QQCCMMVVGGTT
800 なぜ、ヤマトは副砲を付けたのでしょう。
46cm砲でアウトレンジ戦法を狙うのなら、別に必要もなかったかと思うのですが。

モリアオ(♂)

  1. 簡単に言うと、戦艦同士が主砲で打ちあっているときに、魚雷を放とうとする敵の駆逐艦や巡洋艦を撃退するためです。
    いおーじま

  2. すいません。
    「ヤマト」って書きましたが、宇宙船艦でも潜水艦でもないほうで。
    モリアオ(♂)

  3.  「大和」はアウトレンジを狙って造られたわけではないのですが・・・
    tackow

  4. ええ、戦艦の砲戦というのはもう少し勇壮なものですよね。
    BUN

  5. すみません、もしかして、戦艦とは敵より大口径の主砲を積み、
    敵の射程外から一方的に相手を撃ちまくるもの、と思ってませんか?
    だとしたらそれは間違いです。

    何故か、少し考えてみてください。
    何らかの答が出ましたなら、是非レス下さい。
    みんなで厳しく優しく添削してあげます。
    勝井

  6. 便乗ですが、ハッシュハッシュクルーザーは対艦アウトレンジと、対地ヒットアン
    ドアウェイのどちらを重視されていたのでしょうか?

    というか、両方を狙ったから、こういう艦が出来ちゃった?
    しゃるほ

  7. ハッシュハッシュクルーザーはバルト海での上陸支援専門だったのでは?
    対艦戦闘にはR級巡戦やインコンパラブルがいたでしょう。
    彼女たちは対艦戦闘を行うには主砲の数が少なすぎます。
    勝井

  8. >7
    対艦戦闘で味方巡戦に期待するなら
    上陸支援にも巡戦を使えば良いのではないでしょうか?
    普通のモニターに外洋航行用に応急的な装備をしたものでは駄目ですか?
    どうせ上陸船団なんか速度遅いのでモニターの速度は問題にならないでしょう
    この場合モニターは対艦射撃は不可能に近いですが>波対策等で
    巡戦の護衛が付くなら問題ないでしょう
    周囲の制海権を確保してもらってから突き進めばよいのです

    ハッシュハッシュクルーザーは対艦射撃も行う
    極めて挑戦的なアグレッシブな艦艇です

    >彼女たちは対艦戦闘を行うには主砲の数が少なすぎます。
    この根拠は?

    SUDO

  9. カレィジアスやグローリアスの4門でも少ないと思いますが、
    フューリアスの2門に至っては、統制砲撃が不可能なのでは?
    勝井

  10. >9
    だから、その根拠は?

    統制射撃って言葉の意味もイマイチ良く判らないのですが
    公算射法を言っているのですか?

    だとしたら斉射は可能だし、2門でも散布界は構成されます
    やろうと思えばちゃんと公算射撃は出来ます
    斉射して弾着観測して修正して散布界に目標を包む事が公算射法ですから
    極論するなら1門でも行えます>勿論多数有った方が有利ですが

    砲数にリソースを使うよりも砲サイズに投入する方がよい場合も有るのです
    その条件がなんなのかを理解できれば
    大型軽巡が何故アグレッシブな水上戦闘艦艇なのかが理解できます

    SUDO

  11.  ええと、自信はないのですが、詳しい方から袋叩きにされるのを覚悟して頑張っ
    てみようかと思います・・・・・・

    >勝井さん、SUDOさん
     まず、ハッシュハッシュ・クルーザーは対地支援専門に運用するには、どうも無
    意味なところで高性能な気がします。SUDOさんがおっしゃるとおり、当時一般
    的な地上支援艦であるモニターと比較しますと、外洋航行能力はともかく、何故あ
    れほどの速度が必要だったのか、「フューリアス」が何故単層2基にしてまで後方
    に射撃可能な主砲を搭載したのか(ただ単に全幅の面で連装砲が搭載できないだけ
    だったりして・・・・・・)説明できないです。地上支援専門だったら、やっぱり
    普通のモニターで十分ではないかと。

     で、SUDOさんがハッシュハッシュ・クルーザーを「極めてアグレッシブ」と
    いう理由もちょっと分かりませんが・・・・・・公算射法が「斉射して弾着観測し
    て修正して散布界に目標を包み込む」射撃法であるということは、要するにどんな
    に精密に照準しても砲弾を確実に命中させられない、それだけの誤差が発生すると
    いうことですよね? それで、照準を修正するには主砲弾が「散布界のどの当たり
    に着弾しているのか?」分からないとどうしようもないですよ。そうなると、一門
    の主砲で公算射法を行うには、主砲を固定して数発撃ちまくった結果で修正するし
    か無いかと。戦艦主砲のような大口径砲でそんなことやってたら、有効弾を出すま
    でものすごい時間がかかるし、そんなことをやってる間に風向きとか敵艦が進路を
    変えたとか条件が変わって、いつまでも有効な射撃が出来ないような気がするので
    すが。そう言う意味で、勝井さんが「2門では統制射撃(=公算射法が不可能」と
    言ってるのだと思います。

     で、明石耕作としての結論。ハッシュハッシュ・クルーザーは「バルト海という
    狭隘極まりない海域で戦闘行動を行うことが可能な最大限の艦型に戦艦を撃破可能
    な大口径砲を搭載し、直接照準可能な至近距離での対艦戦闘を想定した水上戦闘
    艦」ではないかと。砲数より砲サイズを優先する条件も分からないままだし、至近
    距離での砲戦を想定している(=敵艦からの命中弾を覚悟していて当然)には装甲
    が薄っぺらな所が気になりますが、自分としてはこの辺りが限界です。

     ちなみに、5番で勝井さんが問いかけている質問への自分なりの答えですが、
    「射程外からの攻撃は敵戦艦が自艦と同等の主砲を搭載している限り成立しない。
    その場合両艦共に最大射程での撃ち合いとなり、砲弾が命中した場合甲板に対する
    貫通力が大きく、対抗するには水平防御を極めて強固にする必要がある。一方で接
    近戦に置いては垂直防御を強固にする必要がある以上、艦型と攻撃力、防御力との
    兼ね合い、すなわち水平防御、垂直防御、主砲弾の命中率等の兼ね合いから算出さ
    れる砲戦距離での中距離砲戦を前提として設計する方が性能的に優勢な敵艦を相手
    に接近戦を挑むなど様々な局面での性能に優れることになる」
     とさせていただきます。なんか、難しいですね・・・・・・


    明石耕作

  12.  彼女たちが対艦射撃を狙っていたことは、前楼の高さと構造、測距儀の装備位
    置が同時期の巡洋戦艦と同様であることからも推測出来るでしょう。

     ただ、カレージアス型とフューリアスは分けて考えるのが妥当とも思えるので
    すが・・
     カレージアス型は対艦対地のオールマイティ巡洋艦、フューリアスは対艦に関
    しては「寄らば切る」程度の扱いだったのではないかと。
    tackow

  13.  ただ、射撃指揮装置なんかの詳細が判らないのでなんともいえないんですけ
    どね。その辺の装備のグレードが判れば自ずから主目的も判るのでは?
    tackow

  14. >明石さん
    リソースで言うなら砲の数≒重量ですが
    砲の数は命中弾数には比例しません
    少数の大砲を載せた方が効率は良いのです
    では何故多数を搭載するのか、それは狙って撃たないからです
    公算射撃では投入数が射撃効果に大きな影響を齎しますから

    但し、数量は絶対的に重要なのではなく
    散布界の広さ/投入数=命中確率ではないのです
    通常の戦闘では艦艇と言う三次元構造物を対象にしますから
    砲弾の突入してくる角度(落角)や目標のサイズも大きな影響を齎します

    また、4門や2門でも公算射撃が出来る事は
    日本海海戦やリガ湾で証明されています
    どちらも命中を出して有効な戦闘を行っています

    つまり、少数の大砲でもあまり落角が大きくないなら
    散布界構成弾数は少なくても有効弾を期待できるのです
    落角が小さくするには射程が大きい大砲で比較的近い距離を射撃すればよい
    破格の大口径を搭載した大型軽巡洋艦はこれを満たしているのです

    戦闘距離の延伸法としては多数の砲を投入する公算射撃と
    砲の性能を向上させる方法が存在し>戦車なんかはコッチですね
    条件次第ではどちらの有効性が上なのかは判断が難しい部分も有ります
    特に北海、バルト海では戦闘距離を長く取れる保証は無く
    砲性能による戦闘距離延伸でも充分にカバーできるともいえます
    1万mやそこらなら18インチ2門でも楽勝でしょう

    大型軽巡は既存の旧式前弩級戦艦や軽巡洋艦には火力で圧勝できますし
    弩級戦艦とも中距離以下なら戦えます
    弩級戦艦の投射量は斉射あたり2〜3tですから対等の火力です
    大型軽巡が11〜12インチ砲弾に耐える装甲を持っていなくても
    敵戦艦だって15〜18インチ砲弾に耐えることは出来ないのですから
    条件は同じなんです

    明石さんが言う直接照準とは
    つまり公算射撃の利点である遠距離戦闘に頼らない
    比較的短い距離での交戦の事を言うなら、そうです
    あんまし長い距離で戦う事は考慮していないと想像できます
    つまりアウトレンジ戦はやろうと思ったら出来るけど、まずやらない

    突っ込んで対等以上の戦闘が可能な条件に持ち込んで
    大口径の火力で敵艦を粉砕するのが目的なのだと考えられます
    方向性としては大口径魚雷を搭載したどっかの国の水雷艦艇に似ています

    勿論、陸地への火力投射も出来ますし
    15インチ4門艦ならかなりの距離でも砲戦が出来ますが
    まともな砲戦で戦艦と殴りあうなら
    巡戦でも戦艦でも持ってきたほうが良いのです

    突撃して近距離で敵艦を殴り倒すつもりだったのでは無いでしょうか

    ああっ、また何か変な意見を出してしまったかも(;_;)

    SUDO

  15. SUDOさん>

    >明石さんが言う直接照準とは
    >つまり公算射撃の利点である遠距離戦闘に頼らない
    >比較的短い距離での交戦の事を言うなら、そうです

     おおむねその通りです。加えるならば、砲塔側で各個に照準して射撃を行うの
    が直接射撃として、複数の砲塔(あるいは複数の同型艦)の射撃を一つのシステ
    ムで管制して公算射撃を行うのと区別して考えていたつもりです。

     で、結果的に「ハッシュハッシュ・クルーザーが近距離での対艦戦闘を想定し
    ている」という結論が的はずれでなかったのにほっとしているのと、砲戦距離の
    延伸法と艦全体としての砲力の向上法に関しての推察は為になります

     で、ちょっと気になるところがあったので、少しつっこませていただきます。

    >また、4門や2門でも公算射撃が出来る事は
    >日本海海戦やリガ湾で証明されています
    >どちらも命中を出して有効な戦闘を行っています

     これについて疑問なのですが、リガ湾については置いておいて、日露戦争当時
    の戦艦にはまだ射撃指揮装置がありませんでしたよね? その場合、射撃時の照
    準は砲塔ごとに行うわけですが、それで(原理的に)公算射撃が可能なのでしょ
    うか? 自分としてはむしろ、射撃指揮装置の装備や複数の同型艦による統制射
    撃といった照準方法の進歩と弩級艦の「同一口径主砲を多数搭載する」といった
    設計思想が重なって初めて公算射法による長距離射撃が可能となったと思ってい
    たのですが。実際、日本海海戦では砲戦距離はせいぜい6000mくらいでした
    よね? リガ湾でも湾内であるという時点で遠距離砲戦が可能であったとは思え
    ないし、近距離射撃であれば「直接照準でも十分な命中率を出せる」

     それで、射撃指揮装置による管制射撃が有効な公算射撃の前提条件だとすると、
    やっぱり主砲は最低8門ほど必要ではないかと思うのです。理由は単純。弩級、
    超弩級戦艦の主砲がほとんどの場合8門以上積んでるからです。実際、主砲の門
    数が6門という弩級戦艦は未完成艦を加えたとしても、「レナウン」級、「イン
    コンパラブル」、「ドイッチュラント」級、O級、超「大和」級くらいですよね? 
    しかも、これらの艦はハッシュハッシュ・クルーザーの系列になる「レナウン」
    級と「インコンパラブル」、通商破壊任務を重要視していた「ドイッチュラント」
    級とO級、「大和」級と同型の艦体に無理矢理一ランク上の主砲を搭載した超「大
    和」級と、正直言ってどれもこれもまっとうな戦艦じゃない気がします。と、い
    うことはやはり公算射法には最低8門は必要だったのではないか? と思ったの
    ですがいかがでしょうか?

     あるいは、ひょっとすると自分のいっている「公算射法」とSUDOさんの言
    う「公算射法」とにずれがあるのかも知れませんね。自分の場合、遠距離射撃に
    おける管制射撃に限定しているのに対してSUDOさんのはかなり近距離での射
    撃も含んでいるような感じがします。その辺も公算射法に関する考えの食い違い
    の原因なのかも。



     ・・・・・・ああ、なんか凄く楽しい(感涙) 自分の周りって軍事マニアが
    いないからこういう話をする機会が全然なくって。出来ることならOFF界参加
    してみんなと直接語り合いてえ・・・・・・

    明石耕作

  16. >明石さん公算射撃とは、同一の諸元で斉射する事で散布界を作り出し
    その散布界を目標に重ねる事で命中を期待するという射撃方法です
    それ以上でもそれ以下でも有りません

    この射撃方法の原型は全量投射法で
    19世紀末期の水雷艇撃退砲や水雷艇駆逐艦で行われるようになりました
    この規模の大砲ですと直射距離があまり大きくなく
    また目標である水雷艇の高さが低いので、距離算出の必要性が極めて大きかったのです

    直射距離とは、戦車の戦闘照準と同じ考え方です
    任意の距離に砲の仰角を固定しておくと
    その設定距離から一定の距離までの近さなら距離修正をしなくても当たるという物です
    これは弾道の低さと目標の高さに依存し、低い弾道で高さのあるものに対しては許容範囲が大きくなります

    さて、各大砲が照準しても正確な射撃が難しいので、全量投射という手段が採用されます
    これは距離を指揮官が指示して、各大砲はそれに従うという手法です
    一般に方位の照準精度はあまり極端に悪化しませんが距離の方は難しいので、それを誰かが指示するのです

    そうなると、砲弾は、同一の距離諸元を与えられて投射されます
    まだ完全な斉射方にはなってませんが、直射距離を外れていても
    落角が小さい場合、距離設定の精度もそれほど極端には要求されません
    指揮官は集弾の度合いや弾着のズレ具合を観測しつつ
    適度なタイミングで距離指示を変更していく事で射撃効果を発揮させるのです

    これを応用したのが艦艇の公算射撃です
    弾着観測を容易にするために斉射を行い
    射撃距離の延伸に従い未来位置の予測、つまり方位も指示項目に入りました
    砲に伝えるのは、方位角と仰角です、初期にはブザーやメガホンで指示をしたようです

    つまり公算射撃とは
    同一諸元で斉射する事に尽きるのです
    距離の大小では有りませんし、射撃指揮装置の有無でも有りません、勿論大砲の数でもないのです

    日本海海戦ではこの原始的な指示法で1万以上でも射撃を行いましたし
    リガ湾でロシアの前弩級戦艦がドイツ弩級戦艦をアウトレンジしました
    また第一次大戦時のドイツ戦艦には方位盤射撃装置のような高級な計算装置は無かったようです
    英弩級戦艦で方位盤を備えたのは1911年就役のネプチューンからです
    それ以前の戦艦ではもっと原始的な計算装置やもしくはそれに相当するものが無く
    高い場所に測距儀や観測員を置いて、初弾に必要な一次情報を取得し
    それを元に砲術指揮官が諸元を算出し、各砲にそれを何らかの手段で伝達して斉射を行ったのです

    弩級戦艦や方位盤射撃装置のようなハードウェアは
    公算射撃というソフトウェアを最大活用するために産み出された物で
    どちらが先なのかと言うと、公算射撃の方が先なんです

    さて、公算射撃とは、散布界に目標を押し込む事で命中を期待する方法ですから
    それは距離の大小には影響を受けません
    近くても遠くても公算射撃は可能ですし、一般にはそれをするのです

    散布界の密度は直撃発生確率に大きく影響しますが
    上記直射距離概念から想像が付くように、弾道が低ければ、散布界密度が粗くても直撃は期待できます
    つまり多数の方を投射するというやり方は
    弾道の落角が大きくて一発あたりの直撃発生確率が減少する事を補うために有るのです
    主砲が6門の艦の例は大変に興味深いのですが
    それらが、敵の同級艦艇よりも大口径主砲を載せているのが多い事にも注意してください
    一般に大口径は同一距離において小口径よりも落角が小さいのです
    つまり、同一距離における一弾あたりの直撃発生確率は大きいのです
    砲口径の割に遠距離戦闘をする場合に多数装備が欲しいというのが基本ですから
    例えば駆逐艦や大抵の軽巡洋艦では4〜6門程度の斉射数になっています
    つまり砲の性能から求められる一定の距離以上に遠くを撃つ場合に多数の装備が欲しいのです

    そしてそれすらも、フネとしてのバランスや砲性能によって簡単に覆る物です
    また大口径砲弾であるほど弾道のばらつきは減少する物ですから
    上記例の艦艇の多くは敵艦よりも、一弾当たりの直撃発生確率が高く、散布界は小さくなるでしょう
    命中速度は敵艦と同等以上の物を期待できると思われます

    そして砲数は少ない方が重量効率が良好ですから
    可能な限り砲数を減らして大口径を装備する方が同一距離に置ける戦闘効率は高くなます
    大抵の艦艇で砲数を8門以上備えるのは
    それがより長い距離、砲の性能限界で交戦する事を可能にするからです
    その戦闘距離がどのぐらいを想定していたのかで、砲性能と砲数の関係はいろいろと変化するのです

    結果としての現象、つまり大抵の艦艇の主砲が8門以上であることは大事ですが
    その原因を推察してみれば、何故大型軽巡はああだったのか、そして他の艦はどうだったのかが判ると思います


    SUDO

  17.  公算射撃、というより統制射撃が時代的には弩級艦や射撃管制装置よりも
    先だったとは意外でした・・・・・・自分は

    弩級艦登場による主砲口径の統一→統制射撃の採用→砲戦距離の増大→甲板防御の
    強化

    という順番で進化してきたという前提で考えていたので。その点で勉強が不足して
    いたようで。
    明石耕作

  18. え〜、補足。

     日本海海戦時には、同一諸元での射撃は実施されていましたが、射撃自
    体は各砲台毎の独立打ち方で、弾着も錯綜し、射弾の修正もままならない
    状態でしたので狭義の意味で公算射方とはいえないと思います。事実、三
    笠等には着弾時計は装備されていないと思いました。

     また、パーシー・スコット卿による一斉打ち方の発明は、日露戦争突入
    前であり、弩級艦の出現よりは前になります。これにより射弾を修正しな
    がら射撃する事が可能となり、公算射法が完成したといえます。
     従って、時系列的には、非常に大雑把ですが
     一斉打ち方の採用→一度に射撃できる砲の増大(弩級艦の出現)→光学
    兵器の発達→射距離の延伸、となるでしょう。
     但し、前弩級艦に見られる異口径の同級砲を装備しているフネでも、そ
    れらの砲を同時に同目標に対して「統制射撃」するのは可能ですから、一
    般的に言われる程、前弩級艦が不利というわけでもありません。

     一般的に、一斉打ち方が実施されて以降の射法は、目標が弾着地点に存
    在する公算やら射弾が遠近になる公算やら、いわゆる統計学でいう公算学
    というのを利用した射法で(ああ、小学校卒業程度の算数力では理解する
    のが困難だった・・)、射弾が2発以上で実施する事が可能です。ただ、そ
    れでは、目標を捉える事や射弾の修正が非常に面倒という現場レベルの問
    題が生じますし、散布界「内」での射弾の散布を計測し、有効に利用する事
    も出来ません。従って、公算射法での射撃を(統計学的に処理してそれを
    用いる射撃を実施する為には)は最低限でも3発、出来れば4発が必要と
    考えられていたようです(この辺は図を見れば一目瞭然なのですが・・・)。
     この辺の理屈は我が海軍と米国で用いられていた理論ですが、英国がこ
    うであったかは不明です。しかし、人間の考えることですから、それ程遠
    い事をやっていた訳ではないでしょう。

     それと、今述べた「公算射法」でなければ敵艦に砲弾を叩き込む事出来
    ないか?といえばそんなことはなく、各砲台が勝手に打っても命中させる
    事は可能です。ただ、射弾の散布は拡がり、それに伴う命中率はかなり低
    下します。まぁ、近距離ではそれ程関係無いともいえますが。
    tackow


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