていたようですし。)
     それと、50機撃墜は伊勢の記録です。同艦の記録係は67機を数えていますが、僚艦の戦果と重複している可能性があるので50機としたそうです。日向は分かりませんでした。

     ところで、小沢艦隊の対空力って結構あると思うのですが、これも影響していませんか。戦艦こそ多いが艦隊型駆逐艦ばかりの栗田艦隊に較べて、空母を始め、どの艦もまとまった対空力を持っていますから、艦隊としての対空力はむしろ上なのではないでしょうか。日本には自艦を守る対空砲火という概念しかないようですが、まとまってしまえばそれなりの壁にはなります。攻撃隊もほとんど対空砲火のない外堀を通過するより、多少なりとも有効な抵抗のある外堀を通過する方が攻撃しずらいし、被害も出ると思います。(伊勢と日向は外堀に該当しますが。)
    tomo


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